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終章4

◆終章4


「ケンジ!」


私は彼の胸にむしゃぶりついた。


「今までどうしてたのよ!心配したんだから」


彼は何も言わずさもいとしげに私を抱き寄せた。


さっきの三毛猫は高い棚の上で何故か怒ってグルグルと唸っている。


ケンジが私に口づけようとしたその時だ。


「ギャーオ!」


猫は棚の上から飛び降り、私達の顔の間に割って入ると、彼の頬にツメを立てた。


「何するのよ!」


猫はなおも彼の胸のあたりにツメを立てて貼り付いている。


私は猫を引き剥がし、床へ落とした。


床へ落ちた猫はなおも私のスネを引っ掻く。


ケンジはひるまず私を再び抱きしめ、唇を押し当てた……。






どさり、と『私』はその場に倒れこんだ。


猫が悔しそうに鳴き続けている。ざらざらとした猫の舌を額に感じて私の意識は戻った。


なんだか、とても小さくなったような気がする。


目の前に倒れている女を見て……私は驚いた。それは私だったからだ。


私は動転して、自分の手を見ようとした。


それは、白い毛に覆われていた。そしてツメがイヤに尖っている……。


私の『体』は倒れこんだままだった。


別のモノに変身した私は、私の『体』を見つめておろおろするだけだ。


次に浴衣の女が、霧のように薄れ、その煙は倒れた私の口から入り込んだ。


死体のようにぐったりとしていた『私』の身体は、目をカッと見開くと、むくりと起き上がった。


「ふう、3百年ぶりの生身だわ。おお痛。スネにこんなに傷が」


『私』になった女は、300年前の辛かった境遇を話し出した。


好きな相手と引き裂かれた女は、唐人相手の遊女として売り飛ばされてしまい、挙句心中したのだという。


「さあ、長居は無用よ。行きましょう源三郎」


とケンジのことを源三郎、と呼んで2人で出て行ってしまった。





私?長崎の坂道でたむろしている猫の1匹です。あの三毛猫はケンジだったんです。


だから、皆さんに助けてほしいの。身代わりになってほしいの。いつまでも待っているから……。

ゲーム感覚の小説はいかがだったでしょうか?


1話をいろいろなところで使いまわしているので、ぎこちない部分もあると思います。


今回は、やっぱり600Wまで書き足すのが一番大変でした(笑)


あまり怖くない、拙い話でしたが、感想や評価をいただけますと幸いです。


近日中に、この形式の、次はもっとグロイ話をアップしようと思います(やっぱり携帯ゲームの原案ですが)。


最後に、皆様ご愛読、本当にありがとうございました。

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