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73.『黒竜の血』の価値

・・・・え、獲物がいねえ。


  森の中をいつものように適当にブラついて魔物を探しているが、今日は全く獲物が見つからねえ。それというのも理由は分かっている。


「いたぞ!囲め!」

「クソが!先にとられたか!仕方ねえ。みんな!別の場所を探すぞ!」

「こっち、こっち!何かの痕跡だ。・・・これは牛だな。よし、こいつを見つけるぞ」


 普段は静かな森の中から聞こえてくる喧騒のせいだ。その喧騒はコーバスの連中が大挙して森に入り、俺と同じで獲物を求めている声だ。しかも俺みたいに適当にブラついて適当に探しているって訳じゃねえ。ちゃんと痕跡を見つけてそれを辿って獲物を探している。

 しかも本気度が俺とは段違いでパーティだからそういうのが複数人いるんだ。そんなんだから俺が先に見つけられる訳がねえ。しかも連中が狩り尽くす勢いで狩りまくっているから、どんどん獲物の数も少なくなっているし、状況が日ごとに悪くなっているのが分かる。


「・・・・帰るか」


 『ドルーフおじさん』が現れてから5日。俺は狩りを諦めてコーバスに戻って来た。稼ぎゼロとか久しぶりだよ!ちくしょう!


「なあ、リリー。あいつら俺の狩場まで押し寄せてくるんだけど、どうにかならねえ?」

「森はベイルさんの物ではないので、どうにも出来ません」


 相談した所で、リリーからはそう返ってくるだけだった。塩対応って訳じゃねえ、俺もそれは理解しているから愚痴りたかっただけだ。


「それに皆さんベイルさんと違って組合に借金がありますから、こっちからも強くは言えないです」


 そうなんだよ。あいつら組合に借金があるんだよ。組合としては金返してもらわないといけないのに、俺に配慮しろなんて言えねえわな。みんな大体借金500万。貯金してる奴少なすぎい!

 これで逃げたら奴隷落ち確定だから、そりゃあ、真面目に働くよ。


「こりゃあ、落ち着くまでのんびりするしかねえ。リリー、俺はしばらく旅に出るから、姿が見えなくても心配すんなよ」

「組合としては止める権利はありません。ただ他の街で問題を起こさないで下さいね」

「あったり前だっての!俺は余所の街じゃ『借りてきた猫』ぐらいお行儀よくしてるって!」

「『借りてきた猫』の認識が私と違ってそうですけど、まあいいです。どこに行くか聞いてもいいですか?」


 どこに行くか・・・・取り敢えず組合長の財布から貰った金と白金貨5枚はあるから金の心配はねえ。そうすると、ずっと食いに行こうと思って行けてなかった海の幸でも食いに行くか!

 他は・・・・・そうだ!久しぶりにクロの顔でも見に行ってやろう。血の礼も言わねえといけねえしな。あいつに外出歩くようにお願いしないといけなかったな。後は適当にその場その場で思いついた場所に行けばいいや。


「取り敢えず海の幸でも食いに行ってくる。あとは適当だな」 


 クロの事は言えねえからそのぐらいしか答えれらない。


「適当過ぎません?まあ、ベイルさんらしいですけど」

「ベイルさん、どこか行くっすか?」


 そんな事をリリーと話していたら。いつの間にか俺の後ろに立って、順番待ちしていたカルガーが話に割って入ってきた。


「盗み聞きは良くないですよ。カルガーさん」

「いや、聞くつもりは無かったっすけど、組合が静かすぎるから聞こえたっす」


 カルガーの言う通りいつもなら昼から酒飲んで騒いでいる駄目な組合員がいるはずだけど、今日は誰もいない。みんな真面目に仕事しているんだろう。


「それで旅に出るってベイルさん、お金ないって言ってなかったっすか?」

「バーカ、そりゃあ王都近くの街までの話だ。俺がコーバスに戻ってくるまでに、どんだけ絡まれたと思ってんだ。そいつら殴り飛ばして真面目に金を稼いでたんだよ」


 本当は違うけど、途中から別行動してたし、嘘だとバレる事は無いだろう。


「それ真面目に金を稼いだって言わないッス」

「馬鹿野郎!降りかかる火の粉を払って得た金だから、組合じゃそう言うんだよ!」

「えー」


 そう言ってもリリーが否定しねえから、俺の考えが正しいって事だ。巻き上げるのは駄目だけど、絡んできた奴を返り討ちにして金貰うのはアリ。でもこれで金稼ぐのは俺ぐらい強くないと無理だけどな。


「そう言えばカルガーは何しに来たんだ?アーリット達から抜けたのか?」


 こいつのパーティーリーダーのアーリットは頭お花畑だから、何故かメンバーで組合員の奴らの借金返済手伝ってんだよ。


 いや、もう本当に何でだよ!って言いたいよ。言いたいけど俺には理解出来ない理論を言われて、俺の頭がバグりそうだから怖くて聞けない。クワロの所で組合員のイロハを叩きこまれたカルガーも、流石についていけなくなったか?


「違うッス。今日はジロウ達の顔見世っす。組合長に許可貰うためにみんな連れて来たッス」


 抜けてねえのかよ。見れば疲れた様子もねえし、ニコニコ笑っているこの犬馬鹿は、犬の事以外何も考えてねえんだろうな。


「それでは組合長を呼んできますね」


 そう言ってリリーは席を離れていった。


・・・・・あれ?今俺の対応の時間だよね?カルガー割り込んできたのに、そっち優先すんの?


「来たか、カルガー。それで?どこにいる?」

「外でお利口さんに待っているっす」


 すぐに組合長がやってきて、カルガーと共に外に向かっていく。リリーも書類を手に後をついていく。


・・・俺の順番・・・いや、別に愚痴ってただけだからいいんだけどね。


 取り敢えず俺も暇なので、カルガー達の後をついていく。そう言えばジロウ達もポーション飲ませて完全回復したって聞いただけで見て無かったな。ゴドリックはジロウ達の為に、即金で2000万ジェリー払ったそうだ。金持ちぃー。


 そして、外に出た俺は速攻でジロウ達に襲われた。


「おい!何だ!馬鹿!やめろ!舐めてくるな!くっせー。こいつら生臭えぞ、カルガー」

「生肉しかあげてないから、生臭いの仕方ないっす。でもこれが舐められているって感じがして気持ちいいっす」


 この犬馬鹿おかしな性癖に目覚めやがったのか?俺はそんなおかしな性癖は持ってねえ。ただただ、気持ち悪い。


「やめろ、お前ら!伏せだ!伏せ!」


 俺が命令すると、3匹とも舐めるのをピタリとやめてくれた。言う事聞いてくれて何よりだが、俺は全身ジロウ達の涎塗れになっちまったよ。


「・・・うわあ。ネチャネチャだよ。気持ち悪い。しっかし、何でこいつらこんなに喜んでんだ?・・・・あれ?俺『伏せ』って命令したよな?」


 ジロウ達は俺の『伏せ』って命令に従わず何故か腹を見せて俺に何か期待するかのような目を向けている。カルガーがそれにダイブしてキモイ動きしているのは見えてないぞ。


「ベイル、お前凄いな。意外だけど結構ちゃんと躾してんだな」


 驚いている組合長には悪いけど、躾なんて全くしちゃいねえ、全部ゴドリックかカルガーに投げてるもん。俺はたまに顔みせて鐘一つ遊ぶぐらいだ。今日は何故かジロウ達がいつもより甘えてきただけだ。


「ゴブリンキングも躾って出来るんですね」


 うん?リリーは何言ってんだ?ゴブリンキングが言う事聞く訳ないだろ!うちのゴブ一だって言う事聞かねえんだ・・・ぞ?


「え?何でゴブ一連れてきてんだ。おい!カルガー!これちゃんとゴドリックが良いって言ったんだろうな!」


 ジロウ達に気を取られて気付いてなかったけど、よく見ればゴブ一も一緒にいた。こいつはジロウ達に従っているが、俺達に全く懐いてなくて、たまに攻撃する素振りを見せるんだぞ。


「ゴブ一も大丈夫っす。ゴドリックさんがポーション飲ませて回復させたら、ゴドリックさんに服従して言う事必ず守るようになったっす。って何で?ゴブ一がベイルさんに膝ついているっすか?」


 俺が聞くとキモイ動きしていたカルガーが顔をあげて答えてくれたが、ゴブ一の様子に何故か驚いている。


「こうやって膝をついて服従の意志を示すのはポーションあげたゴドリックさんだけっす。自分やシーワンには絶対してくれないっす。それが何でベイルさんに?」

「ベイル、お前何かしたのか?」


 ・・・何かした記憶はない。強いてあげれば、大怪我しているって聞いたから、一度だけ様子を見に行ってポーション2本あげたぐらいだ。


「ポーション2本あげたぐらいしか・・・」

「自分はポーション5本はあげたっす!しかも上級も1本あったっす。それでもゴブ一は自分の言う事聞いてくれないっす!」


 じゃあ、違うか。理由に全く心当たりないぞ。そもそも俺に服従してんのか?ゴブリンの進化先って言われているオーガの組合長がいるからじゃねえの?


「組合長。ちょっと俺等と少し離れてくれません?」


 そう言って組合長が距離をとってくれるが、ゴブ一は変わらず俺の方を向いて膝をついている。


「じゃあ、次、リリー、組合長の所に行ってくれ」


 ・・・動かねえ。カルガーが行ってもゴブ一全然動かねえ。こいつマジで俺の言う事聞いてくれるの?


「ベイルさん。一回ゴブ一に私を襲うように命令してみるっす」

「ああ?何でだよ。街中で危ねえだろ」

「組合長もいるから万が一は絶対に起こらないっす」


 そりゃあ、カルガーの言う通りだと思うけど、いいのかよ。組合長に目を向けると、大きく頷いたから『やれ』って事か。


「ゴブ一。あそこの盾持った女だけを倒してこい!他の奴らには手をだすなよ」

「ギャギャ!」


 俺が命令すると、ゴブ一はマジで俺の指示に従って、カルガーに襲い掛かりやがった。


「グルルルル!!」

「あっ!ちょっと待て!タロウ!ジロウ!サブロウ!シロウ!お座りだ!ちょっとした実験だから、すぐに止めるから!」


 カルガーに襲い掛かったゴブ一を見て、今まで腹を見せていたジロウ達も跳ね起き、タロウと一緒に唸りだしたので、慌てて止める。


「ゴブ一!やめろ!ストップだ!カルガー!タロウ達を落ち着かせろ!」


 流石にこれ以上はゴブ一がタロウ達に殺されると思ったので実験は中止だ。タロウ達はカルガーに任せて、ゴブ一に近付くと、また膝をついて指示待ちしている。本当にこいつに何があったんだ?


「カルガー、今ので何がしたかったんだ?」


 本当、組合長の言う通りだよ。ゴブ一殺したかったとか言ったら流石に俺も怒るぞ。


「ゴブ一は、ゴドリックさんから外では自分の言う事を聞くように命令されているっす。それなのにベイルさんの命令を優先した・・・多分ゴブ一の中ではベイルさんの命令が最優先事項にされているっす。要するにゴドリックさんよりベイルさんの方がゴブ一の中では位が高いって事っす」


 ・・・・・・・何でだよ。


「ベイル、お前、何かしたのか?・・・・ってその顔じゃ、心当たりは無いみたいだな」


 うん。本当に何もない。敢えて言えばゴブ一を捕まえる時に、摩訶不思議ゴブリンにしたぐらいしか心当たりがない。ただそれからしばらくは全く懐いてくれなかったから違うと思う。もう一度拘束して欲しいなんて思ってる訳ねえよな。


「摩訶不思議ゴブリンぐらいしか・・・」

「それで懐く訳ねえだろ!」

「ああ、あれっすか。シーワンに教えてもらったっすけど、多分違うっす。だってゴブ一しばらく誰にも懐いてなかったっすから」


 じゃあ、本当にお手上げだ。全く分かんねえ。


「今は分からなくてもそのうち何か理由が分かったら連絡しろ。取り敢えずジロウ達もその貴族紋を首から下げていれば外を自由にさせて構わん。ただし人を襲えば魔物として処理する。ゴブ一は・・・どうするか・・・」

「絶対に人は襲わせないっすから許可欲しいっす。必ずタロウ達の誰かと行動させて、言う事聞かせるっすから、お願いします」


 その条件守るならって事でゴブ一も外出許可が貰えた。そんで取り敢えず様子見でゴブ一達だけで北村に帰らせ、俺達は遅れて北村を目指す事にした。


「よーし、ゴブ一、いきなり最初から失敗するなよ。一度でも失敗すれば魔物として処理されるからな。肝に銘じておけよ」

「ギャ!ギャ!」

「そんじゃあ俺の指示をちゃんと覚えているか確認する。言ってみろ!」

「ギャギャギャ、ギャー、ギャギャ!ギギグ、ギャー!」

「よーし。何言っているか全然分かんねえ。けど大丈夫だろう」

「適当過ぎないっすか?」

「こいつ俺等の言葉理解しているみたいだし、問題ねえよ。それじゃあ、行ってこい!」


 そう命令するとタロウ以外の3匹と走り出していった。街の連中もジロウ達に慣れたのか誰も驚いていない。初めて見るゴブ一もジロウ達が近くにいるからか、誰も何も言わない。この街って組合員だけじゃなくて、住人も頭のネジが何本か外れてんのな。


「自分たちも出発するっす」 


 しばらく時間を置いてから俺達もタロウに乗って出発する。


「はあ?何でそんなに人が来てんだ?」


 道中カルガーに聞いた所、何故かここ数日北村に人が押し寄せてきているらしい。

 

「タロウのおかげっす。タロウが王都まで行ったから見た人がどんどん北村を尋ねるようになったっす」


 聞けばゴドリックは学会でタロウ達の事を発表して話題にはなった。なったが、信じる人は少なかった。そこに見た事ねえデカい魔物のタロウが王都に現れて、しかも人に懐いているんだ。そりゃあ、気にもなる。その主人はゴドリックだって聞けば会ってみたくなる。しかも噂の魔道具職人のレルコも北村に住んでいる、更にバードラーもいると聞けばそっち方面の連中も訪れてくるようになったんだそうだ。・・・今更だけどバードラーも有名人なんだな。


 そんで3人とも見所のありそうな奴を数人弟子にして、一緒に研究しているらしい。


「昨日はモレリアさんの紹介でトティって人が村に住み始めました」


 聞いた事あんな。誰だっけ?


「けど、流石に訪れる人が多すぎて北村では捌ききれなくなったっす。だから今日から組合を通していない人は門前払いになるっす。一応今日はその話もしに自分が来たッスよ」


 そう言えばそういうのは組合がやっているって聞いたな。でもアシッドスライムのせいでその機能は止まったから自分達で何とかしてたのか。でもやっぱり厳しくなったって事か。


 そうして話をしていると北村についたんだが、話の通り、街の入口は人だかりが出来ている。これ街に入れねえんじゃね?


「お疲れっす!門から入れそうにないから裏から入ります!」

「あ!カルガーさん、お疲れ様です!そうしてもらえると助かります!」


 カルガーもしっかり門番に顔を覚えてもらっているみたいだ。ただ、裏からって?この村って裏に門なんて無かったよな?

 疑問に思っていたが、その答えは簡単だった。タロウの奴、村の柵をぴょんと飛び越えやがった。しかも俺達二人を乗せても余裕そうに飛び越えたんだ。俺が思っている以上にタロウの身体能力は高いみたいだ。しかも飛び越えた先はゴドリックの庭だ。そこには一足先に戻ったジロウやゴブ一達が寛いでいた。


「ふむゴブ一が・・・・それはかなり興味深いですね」


 戻ってカルガーがゴブ一の事を説明すると、ゴドリックはとても興味深そうに話を聞いてこう答えた。その隣には馴染みのシーワンが座っているが、後ろにはゴドリック達と同じような雰囲気の男女3人が立って話を聞いている。こいつらが新しい弟子達だそうだ。


「ゴブ一を回復させたからだと考えましたが、もしかして別の理由があるのかもしれませんね」

「理由は全然分かんないッス。ベイルさんマジで何かしたんじゃないっすか?」


 そう言われても心当たりねえんだよ。


「考えつくのはやはりあの秘薬レベルのポーションでしょうか?ベイルさんあれに触ったりとかしてません?」

「・・・・ちょっと待て。秘薬レベルって何だ?」

「そこを説明する前に・・・貴族たちの持つ貴族ポーションはご存じですか?」


 それは知っている。上級ポーションより効果が高いけど、貴族達が買い占めて平民には出回らないポーションの事だ。どれぐらいの効果があるのかは知らねえ。目ん玉飛び出るぐらい高いって聞いた事ある。


「その効果はケガならすぐに治ると言われています。欠損については、指程度なら元に戻せるそうです」


・・・・・効果弱くね?その程度なん?


「そしてその原料が秘薬と呼ばれる王族が所有しているポーションになります。この秘薬、今回組合長が500万ジェリーで売ったポーションと同等の効果があると言われていて、これを10倍に薄める事で貴族ポーションになると言われています」


 んん?ちょっと待って。王族?凄い大物が出てきたんだけど・・・。


「ちなみに貴族ポーションっていくらぐらいなん?」

「功績があった貴族に褒美として与えられるものなので、値段はつけられてません。聞いた話だと王都の大店が50億で買おうとして断られたそうです」

「50億!うっそだろ!」

「本当っすよ」


 ・・・元貴族のカルガーにそう言われたら信じるしかねえじゃねえか。でもマジで?


 ・・・・・クロの血入りのポーションの劣化版1本が50億以上?って事はクロの血入りのポーションと同等の秘薬って1本500億以上って事?俺それを5億で売ったんだけど・・・え?俺またやらかしちゃいました?


 しかも今回は俺主導で値段交渉してたから、カモられらたとか言い訳できねえ。俺が物の価値を分かってなかった馬鹿でしたって事じゃねえか!


 うん?ちょっと待て!よく考えたら違う!聞いた話じゃ3級以上はアシッドスライムにやられて、ほとんど引退って言ってた。それがみんな借金して例のポーション買ったって聞いたぞ。つまり100人近くが例のポーション借金して買ったって事だ。って事はあれだけで約100本の秘薬が作れたって事だ。


 ・・・・・・そうすると・・・・・・・・・・・・5兆!!!うっそだろ。俺そんな価値のあるの5億で売って喜んでたの?


「私も出来る限りの伝い手を辿って貴族ポーションが手に入らないか動いていましたけど、まさか4本2000万で手に入るとは想像もしてませんでした。『ドルーフおじさん』の事は知っていましたが、あの人の価値観は我々と全く違ってそうですね」

「伝説の黒竜の血にそれだけの価値しかないと判断し、アシッドスライムの魔石には5億の価値を見出す。我々には考えが及びません」

「変わった人もいるっすねえ」


 ・・・・やめて!みんな悪気はないんだろうけど、俺の心にグサグサ突き刺さるから!


「それで話を戻しますけど、ベイルさん、あの組合長のポーションや『黒竜の血』に触ったりしませんでした?」

「匂いが原因って事か?それなら組合長に懐いてないとおかしくないか?」


 クロの血は組合長が持ち歩いてたんだし。


「いえ、ポーションや『黒竜の血』に直接って意味です。それならベイルさんにゴブ一が従う理由も説明つきます」

「そうはいっても、俺触ってねえからなあ」


 宿じゃ、べたべた触ったけど、容器だけだもんな。・・・・あっ!そう言えばクロから血を貰う時、手で掬って容器に入れてた気がする・・・いや、でも何年も前の話だから、俺の匂いなんて残ってねえだろ。・・・・ねえよな?


「そうですか。理由が分かれば、ゴブリンを懐かせる事が出来ると思ったんですが・・・」

「それって痛めつけてから回復させるって事か?流石にそれは酷くねえか?」

「いえ、それは思い付きはしましたが、流石にしませんよ。ゴブ一がベイルさんに従う理由がそれ以外なら別の方法も考えつきそうだったんですが・・・。取り合えず何か心当たりを思いだしたら教えて下さい」

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