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Side - 15 - 16 - はずれなくなったのです -

Side - 15 - 16 - はずれなくなったのです -



こんにちは、リーゼロッテ・シェルダン15歳です。


遂に博士が頑張って作ってくれていた防御結界の魔道具が完成したのです!、これでシャルロットさんの負担も軽くなるし、コルトの街も一人で出歩けるようになるのです!。


昨日連絡があって今日の朝取りに行く事になっていたから楽しみで、いつもよりとても早く目が覚めたのです・・・。


「・・・シャルロットさん、ちょっと王都の博士のところに行ってくるのです」


お庭で腹筋をしていたシャルロットさんに声をかけます。


「999、・・・1000っと、あー、リゼルくん!、おはようっす、今日はえらく早いっすね、朝市で鳥の串焼き買ってきてるんで一緒に食べます?」


「・・・うん、そういえばお腹空いたな、・・・ありがとう、じゃぁ一つだけもらうね」


この街は毎日朝早く船で漁に出る人たちの為に朝市が出ているのです、量が多くて私一人では食べきれなかったりするから迂闊に2個もらうとか言っちゃいけないのです。


「大きい・・・」


串焼きって言ったら普通は⚪︎ーソンのからあげクンみたいなのが串に刺さってると思うのですが、こっちの串焼きはケ⚪︎タッキーのバレルに入ってるやつよりおっきいのが6個、串刺しになっているのです!、一本でも食べきれないのです!。


「・・・ごめん、1本全部は無理だったよ・・・3つでお腹いっぱい」


「いいっすよー、残ったら私が食べるんで!、あ、そうそう、今日はオーニィ商会の社長さんが魔法陣の仕様で聞きたい事あるから連絡くれって、そこの手紙の魔法陣にメッセージの紙が届いてましたよー」


あ、改良型の最新魔導ラディーオに使う魔法陣、一昨日送ってたの何か問題あったのかな?、博士から魔道具受け取ったらすぐに連絡しなきゃ・・・。


「じゃぁ、ちょっと王都の博士のところに行ってくるね・・・魔道具受け取ったらすぐ戻ってきて・・・ジェームス社長に連絡するから」


「はーい、了解でーす!」


さてと、博士のところで先に魔道具受け取ってきましょうか・・・。








「博士ぇー、防御結界の魔道具できたって聞いたから来たよー、ってあれ、寝てる?」


おぉ、嬢ちゃんが来たか・・・・昨日は徹夜だったからどうも頭がはっきりせん、私も歳かな・・・。


「博士ぇー、魔道具どれなのですー、早く見せて欲しいのです!」


嬢ちゃんは最近刺客に加えて貴族どもの悪意や殺意に怯えていたから早く完成させて安心させてやろうとしたんだが、いささか無理をしたようだ、眠くてたまらん、それにつまらん仕様変更も入ったし、昨日来た魔道具師にもうるさく質問されたからな・・・疲れた。


「あ、これだね、じゃぁちょっとコルトの街で用事があるので向こうに持って帰ってゆっくり見せてもらうのです!」


「・・・あぁ、そいつがそうだ、今日俺はもう寝るから明日また来い、その魔道具の本体は腕輪じゃなくて魔石だ、それは試験に使ったやつで奴隷の首輪のデザインそのまんまだが、もうちょっと薄くて軽いやつに載せ替えできる、それに嬢ちゃんの希望の図柄があったら持って来い、職人に頼んで作らせる、俺はセンスが悪いから本職に頼んだほうがいいだろう、一度付けたら一生外せんから時間かけてよく考えろ」


・・・ってもう帰ったのか、せっかちな奴だな・・・。








「それは違います、・・・ここの魔法陣は・・・・、という意味です・・・っと」


できたのです!、魔法陣にコメントつけてなかったから技術者さんが勘違いしただけですね、さて送信!。


何度か社長と手紙のやり取りをして、最後の手紙を転送の魔法陣に乗せてオーニィ商会の社長さんに送ったのです、これでお仕事は一段落なのです!。


さてこれからいよいよ楽しみにしていた防御結界の魔道具を試すのです!。


これが博士が作った防御結界の腕輪なのですか・・・、相変わらず博士はデザインセンスがないなぁ、ひょっとして奴隷の首輪のデザインそのまま使ったのかな?、無骨で可愛くないのです!、それに私にはちょっと重いかも、長時間付けてると疲れそう・・・。


えーと、確か腕に嵌めて、腕輪についている1対の魔石の片方を外すと私の腕にピッタリのサイズに縮んで稼働すると博士は言ってたのです。


「はい、起動!っと」


大きかった腕輪が縮んで私の腕にちょうどいい大きさになりました、これどういう原理なんだろう、古代の技術って凄いな・・・って思ってると。


「ひぃっ、魔力が吸われるのです!、体の中の魔力を全部掻き回されるみたいな変な感覚・・・、うぅ、力が抜けてきましたぁ・・・」


「リゼルくん?大丈夫っすか」


立ったまま腕輪をつけたのでふらついていたのです、横で本を読んでいたシャルロットさんが心配して声をかけてくれました。


「・・・うん、もう大丈夫、魔道具を起動して・・・ちょっと魔力を吸われて驚いただけ」


「それが例の防御結界の魔道具っすかー、なんか思ってたよりごついですね、ってそれ奴隷の首輪のデザインじゃないっすか」


「博士って、本当にデザインセンスないの・・・明日文句言ってもっと可愛いのに作り直してもらうの・・・、魔石が魔道具の本体だから別の腕輪に載せ替えられるって・・・確か言ってたの」


「・・・で、効果はどんな感じっすか」


「いきなりは怖いから・・・そうだ、さっきの串焼きの串で突いてみるね」


「気をつけてくださいねー」


私は先が尖った串焼きの串で右腕を突つきました。


「・・・すごいの!、痛くない」


「おぉー、普通だったら刺さって血が出てる強さっすね」


「もうちょっと試すの・・・、「エンジェルフレア!」」


左の指から魔法で火を出して右腕に・・・。


「熱くないよ・・・」


「凄いっすね・・・」


「シャルロットさん・・・剣かナイフ貸して欲しいの・・・」


「いいっすけど、本当に大丈夫っすか、グサーってなって血がだばぁーって嫌っすからね」


「博士を信じるのです!、えい!」


どす!。


「大丈夫、痛くない・・・」


「やばいっすね、どれくらいいけるんっすかね」


「・・・ドラゴンのブレスくらいは、大丈夫って言ってたの」


「表出て私がぶん殴っても大丈夫っすかね?」


「・・・多分大丈夫」


「リゼルくん!、行くっすよ!」


「こい!、なのです!」


ふん!


ぐはぁ!


「お嬢!・・・リゼルくん!、ひぃぃ!」


飛んだのです、シャルロットさんが私を殴った瞬間、私の体が浮いてお庭の端まで飛んで地面に叩きつけられ3バウンドくらいしたのです!


「ひぃっ!、・・・あれ、痛くない・・・」


私は土まみれになって・・・杖はシャルロットさんの足元に置いてたので地面を這って移動しながら言いました


「シャルロットさん・・・大丈夫・・・だよ」


「全然大丈夫に見えないっすよ!、手応え凄かったし!、私リゼルくん殺っちゃったかと思ったっすよぉ!」


シャルロットさん泣いてるのです、ちょっと悪いことしちゃったかな・・・。


「・・・やばいね、この魔道具、・・・次はね」


「いやこれ以上は怖いんで私にやらせないで欲しいっす!」


「でも何かあった時に機能しなかったら・・・もっと怖いの、・・・実験は大事だよ」


「じゃぁ何で試すんです?」


「街の向こうに断崖が・・・・」


「却下っす!、飛び降りたリゼルくん誰が回収するんっすか!」


「この瓶の中に猛毒が入ってるの、・・・蓋を開けて匂い嗅ぐだけで一瞬でお空に行けるの、ちょっとお外でキメてくるの」


「わー!、そんなヤバいやつ何で持ってるんっすか!」


「じぃじに教わったのを参考にして作ったの・・・どれだけ成分濃縮できるか試してみたら・・・超やばいのができたの」


「もうちょっと優しいやつから試しましょ、腐ったやつ食べても大丈夫とか?」


「・・・それは僕が嫌、腐ったの食べるよりは無味無臭の毒がいいの」


「その辺は旦那様と相談するっす!、絶対リゼルくん試しちゃダメっすよ!」


「海に重りつけて・・・沈められても大丈夫かな?」


「やめて欲しいっす!」


「でも、水の中で息できるか確かめておきたいの」


「じゃぁ桶あるからそこで試してみましょう!」


「いけたのです!」


水の中でも体の周りに防御結界があって息ができたのです!、博士はすごいのです!、やっぱり神なのです!


「とりあえずまとめると、物理で殴られたら吹き飛ぶけど痛くないし、怪我もしない・・・って事っすね」


「・・・うん」


「魔法で燃やされても熱くないし火傷しないけど、・・・服は燃えて全裸になる・・・と」


「・・・そうなの」


「水に沈められても息できるから死なないけど・・・ずぶ濡れになるっす」


「・・・いえす」


「なんか思ってたのと違うっすね」


「・・・そんな小説みたいな都合のいい結界は無いのです」


「そんなもんっすかね」


「とにかく燃やされるのだけは絶対嫌・・・全裸は嫌なの!」


「そりゃそうっすね、気をつけるっす」


さて、一通り試したし、腕輪が重くて手首が痛くなってきたのです、でもこれどうやって外すのでしょうか?。


「・・・ちょっとお部屋で腕輪を外してくるのです」


「はーい、終わったらお昼食べに行きましょう!」


確か腕輪が入ってた箱に最初についていた魔石を入れてたのです、それを戻したら元の大きさに戻ってきっと外れるのです!。


「えーと、こうかな?」


「・・・いや違ったかな、そうだ、きっと左右が決まってて逆になってたのです、これを・・・こうして・・・あれ?」


何で外れないの?、博士に外し方を聞いてなかったのです、じゃぁ明日までこれ付けてないといけないのかな?。


嫌なのです!、理世だった時から腕や首に何かつけるの大嫌いなのです、指輪も腕時計も嫌いだったし・・・、邪魔というか・・・嵌めてると気になって眠れなくなるのです!、しかもこれ可愛くないしごつくてダサいのです!。


「リゼルくーん!、まだっすかー」


あぅ、シャルロットさんが呼んでいるのです!、もうこのまま泥だらけの服だけ着替えてお昼に行くのです!。


「はははー、お前なんだよその腕輪、超だっせぇ!、それ本当にカッコいいって思ってんの?、お前のセンスどうかしてんじゃねぇの、まるで手枷嵌められた奴隷じゃん」


私はレストラン「タダーノ」でまた偶然居合わせたトシに馬鹿にされてフルフル震えています!、こいつあれから何度も何度も、何が楽しくて私に絡んでくるのでしょう、もう許さないのです!。


「ち、・・・違うもん・・・、これ、結界の腕輪、・・・斬られても、魔法撃たれても・・・無傷な凄いやつなの!」


「・・・いや分かるぜー、俺らの年齢だとそういう設定妄想して、俺スゲー!、俺カッケー!、俺無敵!、ってやっちゃうよな!、はいはい分かりましたー、それはリゼルきゅんのーすっごーい魔法の腕輪なんでちゅねー、あはははー」


「うぅ・・・ふぇぇ・・・ひっく・・・」


「あれ?、また泣いちゃう?、男なのに情けねー、やーい泣き虫リゼルー」


パシン!


・・・あれ、思わず手が出ちゃった、・・・私、人を初めて叩いたのです!、・・・いやだ、・・・怖いのです!。


「・・・あ、・・・あぅ・・・ご、・・・ごめん、・・・つい」


「痛ってー、お前なんかもう知らねー、明日から絶対遊んでやらないからなぁー」


・・・いや私、トシに遊んでもらった覚えはないのですが・・・、トシが涙目でお店を出て行ったのです、見た目より案外打たれ弱かったのですね・・・、奥からマスターが出てきて申し訳なさそうに言ったのです。


「・・・あー、またうちの甥っ子がすまん、あいつ性格捻くれてっから今まで誰とも絡んで来なかっんたが、坊主にだけはよく話しかけてて、いつもお前らが来る前に店に来てソワソワしてな、案外いい友達になれるかと思ったんだが、もう奴には店に来ないように言っておくよ」


「待って、僕も悪いの、・・・叩いちゃって、そんなつもりなくて・・・トシ、泣いてて・・・僕、謝らなきゃ・・・うぅ、・・・ひっく」


「あー、じゃぁ明日もここにきて、今度は仲直りっすかねー」


「・・・うん」


「すまんな、坊主、あいつ口は悪いし性格も悪いが、根はいいやつだ、できれば仲良くしてやってくれ」


「・・・うん」






「何で付けてんだよ!」


そしてその日の夜も腕輪を外そうとしたのですが、どうしても外れなくて、・・・翌日泣きながら博士のところに腕輪の外し方を聞きに行ったら私の腕を見て博士が叫んだのです!。

読んでいただきありがとうございます。


初小説です。


諸事情により恋愛要素はほとんどありません、女性は平たい胸の人しか出てきません、男性は筋肉モリモリマッチョマン多いです、パロディ要素あり、苦手な人は注意してくださいね。


趣味で空いた時間に書いている小説につき不定期投稿です、ストックがあるうちは頻繁に更新しますが、無くなれば週1投稿になる予定です。


面白いなって思ったら下のお星さまやいいねをポチリと押してもらえると作者が喜びます・・・。

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