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アースガルドの写本師 ~魔導書が選んだ、禁断の真実~  作者: ましろゆきな
第三章:運命の選択、そして心と歴史の螺旋 
9/10

第九話:多勢力入り乱れる争奪戦(アルトの決死の防衛)

 禁じられた書架の奥で、かさねが「隠された魔導書」の写本を続ける中、図書館全体を揺るがす争奪戦は激しさを増していた。


 王族の派閥、異国の商人の結社、そして図書館長に従うわずかな守護者たちが、それぞれの思惑を胸に、血とインクの飛び散る戦いを繰り広げていた。


 その最前線に立っていたのは、第四王子アルトだった。


「これ以上、かさね殿に近づけるわけにはいかない!」


 彼は叫び、手にした王族の剣を閃かせた。


 その剣さばきは洗練されており、並の兵士を寄せ付けない。

 しかし、彼の強さは、単なる武術だけではなかった。アルトは、図書館の複雑な構造を熟知していた。


 迷路のような書架の配置、隠された抜け道、そして書物の重みに耐えるための構造的弱点まで、全てを頭に入れている。


 彼は、追撃してくる異国の商人や、王族内の対立派閥の兵士たちを、意図的に書架の狭い通路へと誘い込んだ。


「そちらは崩れやすい! 迂闊に踏み込むな!」


 アルトの声が響く。敵が足を踏み入れた瞬間に、彼は隠された仕掛けを作動させ、大量の書物が雪崩のように落下する。


 書物の山が一時的に通路を塞ぎ、追手を足止めするのだ。

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