第22話 ラットリングは卒業
エリカはハンター協会を出ると自宅に直帰した。
シャワーを浴びてサッパリした彼女は夕食のビーフ・シチューを煮込みながら後悔する。
(ラットリングを卒業ということは、今後わたしはオーク狩りで生計を立てるってこと? あんな大きくてゴツい筋肉の塊を倒せる気がしない。 卒業を了承したのは早計だったかも)
客観的に見れば、エリカにはオークを倒す能力が十分にある。 彼女の長剣はオークの筋肉を容易に切り裂くし、エリカの存在はオークに知覚されない。 また、何かの拍子にオークの振り回す武器が直撃して殺されても、エリカは復活する。 エリカがオークを負ける要素など何1つない。
しかしエリカはオークにビビってしまっていた。 威圧感たっぷりの厳つい巨体と、悪意に満ち知性を帯びる眼差し。 オークと対峙することを思い浮かべるとエリカは、下半身からヘナヘナと力が抜けそうになる。 こんなことではオークの背後に忍び寄っても剣をしっかりと背中に突き立てられない。
シチューのアクを取りながらエリカは考え続ける。
(西門のラットリングは卒業だし、南門のオークは強すぎて無理。 北や東はどうなのかな? あした調べてみよう)
エリカは、南門エリアにオークより弱いモンスターもいることを失念していた。 エリカにとって南門といえばオークだった。




