73話 封印されしもの1
「っと、やっと空間に出られたか。ここは一体どんなところだろう?」
外壁を溶かしながら真っすぐ進んできたつもりであったマサトだが窓から外を見てみると大分上の方まで上がって来ているみたいであったため、ついついそのような言葉が漏れてしまった。
「そうか、まっすぐ進んでいるつもりだったが融解させた分段々と足元に固まっていくから知らず知らずのうちに斜めに掘り進んでいってたのかな」
そうこう考えていると通路の奥の方から鎧のすれる音と同時に怒鳴り声が聞こえてくる
「誰だ!転移装置を使わずに中に入って来た奴は!ヒュージスライムがやってきたらどうするつもりだ!」
怒鳴り声を上げている者は年齢で言えば25歳位であろうか?銀色に金のラインが入ったフルプレートを装備しヘルメットを脇に抱えマサトの前に歩いてきた。その周りにはその男の部下であろう2人の姿も見て取れた。
「貴様は何者だ!そして何をしたのか理解できているのか!?もしヒュージスライムがこの中に入ってきたらそれこそこの国は終わりなんだぞ!」
「え...すみません...確かにそれはあり得るかもしれませんけど、そもそもそんな大声出している方が危ないと思いますけど。確かに不法侵入したことは間違いないですが。
ってそれよりミラは!?あっけにとられてついつい謝って更にツッコミ入れたけどミラは何処にいるんだ!」
「え...?」
「え...?」
「あー。改めてすみませんでした。まさか城の中に人がいるなんて思ってもみなくて。外が無人だったのは全員ここに避難していたからなんですね」
「ああ、此方こそ済まない。まさかあの地震でこの地下に落ちてくるなんてな。一応転移装置もあるから地上に送り届けることもできるんだが、その為には外にいるヒュージスライムをどうにかして倒すか再度封印するしかないんだ」
俺と先ほど怒鳴って来たフルプレートのお兄さんとの話し合いによりお互いの話のすり合わせを行うことで誤解をとき、あけた穴は魔法で埋めておいた。
その後全員で大広間まで移動してきて先ほどの話し合いとなるわけだ。ついでにミラは俺の横で眠っている。ミラはたまたま3Fでヒュージスライムの観察をしていた空間魔法使いにこの城の中に移動させらたらしい。マサトと言う連れが居ると話していたそうだが俺の姿が確認できなくて俺だけ取り残される形となっていたようだった。
「所でさっき『その為には外にいるヒュージスライムをどうにかして倒すか再度封印するしかないんだ』って言ってましたけどどういう事ですか?」
「ああ...それなんだが...」
(*´ω`)
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