Side - 15 - 35 - おいなりさーん! -
(お知らせ)
「隻眼の令嬢、リーゼロッテさんはひきこもりたい!」の年表を作りました
今までのお話の流れを整理したい時に読んでみてくださいね
※本編未読の人はネタバレがありますので注意してください
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Side - 15 - 35 - おいなりさーん! -
「むふ・・・遊園地、・・・楽しかったぁ!、みんなも優しいし、かっこいい乗り物にも乗れたし、あぁ、帰るのがつらい!」
「・・・ってリィンちゃんが・・・言っているのです」
「私たちも楽しかったよ!、もうリィンちゃんとはお友達だからまた遊園地、遊びに行こう!、もう次からは報酬要らないからね!」
私たちは遊園地(絶叫マシン)を一通り回った後、レストランで夕食を食べています、・・・リィンちゃん、ちっちゃい子供みたいにはしゃいじゃって大変だったのです!、でもみんなで行く遊園地がこんなに楽しいとは私も驚きで・・・。
「じゃぁそろそろ帰るか、あ、そうだ、今度バンドのリハーサルやる為にスタジオ借りるでしょ、そこにリィンちゃん呼んで演奏見てもらうってのはどうかな」
「あ、それいいね、せっかくだし見てもらおうか、異世界人の率直な感想も聞きたいし、向こうでも通じるか・・・とか?」
敬雄くんが提案してみんなもノリノリで賛成します、リィンちゃんに聞いてみると・・・。
「#!&$*@&!+*`#&!!」
「・・・リィンちゃん、・・・すっごい興味あるって・・・」
「わーい!、あー楽しみだなぁ」
苺ちゃんもノリノリなのです、でも・・・。
「・・・でもロックも聞いたこと無い人に、・・・いきなりスラッシュメタルやデスメタルは、・・・ハードル高いと思うの・・・」
「それなら古い曲のカバーするっていうのは?、・・・ジューダス・プリーストならなんとかいけるでしょ」
「僕あんな声出ないよ・・・」
「そこはデスボイスでいいんじゃない?」
「いやそれは無理があるし・・・」
「・・・うーん、私、ちょっとなら歌えるよ・・・」
「え?」
「あ、お姉ちゃん歌えるよね、前に相川七瀬やレベッカ、動画にあわせて歌ってるの見たし」
「いいじゃん!男女ツインボーカル!、かっこいい!」
「・・・じゃぁ当日ちょっと合わせてみる?、・・・低いとこは龍之介、高音は私が・・・って感じで・・・」
そんなことを話しながらみんなとお別れしてお家へ、そしてもう夜遅いのでリィンちゃんと一緒にお風呂に入って、今は私のお部屋のお布団の中でお話をしてるのです。
「リゼちゃん、今日はありがとう、私の為に遊園地・・・すっごく楽しかったよ、もう一生の思い出!」
「大袈裟だよリィンちゃん、日本へはまた連れて来てあげるし、あの調子だったらみんなとまた一緒にどこかに遊びに行けそうだよ、陛下に許可さえ取ったらね」
「その許可が難しいんだよー、・・・でも私、ずっと王城で居る訳でもないし、・・・結婚してどこかに嫁いだらもう行けないもん・・・」
「え、リィンちゃん結婚する予定あるの?」
「そりゃぁあるよ、王族の義務だよ、王家の繁栄のための政略結婚と子作り・・・国民の税金で何不自由ない贅沢な暮らしをさせてもらってるんだから、最低限の義務くらいははちゃんと・・・ね、・・・まぁ私ってポンコツだから、それが国外にバレないように周辺国からの求婚は断ってるの・・・、国内の高位貴族で良い人、お父様が探してるみたいだけど」
「おぉー、リィンちゃんが珍しく真面目なこと言ってるのです・・・」
「珍しくって何よー、酷い!、そんなこと言うリゼちゃんは・・・こうだぞー」
「あはは!、やめてリィンちゃん、くすぐったいよぉー」
「でも正直な話、リゼちゃんのところのコナンザくんが良いな・・・そうしたらリゼちゃんの義妹になれるなぁ・・・って何度か思った事もあるの、でもそれだとコナンザくんに失礼だし、彼って婚約者居るよね、お家の後継だし・・・、それにこんなバカが嫁だと大変でしょ、だからリゼちゃんの義妹になれないのなら・・・もう誰でも良いやって」
「でも結婚するんだから性格が良い人で、お互い好きな人の方が良いよね、そんな人居ないのリィンちゃん」
「居ないかなぁ・・・、私って強欲な貴族いっぱい見てるから他人を信用できないし、貴族って大嫌いなの、・・・あ、リゼちゃんは別だよ、それにヴィンスお兄様が王位継承権放棄したから私も国のお仕事しなきゃいけないし、王族として籍は抜けられないんだよなぁ・・・、マナサマーお兄様だけだと王族少なくなって大変だから私も子供は作らなきゃだし、・・・お父様に言ってある条件だと・・・、権力を盾にして威張ったり、強欲な人じゃなくて、嘘や誤魔化しをしない人、・・・別に私を好きになってくれなくても良いから、国の為に仕事をしてくれる人・・・夫というよりは、お仕事のパートナーって感じになるかなぁ」
「そうなんだ・・・、でもそんな人だと子供を作ったりする時・・・何か抵抗ない?、好きでもない人と身体を・・・って」
「別に・・・、王女様として生まれたからには絶対にやらないといけない義務だし、これもお仕事の一つだと思ってるけどね、でも乱暴にされるのはちょっと怖いな・・・」
「私としてはリィンちゃんには幸せになってほしいんだけどなー」
「ま、すぐに結婚する訳じゃないから、それまでは日本で遊ぶつもりだけどねー」
翌日は疲れてたので少しお寝坊したのですが、龍之介が起こしに来てくれて、リィンちゃんもすっかり馴染んだ我が家の朝の食卓、私は芋ジャージ、リィンちゃんは目に痛いピンクジャージで目玉焼きとご飯を食べ、そしてお味噌汁を飲んでいます。
「#!+:%)$@<+!!」
「すごく美味しいって言ってるのです!」
「そうか!、いっぱい食べな!」
私が通訳してお母さんが予備の目玉焼きを出してくれます、2人とも今日は寝坊したので龍之介とお父さんはもう先に食べちゃってお仕事に行く準備、いつもは家族全員+リィンちゃんとで楽しくお食事してるのです!。
「味噌は・・・向こうにないんだよなぁ、・・・似たのはあるけど、あれはどちらかというと豆板醤に近いかも、リィンちゃんこれ気に入ったみたいだしインスタント味噌汁向こうにいっぱい持って帰ろうかなぁ・・・、でもお城の執事長さんが毒を気にしてるし、リィンちゃんに何かあったら私、死刑だし」
「死刑?、向こうの王城やばくね?」
「そう、やばいの!、もし何かあって私が処刑されそうになったらリィンちゃんが止めてくれるみたいだけど・・・」
会社に行こうとしてた龍之介が死刑っていう言葉に反応しました、私も怖いんだよ、だからリィンちゃん連れてくるの迷ってたし・・・。
「#’&””#*+!`@>#!!」
リィンちゃんがテレビを指差して何か叫んでいます、私もテレビの方を見ると・・・。
「あ、伏見稲荷・・・」
テレビには京都の赤い鳥居がいっぱいある神社が映し出されていました、これリィンちゃんが好きそうな雰囲気・・・あ、これ刺さっちゃったかな?・・・。
「あれはお稲荷さんだよ、オイナリサン!、日本の神様がいるの、リィンちゃんのところの神殿みたいな感じ」
「オイナリサーン!、オイナリサーン!」
「うんそうだね、そのうち行こうね」
どうやらリィンちゃんの心に刺さったみたいです、・・・お部屋に帰ってもお稲荷さんお稲荷さんって叫ぶリィンちゃんを宥めながら・・・。
「あ、ここは私、行った事あるのです、修学旅行で・・・、転移で行けるなぁ」
思わずそう呟いた私の肩をガシッ!と掴んだリィンちゃん、見開いた目が怖いのです!。
「ダメだよー、私達だけじゃナンパ男が群がってくるよ・・・主にリィンちゃんに・・・、それにあそこ山だからすっごい歩くよ、入り口のあたりはまだマシだけど、テレビに映ってた辺りは確か結構時間かかったような記憶が・・・」
「でもぉ・・・リゼちゃぁん、・・・オイナリサーン・・・」
「仕方ないなぁ、じゃぁ明日龍之介連れてちょっとだけ行って鳥居見てすぐ帰って来ようか・・・」
「わぁーい!、オイナリサーン!、オイナリサーン!」
「・・・って、しまったぁ!・・・明日は龍之介、仕事だ!」
「オイ・・・ナ・・・リ・・・」
フルフル・・・・
わぁーリィンちゃんが震えて泣きそうに!。
「・・・夜だったらいけそうかも・・・でもあそこ夜行くの怖いなぁ、・・・そうだ、夜中に行って動画上げてた人居たなぁ・・・」
そう思ってBouTubeで夜中の伏見稲荷の様子を見てみたら・・・うわぁ、・・・めっちゃ怖いのです!、これ絶対夜中に行っちゃいけない奴だ・・・でもリィンちゃんの期待に満ちた視線が・・・。
「ねぇ・・・リィンちゃん、ここ夜すっごく雰囲気あって怖いけど・・・行く?」
わーん、全力で首を縦に振ってるよ・・・。
「別の日の・・・向こうに帰る直前とか・・・日曜日とかのお昼って・・・ダメかなぁ・・・、私、これは怖すぎて・・・」
フルフル・・・ぐすっ・・・。
「あぅ・・・泣かないで、明日の夜・・・龍之介に頼んで行くから・・・」
「ひっく・・・夜も行きたいけど・・・お昼も・・・行きたいの・・・」
「分かったよ、明日の夜と・・・、帰る直前くらいで龍之介が大丈夫な日を選んで行こうね」
そして次の日の夜、龍之介が帰宅して、夜の12時少し前、深夜の伏見稲荷・・・怖すぎるのです!。
「お、・・・お姉ちゃんこれ怖すぎる!、やばい!、門のとこにはちょっと人が居たから安心してたけど、ここまで来たら人全然いないし」
「う・・・うん、・・・私も来た事後悔してる・・・」
『#$&+*=・>_<$’#!!!」
「リィンちゃん、すっごい楽しそうだけど・・・怖くないのかな?、・・・あ、ここ四つ辻の辺りかな、街の夜景凄い・・・」
「・・・これは凄いね」
「`#$√@o@/%%&’!!」
怖い思いして、途中数人とすれ違ったけど・・・ほとんど誰もいない参道を長い間歩いて夜景が見えるところまで来ました、綺麗なのです!、リィンちゃんも喜んでるし来た甲斐があったかな・・・そう思っていると・・・。
『・・・おい・・・そこの童どもよ・・・』
「ねぇリィンちゃん!、綺麗だね!、鳥居もすごかったし!」
『これ、・・・聞こえんのか、・・・そこの変わった魂をしとる小娘ども・・・』
「次は向こうに帰る前のお昼に来ようね!、明るい時もきっとすごく綺麗だよ!」
『・・・ふぅ・・・無視か・・・なら仕方ないのぅ・・・』
・・・こ・・・怖かったのです・・・誰かが私の頭の中に直接話しかけてきたのです!、・・・聞こえないフリしてやり過ごしたけど・・・あれなんだったの?、龍之介は気付いてないみたいだったけど・・・。
「リィンちゃん・・・さっき頭の中で声しなかった?」
「うん、したよ、誰だろうねー」
「リィンちゃん・・・怖くないの・・・」
「全然、私的には騎士団長の方が怖いかな」
「あー、あの人怖いよね・・・」
ペかー
「うわ眩しっ!」
突然目の前に光が現れて、・・・黒髪で・・・巫女装束の、・・・女の子?・・・。
「き・・・」
『き?』
「ぎゃー、出たぁ!」
お化けなのです!、目の前に女の子・・・怖いのです!、しかも少し透けてるのです!、・・・ってなんでリィンちゃん話しかけてるのです!、うぅ・・・さっきのでちょっと漏れちゃったのです・・・。
『・・・夜中に騒がしいのぅ・・・落ち着け小娘、儂はお前らには何もせんし幽霊でもない、・・・聞いて驚け・・・儂はな、・・・神様じゃ』
読んでいただきありがとうございます。
初小説です。
諸事情により恋愛要素全くありません、女性は平たい胸の人しか出てきません、男性は筋肉モリモリマッチョマン多いです、パロディ要素あり、苦手な人は注意してくださいね。
趣味で空いた時間に書いている小説につき不定期投稿です、ストックがあるうちは頻繁に更新しますが、無くなれば週1〜月1投稿になる予定です。
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