表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/38

23話

◆23話


私は、彼を探して長崎の町をさまよった。


探すあては何もない。


考えてみたら私は、彼に宿泊先も聞いてなかったのだ。


もっとも、彼のこなす安い仕事は、安宿代ですらケチらないといけないような仕事も多かった。


彼はそのたびにボロくなったマイカーで寝泊りしていたのだ。


自発的な作品になる今回も、そんなに長期になるとは思わなかったから、いつものように車で寝泊りパターンなのだろうな、と私は思い込んでいた。


それで、宿泊先を聞かなかったのだ。


そんな私の道しるべはただ1つ。


彼が『猫の写真集』といっていたことだけだった。


だから私は、猫がいるところを人に聞いては歩いた。


もしも猫が口を聞けたなら猫に聞くのが一番なのだろうが……。


必死の形相の私に反して、猫は目の前を悠然と横切ったり、門柱の上で丸くなっていたりと、のびのびと活動していた。


彼だったらシャッターチャンスの宝庫だっただろう。






……ダメだ。


もう夕方だが、彼の手がかりは何もつかめなかった。


一日中歩き回った足は、すっかり棒になっていて、もう感覚がない。


私は狭い石造りの階段の途中に座り込んだ。


山肌の中腹まで住宅が建て込んでいる一角だ。


目をあげると夕暮れの長崎港がよく見える。


下のほうから人があがってくるのが見えた。


上がってきたのは






郵便配達員→24話へ


年配の女性→31話へ


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ