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『Re:rights』  作者: 藤崎透
Re:legend
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『Re:rights』VS『Gun SHOTER』

筐体から出るとそこには相手『TUDW』の姿は既になかった。

その代わりに鴉野が顔の目の前に両手を合わせるようにして俺に近づいてくる。

「悪い、まさかあんなミスするなんて不甲斐ない」

「別にいいさ、一人で二人もやったんだから上出来じゃねぇか」

俺は鴉野の近づいて肩を叩いた。

「次は決勝戦だからな、勝てばついに俺たちは関東大会に出場できる」

「ああ、もちろん。負けるつもりはねぇよ本気で行くさ」

俺は薄く笑を浮かべて決勝戦の会場へと一歩踏み出したところで俺は大型モニターに映り出されていた映像に気づき立ち止まった。

それは予選Aグループはすでに全試合が終わり優勝したのは大方の予想通り『J.L.Q』だというものだった。

「やっぱり、『J.L.Q』か」

俺の横にきた渉は呟く、そこに何も驚きもないというのはそれだけ期待されて実力を発揮してこんなところでやられる訳がないと誰しもが知っていたからだろう。

俺は手を握り締めるとその画面を見つめながら、昨日『J.L.Q』との会話を思い出した。

待っている。その言葉を実現するようにカメラ越しに凛々しい顔を向ける九十九に俺は言い放つように口を開いた。

「待ってろよ、『J.L.Q』」

そう言うと俺は再び会場の中を大きく一歩ずつ歩き出していった。



準決勝から休憩を挟んで一時間後、決勝戦の会場は今までとは違い特設されたステージで行われ多くの観客の前で行われた。その光景はさながら『AFW』というゲームの知名度を誇示しこの大会の差し誇らしているように思えた。

横に並んだ俺たち4人と司会を挟んで相手の4人が並ぶ。その相手は最近になって実力を発揮し始めた『Gun SHOTER』というクランだった。ちなみにそのクランは今では色々な大会で見かけるようになるが、そのときは結成して間もなく今大会で芽が出てきたような位置づけだった。

「ついに難関と言われた東京大会Bグループ決勝戦が始まります。始める前にそれぞれのクランのリーダーに意気込みを聞いてみましょう。それではまず『Re:rights』のリーダー龍ケ崎選手に話を聞いてみましょう」

司会者は声高らかに場を盛り上げると俺にマイクを向ける。俺は溜息をつくと言葉を待つために静かになった目の前の観客を見てその最前列にいる若葉を見つけるとマイクに向かって口を開いた

「優勝します」

言い終えるとその場から歓声に交じるように司会者は俺の言葉にさらに言葉を付け足して煽り文句のようなものを叫ぶ。

「それでは次に『Gun SHOTER』のリーダーであるアイル選手に話を聞いてみましょう」

そう言ってマイクを相手の一人に近づけさせる。と相手は俺のことを見ながら吐露するような口ぶりで観客が静まるのを待つと

「もちろん、負ける気なんサラサラないですよ。いつも勝つもりでやってます」

アイルのクールな表情でそう言うと会場の観客は再び盛り上がり歓声が包み込み熱気が高まったところで、司会者の指示通り俺たちは筐体の中へと入り試合が始まり目の前には白い空間が広がる待機部屋に変わった。

「相手はスナイパー1人、中距離が2人の近距離が1人の編成みたいだな」

俺は瞼を閉じて大きく息を吸い込んでため息を出すと握ったハンドガンをさらに強く握り締めると目の前の仲間たちに口を開いた。

「優勝するぞ」

「ああ、もちろん」

「分かってる」

「言われなくてもそのつもりだよ」

それぞれが頷きながら顔を見合わせると笑を浮かべると大きく息を吸って口を開いた。

「それじゃあ、『Re:rights』行くぞ」



決勝戦のステージは四方2kmをフェンスで囲まれその中にはサビが多くある車が積み上げられた廃棄工場のような所だった。

「作戦は言ったとおり。ステージが狭い分、敵に遭遇する確率は高いから二手に分かれて行動するぞ」

俺の言葉に頷く一同に俺はあたりを見渡して淀んだ空気が立ちこめる空の動きを見つめた。どこか不穏な空気が立ちこめるどんよりとした空模様。俺は大きく息を吐き出し瞳を閉じた時だった。

「2時、スナイパー」

凛の叫び声に無意識的に身体の姿勢を低くし、近くの廃材を壁にするとマップを広げて発砲地点を確認する。

「まじかよ、こんなに早く来るなんてな」

狭いステージに加えて、相手のクランとのスタート地点は想像以上に近かった。そのため『AFW』でも希にみる早さで相手と出くわした。試合を盛り上げる為に運営側がの計らいでわざとそのような事をしたのか、それともただの偶然なのかは分からないがいきなり相手と一線交える状況になった。

とりあえず鴉野が反撃を試みようと狙撃地点に向かい銃弾をいくつか放ってみるが、どうやら相手は3人いるようで、すぐに新しい地点から狙撃される。

しかも状況は最悪なことに、現在いるスタート地点は高く積み上げられた車により行き止まりの様になっていて逃げ場がない。

「このままじゃ4人ともやられるよ」

渉の言葉に俺は銃弾が飛んでくる中、頭の中を働かせて現状を打開する方法を考える。

入り口が一カ所しかないこの場所、そこから出て行けば有無を言わさずに相手の銃弾が飛んでくるのは明白。だからといってここから反撃しようにも相手の位置が有利過ぎて無理だ。


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