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コミュ障、異世界転生で存在消失す ~透明人間はスローなライフも思いのままでした~  作者: 好きな言葉はタナボタ


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第11話 「私もここでお昼ゴハンにしよっと」

ハンター稼業にも慣れてきたある日、エリカは「パーティーごっこ」に興じていた。 パーティーごっことは、ラットリング退治のパーティーの後に勝手に付いて行って戦闘や会話に参加することを言う。 戦闘はともかく会話にいたっては正に「ごっこ」である。 誰にもエリカの声は聞こえないから。


今日のエリカのターゲットは出来たてホヤホヤのパーティーだ。 さきほど男性2人が女性2人をパーティーに誘って形成されたばかりである。 パーティーのメンバーはクロブ、サンショ、シモンナ、そしてフェネルの4名。 シモンナとフェネルが女性だ。


じゃれ合いながら町の防壁沿いに移動して行く4人の男女。 エリカは少し距離を置いてその後に付いて行く。 最近になってエリカは知ったのだが、ラットリング狩りに従事するのは駆け出しのハンターが主だ。 ベテランは町から離れた場所で活動するという。


クロブは先ほどから冗談を言っては女性たちを笑わせているが、その冗談がだんだんとエッチな方向に進んでいく。 エリカも後ろで聞き耳を立てて興味津々である。 エリカはいつのまにか4人のすぐ後ろまで近づき、エッチな話に聞き耳を立てていた。


「...そういうわけで、奴はいつも前かがみなのさ」


クロブが語り終えると他の3人は大はしゃぎ。 はしゃぎ過ぎたフェネルが「もう、やっだー」とクロブの肩を突き飛ばす。 突き飛ばした力の予想外の強さに、クロブは「おわっ」とたたらを踏んだ。


「すごく力が強いね、フェネルちゃん」


「ごめんなさい。調子に乗りすぎちゃった」


謝るフェネルをシモンナがからかう。


「この子は筋肉にばっかり栄養が行ってんのよ」


「そんなに逞しく見えないけど」とクロブ。


「マナの話よ。 この子、筋力ばっかり上がってんの」


「マナって何? RPG的な話?」とファントムさん。


「どれぐらいなの?」


尋ねるクロブにフェネルは恥ずかしそうにポツリと答える。


「よんじゅうに...」


「え、42もあんの? オレなんて30しかないのに」


「マジかよ。 俺でも36だぜ?」


エリカは人知れず口を挟む。


「私はいくらなのかな? 筋力ってどうやって調べるの? 握力計とか?」


「その代わり、この子は魔法もからっきしダメ。 将来は重戦士一択(いったく)ね」


「いいもん。 わたしさっさと結婚するもん」


「ちょっとフェネル、結婚には相手が必要なのよ?」


シモンナの冗談にフェネルを除く3人は大笑い。 エリカもちょっと笑った。


                  ◇❖◇❖◇


ピクニック気分で進みながら時おり出現するラットリングの群れを倒してゆく4人パーティー。 4人ともラットリング退治には慣れており、数匹程度の群れは簡単に倒してしまう。 ここに至るまでエリカの出番はなかった。


(パーティーごっこもいいけど、これじゃあ全く稼ぎにならないわね。 人助けもできないからつまらないし。 午後からはもっと弱いパーティーに付いていこうかな)


エリカがそう考えていると、サンショがそろそろ昼食にしようと言い出す。


「ここなんていいんじゃないか? 地面も座り心地が良さそうだし」


「そうね、じゃあここにしましょうか」


「私もここでお昼ゴハンにしよっと」


エリカは4人から少し離れた場所に腰を下ろし、ナップサックから昼食のパンと果実を取り出す。 4人のお喋りをBGMに食事を済ませると眠くなってきたので、ナップサックを枕に昼寝することにした。 午後からは今のパーティーと別行動の予定なので、寝ている間に彼らが立ち去ってしまっても問題はない。


くーくーと可愛らしい寝息を立てるエリカ。 口の端からはヨダレが少し垂れている。 昼寝中のエリカに気付くはずもなく、4人パーティーは昼食の後片付けをしている。


「今日このあと、なんか予定ある? お酒でも飲みに行かない?」


「行く行く」


「じゃあ、しっかり酒代を稼がないとな」


「あと20匹は倒そうぜ」


そのとき、シモンナが北を指差して仲間の注意を喚起する。


「ねえ、あっちからラットリングが近づいてるわ」


「どれ、かなり多いな。10匹ぐらい?」


「もうちょっと多いんじゃないか?」


「腹ごなしには丁度いい数さ」


4人の男女はそれぞれに武器を構えラットリングの群れを目指す。 このとき彼らは気付いていなかった。 彼らの後方からもラットリングの集団が迫っていることに。

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