Side - 184 - 11 - はしれ! けんじゃのおじさん -
作者の予想以上にPV数が多くなり、調子に乗って毎日投稿していたら書き溜めていたストックが尽きました・・・、数日投稿をお休みします、週末頃また投稿を再開する予定です。
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※2024年12月7日 内容を加筆修正しました。
Side - 184 - 11 - はしれ! けんじゃのおじさん -
俺の名前はベネット・ブライアス 39歳独身だ。
ランサー大陸で魔物に襲われたが何故か王都に帰ってきた・・・、やべぇ話になってきたからギルド長を巻き込んでやったぜ。
「・・・話を整理すると、お前は例の依頼でランサー大陸に渡った直後に魔物に襲われて死にかけた?」
「でかいオーガやドラゴンにな、死ななかったのが不思議なくらいだぜ」
「そこに幻影が育ててる子供が来て助けられた、その子供はお前を丁寧に治療して飯を食わせてくれた、合ってるか?」
「信じられねぇだろうが・・・その通りだ」
「歩き回れるようになったお前は家の周辺を散策してた、そしたら結界が切れて魔物の餌になりかけた・・・」
「あれはマジでやばかったな、流石に死を覚悟した」
「・・・どこからか幻影が現れ魔物の首を落としてお前を助けたが、狼の魔物に喰われそうになったお前を庇って子供が喰われた、その時に転移魔法陣が発動して気がついたら王都に居た、それが昨日・・・」
「・・・あぁ、それで間違いねぇ」
「で、その子供が持ってたハンター身分証にはリーゼロッテ・シェルダン、王都東ハンターギルド所属、ハンターランク白金、白金ハンター名、幻影って書かれてたのか?」
「そうだ」
「・・・お前、リーゼロッテ・シェルダンって名前に心当たりは?」
「リーゼロッテってのは・・・どこかで聞いた覚えはあるんだが・・・思い出せねぇ、シェルダンはギルド長も知ってる通り俺の故郷の領主様だ」
「やはり気付いてなかったか、じゃぁ・・・白銀の大魔導士様は知ってるよな」
「あぁ、不老不死の魔導士で、ずっと前の女王陛下の親友だった・・・確か名前は・・・あ!」
「分かったか、今俺は命の危機に瀕してる、お前が巻き込んでくれたおかげでな、もうすぐ娘が結婚するってのに何てこった!」
「じゃぁ白銀の大魔導士が幻影!」
「馬鹿野郎!、声がでかい!、誰かに聞かれたらどうすんだ!」
「・・・すまん、でも何でそんな大事な事、王都のギルドが知らなかったんだ?」
「俺の何代か前・・・幻影が現役で活動してた時のここのギルド長が幻影の情報を全て抹消して死んだ、って言っても殺されたんじゃない、老衰だ、情報は彼が墓まで持って行った、もしかしたら幻影は偽造された身分証で今も活動してるかもしれないな」
「そんな事が許されるのか?ハンターの身分証は偽造できないんだろ」
「あぁ、普通なら犯罪になるな、だが・・・王命で偽造しろって言われたらしい、これは他言するな、当時の国王陛下と・・・歴代のここのギルド長、それにハンター本部のギルド総長しか知らない話だ」
「そんなヤバいこと俺に話すなよ!」
「お前が聞いたんじゃねぇか!」
「すまん、ギルド長・・・巻き込んじまったな、でも何で幻影は隠れる必要がある?、白銀の大魔導士もここ60年以上表に出てないって聞いてるぞ」
「それも分からん、どれも100年前の話だからな、俺らも歴史上の偉人みたいな感じになってるし、話に尾鰭もついてるだろう、親友の女王陛下の追悼式で2つのローゼリア全土を覆う規模の大魔法を披露して、それを見た他国から危険視されるようになった、だから裏に隠れたって話にはなってるな、一説としては手綱を付けて飼い慣らそうとした王家とそれに怒った大魔導士様が敵対したっていう話もある・・・」
「王家に見つかったらまた面倒な事になるから、誰も来ない・・・来る事ができないランサー大陸のど真ん中に自給自足で住んでるって訳か」
「その話だと全部辻褄が合うな、だがたまにはこの国にも来てるんじゃないか、俺らが気付いてないだけで・・・、彼女は空間転移魔法陣の開発者だからな、それに今回のお前の依頼、それも仕組まれたものかもしれないって気がしてきたぞ」
「どういう意味だ」
「資源を採掘する前線基地の調査ってのは名目で、その基地使ってランサー大陸に行き白銀の大魔導士様と接触するのが本命・・・ってのはあり得る話だろ」
「じゃぁ、俺がランサー大陸で体験した事をあのお貴族様に話したら、幻影が怒るんじゃないか、やべぇ、危うく話すとこだった、ランサー大陸にいる幻影に助けられたって・・・、行く前にギルド長に相談してよかったぜ」
「怒る・・・だけで済むか?」
「あ?」
「お前、幻影に消されるんじゃないかって思ってな、知っちまった俺もだが・・・」
「・・・」
「依頼者への報告だが嘘はできるだけ言うな、もしかしたら瞳水晶を使われるかもしれん、だから辻褄が合わない嘘は言わない方がいい」
「だが・・・全部話すとやばいだろ?」
「幻影の事は向こうから聞かれない限り触れるな、どうやって帰ったかは・・・あの海域を縄張りにしてる海賊に有金全部払って送ってもらったって事にでもすればいい、嘘だがな・・・だが依頼は調査する事だっただろう、幻影を探せって言われた訳じゃない、基地は跡形も無くなってた、やばい魔物がゴロゴロしてた、怪我で3日後の帰還に間に合わなかったがなんとか逃げ帰った、俺が金級のハンターじゃなきゃ死んでたぞって言っておけばそこまで調べられはしないだろう」
「そうだな、あんな目に遭って成功報酬の金も貰えないんじゃ割に合わねぇ、今度報告しようと思うが連絡はギルドからしてくれるのか?」
「あぁ、遅くなったが帰って来た、調査結果を報告するって言えばここにやって来るだろう、日程が決まったら呼ぶからここで報告すればいいさ」
「すまん、世話をかける」
「・・・そうだ、忙しくて忘れてたが昨日お前を探してるハンターが居たぞ、行方不明だって言ったら諦めて帰ったようだが・・・、名前は・・・確か、リゼ・フェルドとか言ったな、俺は対応してないから分からんが名前からすると女だ、鉄級だから中堅に手が届くか届かないかくらいだな、知り合いか?・・・お前、顔色が悪いぞ、どうしたんだ」
「いや!、何でもねぇ!、何も聞くな、ギルド長も命は惜しいだろ、俺はそこまで鬼じゃねぇ!、娘さんの結婚式・・・見たかったらこれ以上俺に何も聞くな!、絶対だぞ!」
「お・・・おぅ」
「それに依頼者への連絡は待ってくれ!、まだ行方不明って事にしてくれないか、さっきの受付嬢にも金渡して口止めしてくれ、今はこれだけしか持ってねぇが十分だろ、俺は一度故郷に身を隠す、ほとぼりが冷めたらまた顔出すから依頼者にはその時に連絡とってくれ!」
「・・・あぁ、俺にこれだけ話したってだけで十分酷ぇ奴だが、そこまで言うなら聞かないでおこう、俺も命が惜しい・・・、リゼ・フェルドってのに心当たりがあるんだろ・・・話は何となく読めたがな、お互いまた生きて会えるといいな・・・」
やばいやばいやばい、ブチ切れた幻影が俺を探してやがるぞ畜生!。
俺はギルドから逃げるように帰って宿で荷造りした、故郷に逃げるためだ、王都はダメだ奴がもう来てる。
俺の名前どこから漏れたんだよ、ランサー大陸じゃぁ俺は名乗ってねぇ、・・・俺のハンター身分証は・・・あいつが洗濯してくれた服のポケットに入ってたな、その時に知ったのか・・・あり得るぜ、それであいつが幻影に俺の名前話してたか・・・。
とにかく逃げねぇと、気配もなく近付かれて首を落とされるなんて冗談じゃねぇ!、やべぇ、そんな事考えてたら今この宿の天井裏に奴がいるような気がして来たぜ!。
俺の故郷まではいくら奴でも知らねぇだろう、調べられたとしても時間が稼げる、あそこなら隠れるところはいくらでもあるぜ、大丈夫だ、俺は逃げ切ってやらぁ!。
王都からの帰りはまた割りのいい護衛を引き受けようと思ってたが、今はそんなこと言ってる場合じゃねぇな、それに一人の方が身軽だ。
途中まで魔導列車か乗合 馬車・・・ダメだ、狭い車内で襲われたら逃げ場がねぇ、それより俺が小走りで歩いた方がまだ安全だ、足が痛ぇがそれどころじゃねぇ・・・じゃぁ行くか・・・。
俺は2日後までとってた宿を引き払い、・・・金は半分しか返って来なかったぜ畜生!、故郷に向かって歩き出した、気持ちが焦ってるのかいつの間にか走ってた、くそ!、足が痛ぇぞ!、我慢して行けるとこまで走るか・・・。
ゼェ・・・ゼェ・・・いい運動になったぜ・・・2つ先の宿場町に着いた、ここはハンターの中継地点、宿も沢山ある、今日はここに泊まるか・・・馴染みの宿もあるしな。
運動していい汗かいたから酒も飲みてぇ・・・。
表通りから何本か道を折れて先に進むと、裏通りの人気のない場所にひっそりと佇む酒場がある・・・ここは宿泊もできるし人目も少ねぇ、隠れて行動するにはいいだろう。
カラン・・・
「よう、久しぶりだな、ベネット、何だ疲れた顔して・・・おいおい、汗だくじゃねぇか」
薄暗いカウンターに居る胡散臭い男はエンリケス・オコスーナ、この酒場兼宿屋のオーナーだ、俺が駆け出しの頃から世話になってる、それから信用できる情報屋でもある。
俺はフードを被り目立たねぇようにしてたが奴には俺が分かったようだ、伊達に長く付き合ってねぇな・・・。
「すまねぇ、エンリケス、汗かいたから先に頭から水を被りてぇ、水場を貸してくれ、あと部屋を一晩と、酒と食い物・・・俺についての情報も欲しい、もうとっくに知ってるんだろ、俺が行方不明扱いだって事」
「あぁ・・・入れ、部屋はいつもの3番が空いてる、水場は知ってるだろ、食いもん用意しといてやるから後で来な・・・」
「世話んなる・・・」
俺は裏の水場で汗を流し、ついでに服も洗濯して予備の服に着替えた、ハンターにしては綺麗好きってよく言われるが、何日も風呂に入らねぇ奴の方が信じられねぇぜ。
「おぉ、うまそうだ・・・」
「今朝猟師からいい肉を仕入れたんだ、それなりの金はもらうがお前さん稼いでるから屁でもねぇだろ・・・」
「あぁ、大丈夫だ、ちょっと食うのに集中させてくれ、すげぇ腹減ってんだ、あと酒くれ、いつものやつな」
「はいよ、ツマミはカブのビネガー漬けでいいか」
「あぁ・・・」
「ふう、・・・食った・・・、で、情報なんだがな、俺が行方不明になった後のことが知りたい」
「・・・あぁ、お前が受けた依頼は以前から王都の東ギルドに貼られてた奴だな、あれは西ギルドや隣町にも同じのが出されてた、お前以外のハンター達からはヤバそうな仕事って思われて相手にされてなかった、依頼者は貴族様で・・・俺情報では今の宰相が出したようだ、この国の超大物だな、誰が見てもまともな依頼じゃない、・・・で、それに食いついたバカが今俺の前で酒を飲んでる」
「・・・うるせぇ・・・」
「まぁ、金級ハンターの何人かはお前があの依頼を受けた事を知ってる、ひょっとして成功するんじゃないか、あの大金は惜しかった・・・って愚痴ってる奴らもいたが・・・大半は「あいつ死んだな」って笑ってやがったぜ」
「・・・」
「予想通り、しばらくして貴族様の使いがギルドにお前が行方不明になって依頼が未達成って事を知らせて来た、転移装置を使ってランサー大陸に調査に行った、そこで何か事故があって約束した時間までに帰還できなかった・・・、表向きに知られてるのはだいたいこんな所だ」
「・・・」
「それから数日経ってまた同じ依頼がギルドに出された、金級のお前がしくじった依頼だ、もう誰も手を出さねぇだろ、そう思ってたが最近金級に上がった奴がまた依頼を受けた、喜べ、バカはお前だけじゃなかったぞ」
「畜生、・・・で、また行方不明か」
「・・・あぁ、正解だ、依頼は未達成、行方不明・・・、それでギルドの方もハンターの命を危険に晒す依頼だって判断して次もまた依頼が出たが受け付けていない、少し貴族様と揉めたがハンターギルド本部の総長が出てきて正式に断ったようだ」
「そこまで手間と金かけてランサー大陸で何がしたいんだろうな・・・」
「依頼者は・・・宰相だが・・・余程ランサー大陸の情報が欲しいらしい、なら次は誰が調査するんだって話になるが、騎士団が動くようだ、確かに地下資源は豊富だがそこまでしてランサー大陸を調べたいって理由がわからん、・・・そこで俺情報だ、上乗せ料金だか聞くか?」
「もちろんだ、金はある」
「・・・そうか、なら教えてやろう、王国は長く他大陸に対して侵略していない、ミラージュ大陸のレパード帝国は友好国だから標的はレパード帝国の南にあるその他の国々だな、今の国王・・・は宰相の言いなりだから宰相が他国に侵攻しようと考えている、目的は金だ、そんな事をしたら他国との信頼関係が崩れるが欲に目が眩んだ宰相はそんな事お構い無しだ、で、その為にランサー大陸に眠る王国の最終兵器とやらを探すんだと、それが何かは分からんな、情報はそんな所だ」
「宰相の気まぐれで戦争になるのかよ・・・お貴族様の考えてる事は分からねぇな」
「それから、これはサービスだ・・・お前が行方不明になって探してる奴がいる、お前の兄貴と、爺さん・・・曾祖父さんだったか・・・何度かギルドに問い合わせたようだ、お前の兄貴は直接王都に探しに来た、ランサー大陸に居るって分かって諦めたようだが救出の依頼を出してる、助け出してくれた奴には小金貨50枚、庶民にとっちゃぁ大金だがそんな端金でランサー大陸に行くバカは居ないだろ、早く帰って家族を安心させてやりな」
「兄貴が・・・」
「お前家族に愛されてるな、いい加減やばい依頼から足洗ったらどうだ・・・死んだらつまらんぞ」
「・・・」
「・・・で、俺はもっと気になる事がある、どうやってランサー大陸から帰ってきたか、ランサー大陸で何を見たのか、その情報買うぜ、いい情報ならさっきまでの情報はタダでくれてやる、とんでもない情報なら・・・俺が金を出して買ってやろう」
「・・・お前、命が惜しいならこの件に関わらん方がいい、それでも聞きたいか」
「あぁ、俺は情報屋だ、宰相の件でもすでに危険に足を突っ込んでる、それに単純に興味がある、情報集めは俺の仕事でもあり趣味だ、他に売るなというなら売らん、俺はお前に信用されてると思ってたんだがなぁ・・・それとも俺に話せないくらいやばいのか、・・・困ってるなら俺の情報と擦り合わせて相談にも乗るぞ」
「・・・あぁ、情報はやばい、超やばい、知ったら消されるだろう、だから俺は汗だくで王都から逃げて来た、・・・それでも知りたいか?」
「・・・もちろん、それが情報屋っていう人種だ」
「実はな・・・」
「・・・予想以上にヤバい話だな」
「・・・あぁ」
「幻影が白銀の大魔導士だって噂はあったが確証はなかった、ハンターの身分証を見たのなら間違いないな」
「ギルド長もそう言ってた、間違いないだろう」
「それからランサー大陸の真ん中に住んでたってのも全く知られていない、王国の狙いは間違いなく白銀の大魔導士だろうな、彼女一人で簡単に国を更地にできる」
「・・・」
「だが説得するのが骨だろう、彼女は人嫌いで気難しい、それに戦争を好まない・・・平和主義者じゃないぞ、「やるなら勝手にやってくれ、そんな面倒な事に私を巻き込むな」っていうタイプだ、どうやって従わせる?「何も悪い事をしていない国を金の為に攻め落とせ」って頼むのか?・・・他人で唯一心を許してるのは師匠でもある狂乱の大賢者だが、彼も気難しい上に彼女以上に敵対する人間の命を簡単に刈り取る狂人だ」
「そんな事よく知ってるな、彼女は60年以上全く表舞台に出ていないんだろ、容姿も性格も、普通の庶民は知らない筈だ、それに幻影は正体を知った奴を片っ端から殺して回る化け物だと聞いているが・・・」
「俺も生まれた時から情報屋じゃない、俺にも師匠がいて、その師匠にも師匠が居る、情報は受け継がれていくものさ、リゼ・フェルドっていう地味な中堅ハンターが幻影のもう一つの顔ならこれから調べる事もできるぞ、リーゼロッテと親友のリィンフェルドを混ぜた名前なんて洒落てるじゃないか・・・よし、今回でかい情報くれたから俺の情報が吹っ飛んだ、タダでいいし飯代も宿泊料も要らん、それからこれをやる」
「小金貨か・・・」
「30枚入ってる、お前が持って来た情報の対価だ、だが幻影・・・白銀の大魔導士が王都に来てるか・・・しかもお前を探してる・・・彼女は他の白金級の化け物達と違って話は通じるし比較的温厚だと聞いている、じゃないと女王陛下と親友になんてなれないだろ、・・・まさかいきなり殺されはしないだろうが・・・これ以上他で彼女の正体を言いふらすな、機嫌も損ねるな、本当にやばくなったら情に訴えて命乞いをしろ」
「参考になった・・・じゃぁ俺は寝るよ」
翌朝俺はエンリケスに礼を言って宿を出た、また走って故郷まで帰るのか、もう足が限界だ・・・そう考えていた時、ちょうど乗合 馬車で俺の故郷の近くまで行く奴が出発しようとしてたから飛び乗った。
ここまで来りゃ警戒弱めても大丈夫だろう、もう汗だくは嫌だって思ってた所だ、運がいいぜ。
乗合 馬車にハンターが乗る時は身分証を見せる決まりになってる、野盗や魔物に襲われた時の安心感が違うからだ、少し料金も安くなるがトラブルがあった時は戦って他の客を守らなきゃならねぇ。
まぁ金級の俺くらい高ランクになると王都や隣のシェルダン領周辺に出る魔物は余裕で対処出来る、数が増えたら難儀だがそれでもバカみたいな数じゃない限り大丈夫だ、客も俺が金級のハンターだと知って喜んでるな、安くなった料金分は守ってやるから安心しろ。
途中4つほど街を経由して旅は順調だ、次の宿場町で乗合 馬車は終点、俺の故郷・・・コルトの街はそこから歩いて1日程度だ。
もう夕方だからこの宿場町で泊まりになる、明日の夕方には家に着けるだろう、コルトに行く商人でもいれば乗せてもらえるんだが・・・そう思って辺りを見渡していると、ローブを着たガキが目に入った・・・。
「おい、・・・嘘だろ!」
あのガキが居た!、俺の命の恩人、俺を守って魔獣に喰われた筈なのに、見間違い・・・じゃぁないよな、杖を使って歩いてる同じ年頃のガキがそう何人もいてたまるかよ。
「ちょっと待て!、おい待てよ!」
やばい見失う!、夕方で人混みがすげぇし、奴は背が低い・・・人をかき分けて路地に出たところで見失っちまった、クソ!、・・・だが何でこんなとこに奴がいるんだ、待て、本当に奴だったのか?。
あの時確かに俺の目の前で・・・死んだか・・・助かったとしても重傷だろう、こんなとこ歩いてる訳がねぇ・・・、そう思い直して俺は酒場に入って飯を食う事にした。
読んでいただきありがとうございます。
初小説です。
諸事情により恋愛要素はほとんどありません、女性は平たい胸の人しか出てきません、男性は筋肉モリモリマッチョマン多いです、パロディ要素あり、苦手な人は注意してくださいね。
趣味で空いた時間に書いている小説につき不定期投稿です、ストックがあるうちは頻繁に更新しますが、無くなれば週1投稿になる予定です。
面白いなって思ったら下のお星さまやいいねをポチリと押してもらえると作者が喜びます・・・。