Side - 15 - 19 - そらみみのおか -
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こんにちは、リーゼロッテ・シェルダン15歳です。
お部屋にこもって独りで泣いた後、気分がスッキリしたので私はお着替えをしてシャルロットさんの居るリビングに行きました、もうすぐお昼・・・、ちょっとまだ目は腫れているけど、いつもの私に戻っている筈なのです。
「・・・お腹すいちゃったね、・・・お昼行こっか、・・・って何で泣いてるのです?、・・・お腹痛いの?」
「いえ!、何でもないっすよー」
なぜかシャルロットさんが泣いていて元気がないのです、どうしたのでしょう、この人の事だから食べ過ぎでお腹が痛いのでしょうか?。
「大丈夫?・・・今日は・・・お家でご飯作って食べる?、・・・泣かないで、・・・僕、お腹に優しい食事、・・・作ろうか?」
「本当に大丈夫っす!、これは心の汗っすから!」
それを涙って言うんじゃ、・・・って思わず突っ込みそうになりましたが、どうやら大丈夫そうですね。
「じゃぁ・・・タダーノで・・・ご飯にする?、・・・本当に大丈夫?、僕に・・・気を遣わなくてもいいんだよ・・・」
「大丈夫っす!行きましょう!、・・・リゼルくんは・・・優しいっすね・・・」
「・・・何がです?」
「いえ!、何でもないっす!、さぁ早く行きましょう!」
今日のシャルロットさんは何だか変なのです、お家の外に出ると少し曇り空、でも海からの風は心地いいのです!、空気に湿気が感じられるから明日は雨かな・・・さっきから傷も痛いし、・・・雨が降る前って傷が凄く痛むのです。
タダーノの中に入るとお客が4人、2人組の男女と、男の人の一人客が2組、・・・あれ?、トシが居ないのです・・・。
「おう!、いらっしゃい!、トシはちょっと出てる、今日は奴の母親の死んだ日だから墓に行ってると思う、何食う?」
あれ、トシってお母さん居ないのですね、・・・お墓ですか?
「・・・あの、僕、トシに謝りたくて、・・・昨日の事、・・・いつ帰ってくるかな?」
「あぁ、いつもだと夕方には帰って来るぜ、墓は街の外れにあるんだが、海の方に向いて道を進むと崖があるだろ、そこから森の方の道に向かうとソラミミの丘ってのがある、そこに居るか・・・、居なけりゃ母親が亡くなった崖のとこにいるんじゃないかな」
空耳の丘!、理世だった頃によく聴いてたのです!、おじいちゃんのCDコレクションの中にあったのを見つけたのです!、女性ミュージシャンの透き通った歌声が私の頭の中で再生されます、あれ好きだったなぁ・・・って、偶然の一致だと思いますが・・・。
「・・・そう、・・・ありがと、・・・とりあえず今日は、・・・ミートパスタと・・・サラダがいいな」
「私はパスタ2人前とパンをお願いするっす!」
「・・・相変わらずシャルちゃんはよく食うなぁ!、それだけ食ってくれりゃ作り甲斐があるってもんだ!、すぐ作るから待ってな」
「・・・居ないのかぁ・・・」
「ま、夕方には帰って来るそうっすからその時にまた来てもいいし、・・・それとも明日にします?」
「そうだね・・・もう一度夕方に顔を出して、・・・いなかったら明日かな・・・」
マスターの作ったパスタは本当に美味しいのです!、ソースが絶品で、・・・私は朝ごはんを食べてなかったから少し物足りなくて、シャルロットさんの分を少し分けてもらいました、・・・あぅ・・・ちょっと食べ過ぎちゃったかな・・・。
お店の外に出ると、・・・子供?・・・トシより少し年上の男の子が2人と女の子が1人、道の向かいで立ってでじっとこちらを見ていたのですが、私達がお家に帰ろうとするとこちらに近寄ってきます・・・ひぃっ・・・怖いのです!、シャルロットさんが私を庇うように前に出て言いました
「君達?何か用っすか?」
「・・・なぁ、お前って、最近トシとよく話してる子だよな、・・・あいつ父親やおじさんに言うとすごい怒るからお前に話すんだけど、・・・トシと揉めてる俺らと同じ歳の奴らがさ、・・・いつも生意気だからちょっと懲らしめてやろうぜって言いながら街外れに歩いていくトシのあとを尾けて行ったの見たんだ、・・・トシって結構強いからいつもは大丈夫なんだけどさ、・・・あいつら隣町の奴らも連れて来て今日は5人なんだ、・・・流石に5人相手にっていうのは無理だと思って、お前と、・・・そこのお姉さん?、・・・特にお姉さん強そうだから行ってあげられないかなって思って・・・、俺らだと余計なことすんじゃねぇ!ってあいつ怒るからさ、・・・俺たちが言ったってことは内緒で、様子見て来てくれないかな・・・」
「えと、君たちはトシ君のお友達っすか?」
「・・・いや、あいつ誰とも仲良くなろうとしないから友達ってわけじゃないよ、けどトシと揉めてる奴らって要領いいんだよ、表面上は真面目にしてるけど、裏じゃ色々悪さしてて・・・俺らも少し嫌がらせされてる、今日だってあいつら、・・・少しくらい痛めつけてもトシは性格あんなだから絶対俺達にやられたって言わないだろうって、・・・調子に乗ってるんだよ、・・・でもトシがやられそうなの知ってて黙ってたら俺らまで処罰されそうでさ、トシはあんなでも一応アレだしな・・・」
「よく分かんないっすけど、とりあえず丘に行ってトシくんが大丈夫か見てくればいいんっすね?」
「うん、俺らじゃ何もできないから・・・」
「いいっすよ、その丘って、マスターさんの言ってた、・・・ソラミミの丘ってやつっすよね」
「そうだよ、・・・悪いけどお願いできるかな?」
子供達はそう言って帰っていきました、私たちはお店に戻り、マスターさんに今の事を話しました。
「あー、あいつまだ揉めてたのか!、いや前からトシにもあいつらの親にも注意はしてたんだが・・・、だが子供の喧嘩に親が出ていくのもなぁ、・・・あいつも袋叩きにされたらちょっとは懲りて生意気な口叩かなくなるだろう、・・・俺は店があるから客が捌けたら後で丘に行ってみる、知らせてくれてありがとうな、危ねぇから坊主は行くんじゃないぞ」
「私はちょっと見て来るっす、リゼルくんはお家に帰って鍵を閉めて絶対外に出ちゃダメっすよ、腕輪あるから大丈夫だとは思うっすけど」
「シャルちゃんもダメだ!、危ねぇ事するな、奴ら5人がかりだそうじゃないか、何かあったらマズい」
マスターが慌てて止めに入ります、一度お店を出た方が良いですね・・・。
「・・・じゃぁ・・・僕達・・・帰るね、・・・マスターも・・・行くんだったら気をつけてね」
私達はお店を出て家とは反対の方向に向かいます。
「リゼルくん、お家はそっちじゃないっすよ・・・」
「シャルロットさんも・・・逆の方に・・・歩いてるし・・・」
「いやダメっす!、リゼルくんは行っちゃダメっす!」
「・・・腕輪があるから大丈夫だよ、・・・早く行かないと、・・・トシがやられちゃう」
「・・・うーん、なら絶対に私のそばを離れちゃダメっすよ!」
「うん、・・・さすがシャルロットさん!、・・・話が分かる・・・」
「向こうが崖だから・・・森に続く道はこっちっすね」
「・・・そうだね」
道は二つに分かれていて左に行くと街からも少し見えた崖があるのです、じゃぁ右に行くと丘なのですね、。
道の周りは林になっていて、人が時々通るのか整備はされているのですが、今は人の気配がありません、・・・蔦の絡まった木があったり、変な鳥の声が聞こえたり、・・・どこか気味の悪い道なのです、一人では怖くて来れないのです!。
更に丘に続く道を歩いていると・・・あれ?、向こうから男の人が走って来ます、服が泥だらけで怪我してる人も居ますね
「くそー、なんで5人でも勝てねぇんだよ!」
「いや知らねぇって、勝てる筈だったんだよ!、いきなり泥を投げて目潰しして来やがるから!」
「でも何発か入れてやっただろ!、しばらくは立てねぇ」
そんな事を言いながら・・・、あ、シャルロットさんの背中から「ゴゴゴゴゴゴ・・・」って効果音が・・・ひぃ・・・凄く怒っていらっしゃる!。
「ちょっとそこの君達、お姉さんとお話ししようか・・・」
読んでいただきありがとうございます。
初小説です。
諸事情により恋愛要素全くありません、女性は平たい胸の人しか出てきません、男性は筋肉モリモリマッチョマン多いです、パロディ要素あり、苦手な人は注意してくださいね。
趣味で空いた時間に書いている小説につき不定期投稿です、ストックがあるうちは頻繁に更新しますが、無くなれば週1〜月1投稿になる予定です。
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