表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミュ障、異世界転生で存在消失す ~透明人間はスローなライフも思いのままでした~  作者: 好きな言葉はタナボタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/65

第45話 シャリンシャリン

家に戻ったエリカはシャワーを浴びて部屋着に着替えると、夕食のサンドイッチを食べ始めた。 ムシャムシャ。


                 ◇❖◇


「サンドイッチと牛乳でお腹が一杯になっちゃった。 デザートはまた後ね」


食事で膨らんだ腹をさすっていると、玄関の呼び鈴が鳴る音が聞こえてきた。 シャリンシャリーン。


エリカの家の呼び鈴は、玄関の外で紐を引っ張ると家の中でシャリンシャリンと涼やかな音を鳴らす。 でもエリカの家を訪れる者など誰1人としていないから、エリカがこの家に住み始めてから一度も鳴ったことがない。


(ええっ? お客さん!?)


エリカは少なからず狼狽ろうばいした。


(どうしよう。 居留守する? いや、居留守を使うまでもなく私の姿は誰にも見えないか)


エリカはおずおずと台所を出て廊下を進み始める。 とりあえず誰が来たのか確認してみよう。 玄関に到着し、ドアに備え付けられている覗き穴(ドア・スコープ)から外を覗く。 が、誰も居ない。


(誰もいない...... 呼び鈴の誤作動? 誰かのイタズラ? でも、こんな――)


シャリンシャリン!


(きゃあっ! また鳴った)


覗き穴からは呼び鈴を鳴らす人の姿が見えるはず。 呼び鈴が鳴ったのに、誰の姿も見えない。


(やっぱり誤作動? でも単純な機械仕掛けの呼び鈴が誤作動を起こすことってある? もうオバケの仕業としか......)


シャリンシャリン。


(ああっ、また。 もうやめて! 堪忍かんにんしてっ!)


にわかに自分の身に生じた超自然現象に、エリカは体をすくませ腰を抜かさんばかりであった。


                ◇❖◇❖◇


ちょうど同じ頃、エリカの家の玄関の前ではアリスが困っていた。


(おかしいなあ、エリカさんの家ってここやんな(だよね)? で、これが呼び鈴の紐やろ(でしょ)? こうして引っ張ったら家の中で音が聞こえるもんなあ(ものねえ)。 シャリンシャリンって)


シャリンシャリン。


                ◇❖◇❖◇


(きゃあ、またっ!)


悲鳴を上げるエリカ。 だが、同じ怪異が何度か繰り返されるうちに、怪異に慣れた。 エリカの感情が裏返る! 恐怖心が怒りへと180°転換ッ!


(いい加減にしなさいよねっ! 何度も何度もシャリンシャリン! そっちがオバケなら、こっちはファントムさんよ!)


実はどっちもファントムさんだが、エリカはそうと知らない。 ドアの鍵を開け、怒りに任せてドアを開け放った!


                ◇❖◇❖◇


(あれ、ドアが開いた? ボヤけててよくわからへん(ない)けど、閉まってはいーへんやんな(いないよね)?)


エリカが玄関のドアノブを握っているので、いま玄関のドアは存在感が希薄となっている。 だがドアに神経を集中していたアリスには、ドアが開いたらしいと感じ取れた。


(あっそう()、ベルを鳴らさ(ないと)。 エリカさんには私の姿が見えへん(ない)からベルでお知らせせん(しない)と)


アリスは手に持つ卓上ベルをチーンと鳴らした。


                ◇❖◇❖◇


勢いよくドアを開け放ち、周囲に威嚇的な視線を投げ散らかすエリカの耳に、安っぽい音が聞こえる。 チーン。 今日いく度となく聞いたベルの音だ。


(アリスちゃんの卓上ベル......? そういうことだったのね)


エリカは真相に気付いた。 無人のシャリンシャリンは謎の怪奇現象ではなく、アリスが呼び鈴を鳴らしていただけだった。


しかし、次なる疑問がすぐエリカの脳裏に浮かぶ。 アリスは一体なぜエリカの家にやって来たのか? しかも、こんな時間に。 外はそろそろ真っ暗だ。


訪問の理由を尋ねたいが、手元にマイ・ベルがなく意思の疎通ができない。 エリカは一旦ドアを閉めて、マイ・ベルを取りに家の中へ戻って行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ