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Side - 184 - 16 - ぼくのうでが・・・ -(挿絵あり)

注意!暴力的な表現があります


※2025年1月9日 内容を加筆修正しました。

Side - 184 - 16 - ぼくのうでが・・・ -



「おぉ、ここがランサー大陸・・・」


「ジェーンさん後ろ!・・・「バソリー!」」


ぶぉぉぉっ!


「うぉ、びっくりしたぁ!、なんだよこの巨大なオーガ!・・・っていうかアンジェの本気出した魔法えげつないな!」


「うん、僕のお家に伝わる攻撃魔法なの、まともに受けたら丸焼きになるよ」


「でも不思議・・・それだけの力があるなら何であなたのお父さんに抵抗しなかったの?」


「そうなんだよね・・・あの人には抵抗しちゃいけないって思い込んでたの、何かされてたのかも・・・家を出て1年くらいしたら、殺しちゃえばよかったのに・・・って」


「洗脳かな・・・心当たりはないの?」


「全然・・・小さい頃から怖い人だとは思ってたけど・・・」


「そう、妹さんも酷い目にあって・・・妊娠させられてたけど本家に保護されたし、あの家も本家が潰すでしょ、妹さんと一緒に暮らせるね・・・あ、そうなると私と一緒に冒険はできないかな」


「ううん、妹は身体の事もあってしばらく本家で暮らす事になったから、その辺の後始末は本家に任せて僕は家を買う為のお金を貯めなくちゃ・・・だからこの先何年かは一緒に冒険できるよ」


「そっかー、じゃぁしばらく一緒に冒険を楽しもう!・・・さて、あいつらの言ってた前線基地を探さないとね・・・ここが転移装置だろー、あっちか・・・って跡形もないじゃん!、基礎の部分だけ残ってるな、建物は全壊で残ってるのは基礎だけ・・・転移装置のそばにでかいオーガが一匹」


「はい、メモに書いたよ」


「なぁ、周りざわついてないか、魔物の鳴き声もするし」


「・・・うん、そこの高くなってるとこの瓦礫に隠れようか、装備も確認しなきゃだし、あと一般の依頼にここに調査に来た金級のハンターを見つけて連れ帰ったら小金貨50枚だって、ついでに探そう」


「帰還までの3日で余裕ができそうだから見つけようか、遺体の一部でもいいんだよね、転送した瞬間にあのオーガに食べられた可能性はあるかな」


「ギルドに貼ってあった依頼には何か遺品でも可、その時は小金貨20枚って書いてたよ」






そう喋っていた僕達の余裕はここまででした・・・。


「あんなでかい魔物の大群やば過ぎる!アンジェ!、手を繋いで離さないようにね、はぐれたら終わりだよ!、何で報酬が凄かったのか理由が分かった、これは騎士団でも無理でしょ!」


「・・・あ、おっきぃ・・・ドラゴン・・・」


「大丈夫?、アンジェしっかりして!、怖いの分かるけど今気を抜いたら死ぬから!」







「ここで3日も無理だよぅ・・・ぐすっ・・・」


「・・・アンジェごめん・・・私のせいだ、こんな依頼受けちゃったから・・・」







「うぅ・・・ジェーンさん・・・どこ?」


僕はジェーンさんとはぐれて森の中を彷徨っています、突然頭の上から出てきた大きな猿の魔物に左手の小指と薬指を食べられてしまいました・・・噛みつかれた指を犠牲にして魔法で頭を吹き飛ばしたのです。


その時はまだジェーンさんが一緒にいてくれて、「早く魔法で焼いて血を止めて!」って言われて指の傷口を焼きました。


泣きそうなくらい痛いです・・・ジェーンさんはオーガの攻撃を避けようとして斜面に気付かず谷に滑落、事前に「何かあったら前線基地に集合」って約束したからそっちに向かってみようかな?。


「ぐすっ・・・もうすぐ暗くなる、・・・あと2日も無理だよぅ・・・ジェーンさん・・・うぅ・・・痛いよぅ・・・」








「おじさんの次は女の子?・・・大丈夫?、じゃないよね・・・魔力が多いから辛うじて生きてるのかな」


「・・・」


「聞こえてる?・・・楽にしてあげよっか?、この状態だと生きていても辛いでしょ」


「楽になれるの?・・・助けて・・・痛いの・・・」


「ここであなたを殺すって事だよ・・・」


「僕死ぬの?・・・嫌ぁ・・・やだぁ・・・やっと自由になれて・・・ジェーンさんと一緒に楽しい事いっぱいしようって・・・お願い殺さないで・・・助けて・・・」


「僕っ子だぁ・・・できるだけ処置はするけどあまり期待しないでね・・・はぁ・・・最近何でこんなに人が来るんだろ・・・」







「・・・博士・・・この前の・・・」


「あれは・・・だろう・・・いけるか・・・」


「じゃぁ浄化するからね・・・はぁ・・・また寝てる所を・・・朝から年寄り叩き起こさないで・・・迷惑・・・」


「・・・ごめんねトアールさん・・・報酬はいつもの倍で・・・」






僕・・・どうしたんだろ?・・・魔物に襲われて・・・あれ・・・身体が動かない。


「・・・あ、目開けてる・・・かな?・・・博士・・・麻酔は・・・」


よく聞こえない・・・女の人の声?、・・・森に居たのに・・・。






「腕は・・・ダメ・・・現場・・・無かった・・・皮膚の再現・・・」


「・・・嬢ちゃんの開発中・・・人工皮膚・・・」


「首から下・・・剥がそうか・・・指は3本・・・」


・・・誰?、みんな何を言ってるの?、・・・怖い・・・ジェーンさん・・・助けて・・・怖いよぅ・・・。






「・・・ん?」


・・・ここどこ・・・ベッドの上?、痛い!、身体中痛いよぉ・・・ぐすっ・・・声は・・・。


「あ・・・あー・・・」


ちゃんと出る・・・僕生きてるの?、・・・暗いお部屋・・・お薬の匂い?・・・身体が動かない・・・まだ眠いや・・・。







「あぅ・・・」


誰かに抱き抱えられる感覚・・・男の人?。


「・・・じゃぁ・・・ありがとう・・・」


「・・・あぁ・・・のか?」


「他に・・・ないからね・・・」


ベッドにゆっくりと下されました、ふわりと漂う甘い柑橘系のいい香り・・・僕の身体にシーツがかけられたの・・・かな?。


目を閉じたまましばらく気配を探っていましたが、よくわからないのでゆっくりと目を開けると・・・。


「・・・あ、起きた・・・」


女の子?僕と同じくらいの背格好をした女の子が覗き込んでいます、片目には皮で出来た眼帯、鋭い目つきで睨んでいて怖い・・・。


「ここ・・・どこ?、僕は・・・」


「・・・」


いや何か言ってよ・・・。


・・・バタン!


無言でお部屋の外に出て行きました、僕、何か怒らせるような事したのかな?。



「調子はどうだ?、お嬢ちゃん」


「ひぃっ!」


お部屋にもう一人居ました!、初老の男性・・・目つきが鋭くて少し怖い・・・。


「・・・ここはどこ?、僕はどうなったの?」


「あの嬢ちゃんは極度の人見知りでな、言葉が足りないだろうから俺から説明しておこう・・・、お前さんはランサー大陸で魔物に襲われて大怪我をした、覚えてるか?」


「・・・うん」


「そこに偶然さっきの眼帯した嬢ちゃんが通りかかって楽にしてやろうとした・・・はっきり言えば苦しませたくないから殺してやろうとしたが、お前さん死にたくないって泣いてただろ、だからローゼリアにある研究室で俺と嬢ちゃんでできるだけ治療してやった」


「僕、・・・助かったの・・・」


「あぁ・・・一応な、ここはランサー大陸のど真ん中、魔の森って言われてる、・・・そこにある嬢ちゃんの家だ、どこの誰だか分からんからとりあえずここに連れて来たが、場所を言えばあいつが空間転移魔法で送ってくれるだろ」


「・・・」


「死にかけてたんだからしばらくはここで安静にしてろ、あの嬢ちゃんが看病してくれるだろうが、あいつは人見知り・・・人嫌いって言った方がいいか、それに無口だ・・・別に怒ってるわけじゃ無いから安心して世話になれ」


「・・・死にかけた?」


「魔物に片腕を食われて、そのあと溶解スライムっていう何でも溶かして食っちまうタチの悪い奴に捕まったようだな、胸から下の皮膚がほぼ溶かされてた、よく全部溶かされる前に逃げられたもんだ、お前さんは魔力が多いみたいだから奇跡的に助かったが普通ならショック死しててもおかしくない」


「・・・」


「それから食われてない方・・・左腕も酷かった、骨折に神経損傷、筋肉もズタズタで辛うじてくっついてる状態だった、俺は壊死したらやばいから切り落とそうって言ったんだが・・・あの嬢ちゃんが両腕が無くなるのは可哀想だって懇願するから何とか切らずに済ませた、苦労したんだぞ」


「・・・僕の腕・・・食べられた?・・・どうなっちゃったの!、見えないから分からないよぅ・・・」


「右腕は肩の下から無い、綺麗に食われてた、左腕はぐちゃぐちゃだったやつを何とかくっつけた、小指と薬指は切断されてる、身体にあった傷は治療したがしばらくは痛むだろうな」


「嘘・・・」


「皮膚が溶かされてたし、組織ごと無かったから皮膚の再生は無理だ、放っておいたら化膿して腐るだろうから空気に触れない様にあの嬢ちゃんの開発した人工皮膚を身体に定着させた、まだ開発段階で人間の皮膚みたいな感じにはならないが、生活には支障がないと思うぞ」


「僕の腕・・・無くなっちゃったの?・・・うぅ・・・ふぇぇ・・・やだぁ・・・嫌だぁ・・・、誰か・・・ジェーンさん・・・助けて・・・わぁぁん!」


「おい、落ち着け、暴れるな!、傷が開くぞ、ちょっと待ってろ、起き上がらせてやるから自分で見ようとするな!」


「・・・あぁ・・・僕の・・・腕、無い・・・左腕も動かないよぅ・・・ぐすっ・・・やだ・・・こんなのいやぁ・・・うぅ・・・これ・・・この変な服が・・・人工皮膚?・・・」


「・・・まぁ冷たいようだがなっちまったもんは仕方ないな、・・・諦めて受け入れろ、こんな魔物だらけの場所に無謀にもやって来た時点で自業自得だ」


「・・・」


「さて、説明はこれくらいか、もう少ししたら嬢ちゃんが食い物持って来るだろう、それまでお前さんが何であんな場所に居たのか聞かせてくれ・・・って言ってもそんなに泣いてちゃ話にならんか・・・」







「落ち着いたか、嬢ちゃんが食事を持ってきたから俺らも飯食いながら話そう、お前さん自分で食えないだろ・・・あ、嬢ちゃんが食わせてやるのか・・・」


「・・・ごめんなさい・・・食欲なくて・・・今はいいです」


「そうか・・・まぁ色々あったからショックなのは分かる、腕を無くして、そんなエロい服を着せられて・・・」


「博士ぇ!、酷いのです、エロい服じゃなくて新開発の人工皮膚なのです!、今はサラサラの布みたいなやつだけど、もっと人の肌に近付ける予定なのです!、火傷した人達や傷を負った人のために作ってるの・・・呪いの進行防止用のボディースーツが元になってるから確かに少しえっちだけど・・・」


「まぁいい、じゃぁ話を続けるがいいか」


「・・・うん」


「まず名前とお前さんが何者か教えてくれ、素性が分からんと送り返せん」


「・・・ぐすっ・・・僕はアンジェリカ・シェルダン、17・・・この前18歳になりました、駆け出しのハンターです・・・仲間のジェーンさん・・・金級の女性ハンターと依頼を受けて、転移装置でこの大陸の前線基地を調べに来ました・・・」


「でも基地がなくて・・・おっきな魔物がいっぱい居て・・・ジェーンさんともはぐれて・・・それで、狼の魔物から逃げようとしたら右腕を噛まれて・・・そこに・・・上からスライムが落ちて来て、・・・身体中がすごく痛くて・・・狼の魔物がスライムに食べられてる間に逃げようと引っぱったら・・・右腕が千切れて血がいっぱい・・・その後の事は覚えてないです」


「驚いたな、シェルダンのご令嬢か・・・」


「エリちゃんのお兄さんの子供・・・あの双子ちゃんの孫になるのかな?、お家は王都のおっきいお屋敷だよね・・・安心して、転移で送ってあげる・・・」


「いえ・・・分家の方です」


「あぁ、あっちか、・・・余談だがスライムの体液つけたまま気を失っただろ、それが無きゃお前さんの皮膚は無事だった、水ですぐ洗ってればな・・・あれは身体に付いてるだけでゆっくりと皮膚や・・・最後には骨まで溶かす、溶けてる時に嬢ちゃんが見つけたようだな、運が良かったと言っていいのか・・・」


「あの!、僕がいた辺りに女性がいませんでしたか?、はぐれちゃって、・・・僕の恩人で・・・」


「・・・ううん、あなただけだったよ、そんなに調べてないけど」


「金級のハンター一人じゃあの魔物どもはキツいだろうな・・・」


「ぐすっ・・・はぐれたり、何かあった時は前線基地で待ち合わせてて・・・」


「この前ここに来て重傷を負った男もそんな事を言ってたが・・・前線基地って何だ?、そんなの今ここには無いだろ」


「でも、依頼者の貴族の人が資源採掘の前線基地だって・・・30年前にできて4年で放棄したみたいで、・・・僕達は基地がどうなってるか依頼されて調査してたの・・・そこに転移装置もあって・・・」


「あれか・・・もう何も無かっただろ・・・っていうか転移装置まだ生きてるのか、もうとっくにぶっ壊れたと思ってたんだが・・・」


「私は知らないなぁ・・・」


「俺も忘れてたな、あんなもん調べてどうする気だろうな」


「ジェーンさんがそこで僕を待ってるかもしれないの・・・」


「そういえば・・・おじさんも3日後にあそこに戻らないとやばいって言ってたの」


「だが嬢ちゃんがお前さんを見つけて10日だぞ、もう帰ってるか・・・途中で食われちまったんじゃないか」


「10日・・・」


「普通なら何も食ってなきゃ栄養不足と体力の限界で死んでるだろうが、運良く魔力が多かったからそれを栄養に変換して生き延びたんだろう、それに嬢ちゃんが栄養のある薬草を口から流し込んでやってた」


「ありがとうございます・・・あの、ジェーンさんを見つけてもらえますか・・・えと・・・僕の恩人で、心配なんです!、まだ森の中で僕を探してるかもしれないの」


「分かったよ・・・あそこには俺も一時期住んでたからな、嬢ちゃんも知ってるだろ、一番最初にこの大陸に転移して連れて来てやった場所だ、北の端にあるやつ」


「覚えてるの、住んでたのは知らなかったけど・・・あそこで博士、何やってたの?」


「資源の調査・・・っていうのは名目で、研究用に魔物の素材を獲りまくってたな・・・仕方ない、面倒だが今から行って辺りを探して来る、転移装置の横に「アンジェリカはうちで預かってる、重傷だったが無事だ、怪我が治ったらそのうち送り返す、待ってなくていいから王都に帰れ」って板切れにでも書いて置いておけばいいだろ」


「・・・ありがとうございます・・・ぐすっ」






「あの・・・あなたは?」


「・・・」


さっきの男の人が居なくなったら急に無口になるの・・・怖いよぅ・・・。


「あなたのお祖母様の・・・お父さまの大伯母・・・」


「は?」


「聞こえなかった?」


「いえ・・・」


なんで怒ってるのかなこの人・・・。


「私の名前はリーゼロッテ・シェルダン」


「え・・・シェルダン一族の英雄・・・白銀の大魔導士様?」


「英雄かどうかは知らないけど・・・あなたとは血縁関係、よろしくね」


「はい・・・助けてくれてありがとうございます?」


「・・・どういたしまして」


・・・会話が続かない。


「言いにくいんだけど、あなたの左腕・・・」


「・・・はい」


何だろう・・・怖い・・・聞きたくない・・・。


「多分もう動かないと思う、くっつけて・・・血液は流れるようにしたから腐らないと思うけど、損傷が酷くて・・・神経もダメみたい」


「やだ・・・僕、どうしたら」


「あなたは魔力量が多いから・・・魔力を使って左腕を下から支えるように動かせば物を掴むことはできるかも?」


僕の左腕が勝手に動きました、ベッドから少し持ち上がっただけだけど、・・・あぁ・・・僕の指、本当に3本しかなくなっちゃった・・・。


「あの、・・・僕、やってみたいです」


「私が教えてあげるよ、でもまだダメ、怪我が治ってから・・・」











・・・コンコン


誰だよ、こんな夜遅くに・・・はぁ、最近忙しいな、あのクソ野郎のせいで・・・。


「誰だ」


「・・・」


ガチャリ・・・


「久しぶりだね・・・ロバートくん」


「これは・・・リゼお姉・・・じゃなかった大伯母様!、どうされたのですか?、事前に連絡を入れていただけたら歓迎会を・・・」


「いらないの、私の事は昔みたいにリゼでいいよ・・・少しお話し大丈夫?」


「どうぞ・・・こちらのソファに」






「それで、今日はどの様なご用件で・・・」


「知らせておきたい事があるの・・・アンジェリカ・シェルダンって女の子は知ってるよね」


「はい、この前分家のゴタゴタをうちに報告に来てくれました、知らなかったとはいえ、あんな事になっていたとは・・・」


「何の事か私には分からないけど、彼女が怪我をして私の家で治療してるの、もう行方不明扱いになってるかもだけど・・・怪我が治ったら王都に転移させて送り届ける予定、送り先はこのお家でいい?」


「怪我って・・・大丈夫なのですか?、何でリゼお姉様が・・・」


「私のお家があるランサー大陸にハンターの依頼で来てね、魔物に襲われて死にかけてたところを偶然通りかかった私が見つけたの・・・歩けるようになるまでしばらくかかるかも・・・ギルドからは行方不明扱いになると思うけど心配しないで」


「それは・・・ありがとうございます、それでアンジェちゃんの容態は」


「重傷・・・右腕切断、左腕もグチャグチャになってた・・・胸から下は重度の火傷・・・だから私が開発した人工皮膚を貼って定着させてる・・・時間が経てば普通に生活できると思うけど、今後は定期的に私の治療を受ける必要があるかな・・・」


「そんな・・・」


「本人に聞いたら貴族からの依頼でランサー大陸の前線基地を調査してたって・・・少し前にも同じ依頼でおじさんが来てたよ、その人も大怪我してたから治して送り返したけど正直あそこで何かされるのは迷惑、うちは療養施設じゃないの、こんな事をあなたに言っても仕方ないけどね・・・ロバートくんは何か知らない?」


「いえ・・・そういえば最近宰相がランサー大陸についての資料を集めていると噂では聞いていましたが・・・」


「そう、その辺の政治的な事は任せていい?・・・アンジェリカさんは私が責任を持ってここに届けるから」


「はい、よろしくお願いします」


「あ、それと・・・あなたのお母様の妹・・・双子ちゃんの一人が亡くなったって本当?」


「えぇ・・・5年ほど前急に・・・」


「・・・お姉さんの方は元気?」


「お母様は元気ですよ・・・もう寝ているでしょうが、朝は屋敷の庭を散歩しています」


「じゃぁ・・・明日お部屋に尋ねてみるね、久しぶりに顔が見たくなって・・・」


「本人に言っておきます、喜ぶでしょう、リゼお姉様もう少し頻繁にここに来ていただけると嬉しいのですが・・・」


「王家に見つかると面倒臭いから今の王様が死ぬまで隠れてるつもり、でも時々ここには顔を出すよ」


「そうですか・・・」


「・・・お邪魔して悪かったね、ロバートくん疲れてるみたいだからちゃんと寝た方がいいよ・・・今度疲労回復のお薬持って来てあげるから」


「はい・・・ありがとうございます、リゼお姉様」


「こっちに来て目を瞑って・・・」


なでなで・・・


「あの・・・恥ずかしいのですが・・・」


ぱあっ・・・


「あ・・・疲れが取れて身体が軽く・・・」


「とりあえず疲労は抜けたと思う・・・でもあまり無理しちゃダメだよ、あなたは子供の頃から頑張り過ぎてよく寝込んでたでしょ」


「・・・はい」




挿絵(By みてみん)

アンジェリカ・シェルダンさん(魔物に襲われた後)


挿絵(By みてみん)

アンジェリカ・シェルダンさん(魔物に襲われた後+上着+ブーツ)


読んでいただきありがとうございます。


初小説です。


諸事情により恋愛要素全くありません、女性は平たい胸の人しか出てきません、男性は筋肉モリモリマッチョマン多いです、パロディ要素あり、苦手な人は注意してくださいね。


趣味で空いた時間に書いている小説につき不定期投稿です、ストックがあるうちは頻繁に更新しますが、無くなれば週1〜月1投稿になる予定です。


面白いなって思ったら下のお星さまやいいねをポチリと押してもらえると作者が喜びます・・・。

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