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4話

◆4話


長崎は路面電車の町だ。


海岸線近くまで山が迫った狭い町の中を路面電車が行き交うさまは、ちょっとポルトガルのリスボンを思わせる。


ケンジと一緒だったときは車だったけど彼は、路面電車が邪魔で、運転しにくいや、とこぼしていたものだ。


その路面電車に乗って私たちが行ったのは『S』という有名な老舗チャンポン店だ。


友人のトモミにとって長崎は初めてだったので、まずは有名なところにしたのだ。


トモミは小さな牡蠣がたくさん入った、白濁スープのチャンポンを珍しそうに食べた。


「ふう。美味しかった……。ね、このあたりで猫が出そうで写真映えするところってあると?」


さっそく行動に入るのが彼女のいいところだ。


「前に来たときは、グラバー園の裏あたりにいたけど……」


私たちはさっそくグラバー園の近く、つまり南山手のあたりに行ってみた。


このあたりは外国人居留地があったところで、古い洋館が建て込んでいる。


白く塗装された優雅な建物は異国に迷い込んだようだ。


また、洋館と洋館の間には狭い路地がある。


ここが外国ならありえない、狭い路地が長崎らしいところだ。


テラスのついた2階部分が坂道に接続されている洋館もある。


そんな光景にトモミは


「わー、すごーい、カッコいい」


とはしゃいだ。1年前、私がケンジと一緒に来たときがそうだったように。


そのとき、猫の鳴き声がした。


振り返ると、私たちの目の前を1匹の三毛猫が歩いている。


その猫を見た私は自分の目を疑った。


三毛猫の背中の模様の形が、彼の背中のアザにそっくりだったからだ。


特徴的な形。


「ミャウ」


猫は誘うようにこちらを振り返って歩き出した。


私はその猫を追った。


猫は、人間が追うのにちょうどいい速さで私の少し前を進む。


そしてたどりついたのは……。




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