Side - 63 - 4 - おおおばさまとおかいもの -
※2024年10月12日 内容を加筆修正しました。
Side - 63 - 4 - おおおばさまとおかいもの -
・・・こんにちは、エリーゼ・シェルダン12歳です。
私は今、リゼちゃんと一緒に王都の「リーゼ」本店の前に来ています、もちろん執事さんと護衛の騎士様も一緒。
今日はリゼちゃんとお揃いのお洋服を作るための採寸に来ました。
「買う」んじゃなくて「作る」のです!、普通の量産品は商人さんがお家に持って来てそこから選ぶのですが、このブランドの特注品は別格で、例え貴族でも店に直接訪れないと作ってもらえないのです。
「ほえー」って思わず間抜けな声が出るくらい「リーゼ」の建物は大きいです、これはお金持ちじゃないと入れない所だぁ・・・。
今、若者からお年寄りまで幅広く絶大な人気を誇る超一流のファッションブランド「リーゼ」、この大陸に多くの支店を持っていて1年に4回発表される新商品はなかなか手に入らないのです。
私のお家は超お金持ちにも関わらず、家族全員あまり・・・っていうか全く贅沢品や高額なお洋服には興味がなくて、私も「リーゼ」ブランドのお洋服はお家に来る商人さんから買った量産品を2着ほど持っているだけです。
なので私がこのお店に入るのは初めてです・・・うぅ・・・私みたいなドジでノロマなゴミクズ令嬢が本当に来ていい所なのでしょうか?。
お店の外観は派手さがなくて上品、とてもおしゃれでかっこいいです、高級感が圧倒的過ぎて目が潰れそうなのです!。
「リゼちゃぁん・・・本当にここでお洋服作るの?、お店の中のお洋服みんな高そうだよ」
繋いだ手を握りしめながらリゼちゃんに確認すると。
「・・・作るよ」
相変わらずの無表情で簡潔なお答えが返ってきました。
「心配ないよ、ここ私のお店、エリちゃんが欲しいならこのお店の商品全部・・・」
「わー、それ以上聞きたくないですぅ!」
さらりと凄い事を言い出したよこの人!。
お店の奥に入ると従業員の皆様が両脇に一列に並んで「いらっしゃいませ!、リーゼロッテ様!、エリーゼ様!」・・・ひぃぃぃ、私お買い物は好きだけどこういうのは苦手なの・・・超お金持ちのお嬢様なのに本当に緊張してダメなのです!。
「あの、リゼちゃん・・・私こんな高級そうなお店って初めてで、緊張して・・・えっと・・・特注じゃなくても・・・そこに吊るしてあるお洋服でも・・・いいよ」
と言いながらリゼちゃんの方を見ると・・・わー、リゼちゃんが凄く悲しそうな顔してるんですけど!・・・もしかして私、傷付けちゃった?、どうしよう!。
「う・・・うぅ・・・ごめんエリちゃん・・・お買い物が好きだって聞いてたから・・・喜んでくれるかと思って・・・ぐすっ・・・」
「わーい!、特注でいいです!、計ります!、店員さんお部屋どこですか!、行きましょう!、わー新しいお洋服楽しみだなぁー!」
・・・連れて行かれた採寸するお部屋はとてつもなく豪華でした。
壁の2面が全部鏡ってこれいくらするんだろう、鏡の周りは・・・銀かな、よく分かんないや、そこで下着姿になって上から下まで隅々まで測られました。
お洋服は10日ほどで出来るそうで、・・・・え、待って・・・「リーゼ」の特注の服だと今1年待ちって、私のお友達・・・じゃなかった知り合いが言ってたけど・・・そう思ってリゼちゃんに聞いたら。
「大丈夫・・・ここ私のお店だから」
凄いなリゼちゃん・・・本当は気になるのだけど、服のお値段は聞かない事にしました・・・。
その後は2人で(執事さんと護衛の騎士様も)美味しいスイーツのお店でケーキを食べたり、アクセサリーのお店を見て回ったり、とても・・・とっても楽しい1日でした!。
リゼちゃんは無口だけど、私の・・・知り合いみたいに、私をバカにしたり、見下したような目で見たりしません。
お屋敷に戻って夕飯を食べた後、リゼちゃんが私のお部屋に来てくれました、一緒に寝るのです!、私は普通に喋ってリゼちゃんは筆談・・・でも少しずつ直接喋ってくれるようになりました。
「リゼちゃんのいつも付けてる香水、いい香りだよねー、どこで買ってるの?」
「私が作ったの、お世話になった人達にもあげてるんだぁ、エリちゃんも欲しい?」
「うん、欲しい!、凄くいい香りだから気になってたの」
「じゃぁ私のお部屋にあるから明日持ってきてあげるね」
「ありがとう!、リゼちゃん大好き!」
「お洋服出来るの楽しみだねー、お揃いの服を着てまたお買い物行こう、エリちゃんとお揃い、・・・2人並んだら可愛いかな」
「絶対可愛いよ!、リゼちゃん次行きたいところある?、別のスイーツのお店紹介できるよ」
「そうだねー、今日のは美味しかったからまたお勧めのところあれば教えてね」
「・・・あ、そうそう、前から気になってたんだけど、リゼちゃんって、「幻影」って呼ばれてるハンターだって噂があるみたいだけど・・・本当なの?」
「うん、お薬を作る時に魔物の素材がいるの、狩ってきて必要なところだけ取って他を捨てるのは勿体無いからハンターギルドに売ってるの、そしたらいつの間にか「首狩り」って呼ばれるようになって、気付いたら「幻影」って呼ばれてた、何でそう呼ばれてるのかは分かんないなぁ」
「え、リゼちゃんが魔物を狩るの?」
「私って非力だし、攻撃魔法も怖くてあまり使いたくないから、密かに開発した時間停止魔法陣っていうのを使うんだけど、魔物が居そうな場所に行ってこの大陸全部の時間を止めるでしょ、魔物を見つけたら空間転移魔法陣で頭だけ残して少し離れたところに転移させるの、その後で頭と胴体を回収してるかな」
「・・・わぁ」
「素材を取った後の要らないところはハンターギルドの解体場所に転移魔法陣を置かせてもらってるからそっちに送って、そのあと止めた時間を動かすの、素材を集める時や指名で討伐の依頼を受けた時はだいたい同じ手順で狩ってるかなぁ」
「私、ハンターの事は全然知らないんだけど、みんなそうやって魔物を狩ってるの?」
「さぁ?、他のハンターの人達とはあまり話してないから分かんない」
そんな事を喋りながら楽しい夜は更けていったのです、昼間はとても緊張してたから疲れて眠くなってきた頃・・・。
「ねぇエリちゃん、私の故郷・・・行きたくない?」
「え?、シェルダン領?、何度か行った事あるけど」
「違うよ、私がこの世界に生まれる前に居た所、日本っていうんだけど・・・」
読んでいただきありがとうございます。
初小説です。
諸事情により恋愛要素はほとんどありません、女性は平たい胸の人しか出てきません、男性は筋肉モリモリマッチョマン多いです、パロディ要素あり、苦手な人は注意してくださいね。
趣味で空いた時間に書いている小説につき不定期投稿です、ストックがあるうちは頻繁に更新しますが、無くなれば週1投稿になる予定です。
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