Side - 184 - 21 - なんどもいうがいまおまえはぜんらだぞ -
(お知らせ)
「隻眼の令嬢、リーゼロッテさんはひきこもりたい!」の年表を作りました
今までのお話の流れを整理したい時に読んでみてくださいね
※本編未読の人はネタバレがありますので注意してください
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※2025年1月14日 内容を加筆修正しました。
Side - 184 - 21 - なんどもいうがいまおまえはぜんらだぞ -
俺の名前はベネット・ブライアス、39歳独身だ。
故郷の街に帰って来たら奴が呑気に歩いてやがった、・・・驚かせてやろうとしたら大惨事になっちまったぜ。
「ぐすっ・・・ひっく・・・うぅ・・・」
「泣くなよ・・・俺が悪かった、・・・鼻水垂れてるぞ、ほらよ、これで鼻擤め、それはまだ洗ってねぇから遠慮するな」
「ずびー・・・」
「すまねぇ!、間違えた!、そいつは俺の下着だ!、ハンカチはこっちだ!」
「ふぇぇ・・・ひっく・・・ぐすっ・・・うぅ・・・」
俺は今爺さんの家の裏にある水場でまだグズグズ泣いてるあいつと一緒に服を洗っている、ちなみに2人とも全裸だ!。
奴が撒き散らしやがった小便が服に付いてびしょびしょになっちまった、悪かったよ全部俺のせいだ!、奴はもう何度も俺に全裸を見られているからなのか、向こうの家で居る時も開き直って無防備だったし、何よりまだガキだ、俺は欲情しねぇ・・・と思う・・・多分・・・。
水場に連れてきてやったら躊躇なく服を脱いで全裸になって洗濯を始めやがった・・・少しは恥じらえよ!、ここ外だぞ、向こうの通りから覗いたら見えるんだぞ!。
「あの時は助けてくれてありがとうな、お前、死んじまったと思ってたから、無事な姿見れて・・・本当に嬉しかったんだ、だから少し驚かせようとしてな・・・」
「・・・酷いのです・・・ぐすっ・・・助けてあげたのに、・・・ご飯も食べさせてあげたのに、・・・私がお漏らししてるの・・・街中の人に見られたの・・・」
「いや漏らすの見られるより全裸を俺に見られる方が恥ずかしいと思うが・・・」
「いいのです・・・おじさんはもう人間じゃなくて・・・獣だと思う事にしたのです・・・」
「ひでぇな・・・ハハハ・・・」
あの家で居た時には会話にならなかったのに今は普通に会話できてやがる、・・・少しは俺に対する警戒解いてくれたのか・・・、こうやって水場で話してると側から見たら親子に見えるだろう・・・まだ若いって思ってたが俺も歳をとったって事か。
「さて、綺麗になった・・・乾くまで何か服借りてきてやる」
「・・・貸すのです」
俺が持ってる洗濯物の籠を奪い取り、立ち上がって・・・おい、丸見えなんだが・・・。
「ホット・ロッキン」
奴の手から白銀の魔法陣が放たれて・・・濡れた洗濯物が一瞬で乾きやがった!。
「魔法・・・使えるのか、・・・すげぇな」
「・・・そうなのです!・・・私は凄いのです!、・・・幼い頃から努力して習得したのです、・・・だからおじさんはもっと私を崇めるのです!」
そう言って奴は無い胸を張りやがった・・・おい、何度も言うが今お前は全裸だぞ・・・。
「そんな無防備じゃ心配だな、お前は可愛いから男に襲われちまうぞ、男ってのは怖いんだ、油断してたらこうやって襲われるんだぜ、ガオー!」
「ひゃぁ!、怖いのです!」
「おいベネット!、無事に帰って・・・ってお前!、なんでリゼお姉ちゃん全裸に剥いて襲ってやがるんだ!」
「ベネ坊・・・お前・・・」
兄貴が爺さんの家の裏口から出て来て全裸の俺たちに向かって叫んだ、後ろからは痛そうに腰を押さえつつ爺さんも居やがる。
「うぅ・・・サリーくんやカカーシィーくんにも全裸を見られたのです、・・・ぐすっ・・・」
泣きながら服を着て・・・奴は今、ソファに座ってまだぐずぐず泣いてる、場所は爺さんの家の居間だ、もちろん爺さんも居るぞ、・・・ってか何でみんな当然のようにこいつ知ってるんだよ!。
「つまり、お前はランサー大陸で死にかけてたところをリゼお姉ちゃんに助けられて、治療してもらった上に毎日飯まで作ってもらってたと・・・俺が死ぬほど心配してた時に」
兄貴が責めるような目で俺を見ながら言った。
「あぁ、飯はすげぇ美味かった、・・・それに王都のでかい病院より丁寧に治療してもらったぜ」
「リゼお姉ちゃんは腕のいい医者だからな、そこらの医者と一緒にすんじゃねぇぞ、それに料理はタダーノの創業者、タダーノ・カカーシィー・ブライアス直伝、美味くて当然だ、ついでに言うと俺も俺の親父とリゼお姉ちゃんの2人から料理を習った」
爺さんがちょっと意味分からねぇ事言い出したぞ、遂にボケたか。
「爺さんも・・・ってなんだよ、こいつ一体幾つだよ、見た目まだガキじゃねぇか!」
「・・・あー、お前知らなかったのか・・・そうだよな・・・14の時にハンターになるって飛び出して、そんなに帰って来ねぇから紹介してなかったか・・・だがお前、8歳くらいの時リゼお姉ちゃんに抱きついて嬉しそうに頭撫でてもらってただろ・・・」
「・・・そんな昔の事・・・」
・・・いや待て、うっすらと記憶にあるぞ!、・・・俺より背の高い足が不自由な女、・・・甘くていい香りがした、・・・親父と喧嘩して泣いてた時にお菓子をもらって・・・頭を撫でて慰めてくれた・・・。
「・・・確か、親父と喧嘩して泣いてた時、「どうして泣いてるの?、大丈夫」って声かけられた、あのレストランのテラスでケーキ食わして貰って・・・「一緒に謝りに行こうね」って」
「思い出したか、あれからリゼお姉ちゃんもあまりこの街に来なくなったし、お前も普段は丘の方で遊んでたろ、次に何回か来た時にはお前はもうこの街飛び出してハンターになってたしな、だから会ったのはその時だけかもな・・・」
「それで、こいつ・・・リゼお姉ちゃんとやらは何者だよ」
「お前、秘密は守れるか?、他人にべらべら喋るような奴じゃないとは思うが・・・金に困って情報を誰かに売ったりしないと誓えるか?」
「あぁ、もちろんだ、こいつは俺の命の恩人だ、それを売るようなクズじゃねぇ」
「彼女はリーゼロッテ・シェルダン、ここの領主・・・より偉い人だな、それから白銀の大魔導士って呼ばれてる、・・・お前、幻影っていう白金級のハンター知ってるか?」
俺は飲んでた茶を吹き出した、目の前に居る兄貴の方に出すと殴られるから咄嗟に横向いたらリゼお姉ちゃんとやらが居やがったが・・・なん・・・だと・・・。
「ぎゃぁー、おじさん何をするのです!、汚いのです!、わーん!」
奴が何か叫んでやがるがそれどころじゃねぇ!、情報が多すぎて頭が回らねぇ・・・なんだよそれ・・・。
「待ってくれよ・・・こいつが幻影?、・・・嘘だろ」
横で奴がハンカチで顔を拭きながらまだ泣いてやがるが・・・懐からカードを取り出した、あの白金級のすげぇ身分証だ!。
「・・・これで信じるのです?」
俺は差し出されたカードを受け取った、確かにあの時見たカードと同じやつだな、金級以上のカードはドラゴンのブレス食らっても燃えねぇように丈夫な金属でできてんだが、このカード、金級のやつよりすげぇ、光に当てると虹色に光るぞ。
「・・・おじさん、私のお洋服漁って匂いを嗅いでたし・・・その時にこのカード見つけてリーゼロッテを知ってるかって聞いて来たから・・・もう知ってると思ってたのです」
「ベネ坊・・・お前って奴は・・・」
「ベネット・・・お前・・・」
爺さんと兄貴がゴミを見るような目で俺を見た、何か誤解してるようだが違う!、違うんだ!。
「待て、誤解だ!」
「誤解じゃないのです・・・おじさん・・・私がお風呂に入ってる時に扉を蹴破って襲いかかって来たのです!、お漏らしするくらい怖かったの・・・」
「いや待て、それは謝るが・・・」
「リゼお姉ちゃんに・・・襲いかかっただと」
ゴゴゴゴ・・・・
爺さんの声が1段階低くなりやがった!、やべぇ!、久しぶりに雷が落ちるぞ・・・。
読んでいただきありがとうございます。
初小説です。
諸事情により恋愛要素全くありません、女性は平たい胸の人しか出てきません、男性は筋肉モリモリマッチョマン多いです、パロディ要素あり、苦手な人は注意してくださいね。
趣味で空いた時間に書いている小説につき不定期投稿です、ストックがあるうちは頻繁に更新しますが、無くなれば週1〜月1投稿になる予定です。
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