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〜隻眼の令嬢、リーゼロッテさんはひきこもりたい!〜  作者: 柚亜紫翼


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Side - 184 - 14 - ゆうかいされたのです -

※2024年12月11日 内容を加筆修正しました。

Side - 184 - 14 - ゆうかいされたのです -



こんにちは、リーゼロッテ・シェルダン184歳でございます。


少し予定とは違ったけれど無事におじさんを送り返せました、それにしても結界の端の方は私の魔力量の増減に連動して伸びたり縮んだりする仕様なのに何故こんな所をお散歩してたのでしょう?・・・私は大丈夫だけどおじさんは危ないのです・・・。


転移先は王都の路地裏だから血まみれでも捕まらないだろうし、おじさんも子供じゃないんだから王都からお家まで一人で大丈夫でしょう・・・あ、大剣忘れてる、同じ場所に転移!っと、これでよし!。


ふふふ・・・、今日から誰もいないのです!、今まで隠れてしてたけど思う存分声を出して一人えっちができるのです!。


でもおじさんを送る転移魔法陣を発動してたらその隙に狼さんに私の大切な眼帯を盗られたのです、服は涎まみれだし・・・うぅ・・・またお母様と一緒に作りましょうか・・・そういえば昔シルベスター叔父様がドラゴンの皮で作ってくれた眼帯がお家に置いてありましたね、あれを使いましょう。


あとはこの魔物の死体、放っておいたら他の魔物さん達が食べてくれるのですが・・・おじさんの食費で結構お金を使ったし、久しぶりに王都のハンターギルドに売って換金しておきましょう。


確かあそこの転移魔法陣は・・・これだっけ?・・・全部転移!・・・これでよし!。


さて、お風呂に入って・・・この前おじさんの寝ていたベッドを嗅いだ時獣臭かったから洗っておきましょうか、マットやお布団も洗って、シーツも替えて、お日様に当ててふかふかになったお布団で寝るんだぁ、もうソファや床で寝るのは嫌なのです!。





ふぅ・・・お洗濯疲れたのです、でも洗うのは人力だけど乾かす時は乾燥の魔法陣で一瞬なのです、次は寝室のお掃除・・・うぅ・・・おじさんの体臭がちょっと残ってる・・・失礼かと思って平気な顔してたけど折れてた足の固定を外す時、臭くて頭がクラッとしたのです!。


私は前世の頃から潔癖症だから他人の匂いがすると気になって眠れないのです、換気をして、ハーブを溶かしたお水で・・・。


ふきふき・・・


・・・


綺麗になりましたぁ・・・疲れたのです!、今夜はふかふかのお布団を堪能してお昼過ぎまで寝ていましょう・・・サリーくんの言ってた行方不明のお孫さんを探して王都を調べたけど分からなかったから・・・明日はお昼を食べた後で周辺の街のハンターギルドを調べてみるのです・・・。






コルトから一番近くの宿場町、ここもダメでしたぁ・・・受付はお姉さんかと思ってたらここは男の人だったのです、ちょっと挙動不審になってたけど、ちゃんと聞けたのです、私、頑張った!。


「おい!、待てよ!」


誰かが呼んでいます、私でしょうか?。


「ひぃっ!」


あのおじさんがすごい顔をして私の方に走って来てるのです!、王都に転移させたのに何でこんな所にいるのですかぁ!、・・・はっ、もしかして私のことが忘れられず付き纏い・・・気味が悪いのです!、相手にしてくれる幼女が私だけだから執着してストーカーになったのかも?、嫌なのです!。


おじさんがまだ何か叫んで追いかけてきます、怖くてよく聞こえないけど・・・、「見つけたぞぉ・・・待てぇー・・・ぐへへへへ」って言ってるに違いないのです!。


私は怖くて泣きそうになるのを我慢して路地裏に隠れました、誰も見ていない所まで逃げて・・・転移!。


はぁ、はぁ、あのおじさんめ、・・・私は足が悪いのです、あんなに走らせるなんて酷いのです!、助けてやったのにストーカー・・・恩を仇で返された気分です、もうあんな奴知らないのです!。


・・・ここまで来たから、コルトの街でお食事をしましょうか、タダーノは少し前に閉めちゃったから・・・どこか美味しい所で食べて、私のお家・・・この前綺麗にお掃除したから寝られるのです!・・・久しぶりにあのお家で寝ましょう。


海の音を聞きながらテラスでお菓子を食べて、明日はサリーくんのところで腰の治療・・・それからまたお孫さんを探して・・・。






昨日は海の音が気持ちよくてぐっすり眠れましたぁ・・・爆睡なのです!、それに・・・むふふ・・・美味しかったのです!、10年くらい前に開店したサリーくんに教えて貰ったレストラン!、タダーノほどではないですがランチプレート、超美味しかったのです!、あんなお店を知らなかったなんて私は人生損をしていたのです。


最近はサリーくんや私の知ってる人たちが年老いていくのを見るのが辛くてあまりこの港町に来ていなかったのですが、また頻繁に来ないといけないですね・・・。


まだリゼル・フェルドの戸籍は生きてるから・・・人を雇ってお薬の店をまた開くのもいいかもしれません・・・、そんな企みを考えつつ、サリーくんのお家に向かっていると・・・突然誰かに襲われたのです。


がしっ!


「ひぃっ・・・いやぁぁぁ!」


お・・・男の人?・・・体格のいい男の人に抱き抱えられてしまいました・・・そうだ、転移・・・ダメ!、今魔力を使うと反動で・・・サリーくんのところでお手洗いを借りようと思って今まで我慢していたものが漏れちゃう!。


「騒ぐな!」


男の人がそう言って私のお口を押さえます、怖いのです!、・・・いやあぁ!、そんなにお腹を押さえちゃだめなのです!・・・あぅ・・・。


しょわわわわぁ・・・


ぽたぽたぁ・・・


「あぁぁぁぁ・・・・」


「うぉ!、何でまた漏らしてんだよ!」


「・・・おじさんが・・・悪いのです!、酷いのです!、・・・うわぁぁん!」


誰かと思えば賢者のおじさんでした、後ろから私の匂いを嗅いで抱き付いたのです!、しかも昼間の路上で堂々と!、どこまで幼女趣味の変態さんなのでしょうか!。


・・・おじさんは私を抱えたまま走り出して、何故かサリーくんのお家に飛び込みました、私がお漏らしをしているのに!、お姉ちゃんって慕ってくれるサリーくんにも恥ずかしい姿を見られちゃう!、うぅ・・・姉の威厳がぁ・・・。




「爺さん、すまねぇ、ちょっと場所借りるぞ!」


「ひっく・・・うぇぇ・・・うっく・・・」


ぽたぽた・・・


「ベネ坊!、お前・・・生きてたのか!・・・いてて・・・腰がぁ!・・・そ・・・それにリゼお姉ちゃん?、何で・・・」







私の名前はカカーシィー・ブライアス、このコルトの田舎町で宿屋を経営している。


ハンターをやっている私の弟が依頼先のランサー大陸で行方不明になって、家族はとても心配している。


兄弟仲は良くもないし悪くもなかったがベネットは私の可愛い弟だ、兄としては探してやりたいと思い宿の運営資金を報酬にして救出依頼を出した、だが皆が言うには向こうの大陸は魔物の巣窟でそんな金額じゃぁ割に合わない・・・と。


もうだめかな、・・・そう思っていたある日、宿に魚を売ってもらっている漁師の友人が飛び込んで来た。


「おい!、行方不明の弟さんが街に帰って来てるぞ!、今さっき小便を撒き散らして泣き叫ぶ幼女を小脇に抱えて俺の家の前を走って行った!」


「なん・・・だと・・・」








俺の名前はベネット・ブライアス 39歳独身だ。


ふぅ・・・やっとコルトの街に帰ってきたぜ・・・昨日俺は宿場町の酒場で飯を食った後、宿に戻って寝た。


あまりにも熟睡したから朝早くに目が覚めちまったぜ、ちょっと早いが出発するか・・・今出たら昼頃にはコルトに着くだろう・・・そう思って宿を出たら予想通り昼過ぎには着いた。


爺さんや兄貴が心配してるだろうから顔を見せて・・・迷惑かけちまったからなんか気まずいな、そう思って歩いていると俺は驚愕した、最近驚愕してばっかだが本当に驚いた!。


あのガキが道を呑気に歩いてやがる・・・銀色の長い髪、いつも外出してる時に着てる魔法使いみたいなフード付きのローブ・・・杖をついて・・・。


間違いねぇ、奴だ!、なんだ生きてやがったのかよ・・・良かった・・・マジで良かった・・・。


昨日みたいに見失うとまずいから気配を消して奴の後ろに近付く・・・爽やかな柑橘系の甘い香り・・・毎日嗅いでた奴の香りだ、まだそんなに経ってねぇが懐かしいぜ、俺は思わず深呼吸をした。


そうだ、ちょっと驚かせてやろう、俺を心配させた罰だ!。


俺は奴の後ろから抱きつき小脇に抱えた。


「きゃっ」


奴は小さく呟いた、相変わらず可愛い声だな。


「ひぃっ・・・いやぁぁぁ!」


叫ぶんじゃねぇ!、俺が襲ってるみたいに見えるだろうが!、ちょっと驚かせてやろうとしただけだ!。


「騒ぐな!」


俺は咄嗟に奴の口を押さえた、・・・待てよ!、これ本当に俺が幼女を誘拐してるみたいに見えちまう、地元で知ってる奴大勢いるのになんてこった!。


「あぅ」


しょわわわわぁ・・・


ぽたぽたぁ・・・


「うぉ!、何でまた漏らしてんだよ!」


「・・・おじさんが・・・悪いのです!、酷いのです!、・・・うわぁぁん!」


悪い!、俺が悪かった!、ちょっと驚かせてやろうと思ったら大惨事になっちまった!。


俺は走った!、大泣きしてる奴を抱えてすぐ近くにある爺さんの家に駆け込んだ。


「爺さん、すまねぇ、ちょっと場所借りるぞ!」


「ひっく・・・うぇぇ・・・うっく・・・」


ぽたぽた・・・


「ベネ坊!、お前・・・生きてたのか!・・・いてて・・・腰がぁ!・・・そ・・・それにリゼお姉ちゃん?、何で・・・」

読んでいただきありがとうございます。


初小説です。


諸事情により恋愛要素全くありません、女性は平たい胸の人しか出てきません、男性は筋肉モリモリマッチョマン多いです、パロディ要素あり、苦手な人は注意してくださいね。


趣味で空いた時間に書いている小説につき不定期投稿です、ストックがあるうちは頻繁に更新しますが、無くなれば週1〜月1投稿になる予定です。


面白いなって思ったら下のお星さまやいいねをポチリと押してもらえると作者が喜びます・・・。

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