表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/256

Side - 15 - 14 - みなとまちではずかしめをうけました -

Side - 15 - 14 - みなとまちではずかしめをうけました -


こんにちは、リーゼロッテ・シェルダン15歳でございます・・・


「お嬢様ぁー・・・じゃなかったリゼルくん!、何してんっすか?」


「ん・・・、ギターの練習で・・・メガデスのハンガー18、コピーしてるの・・・デイヴさんの方のは・・・なんとか出来たけど・・・マーティーさんのソロ・・・超難しいの・・・」


「言ってる意味が何一つ分かんないっすけど・・・、せっかくいい天気なんだからお散歩して、美味しいもの食べましょうよぉー」


「・・・それ、シャルロットさん・・・食べに行きたいだけじゃ・・・、そうだね・・・・僕もお腹空いたし・・・、お昼ご飯行こっか」


日本に無事帰還した私は弟がやってるバンドのお手伝いをする為にギターの練習をしているのです!、このコルトの街で!。


「うぅ・・・手が小っちゃいから・・・フレットうまく押さえられないの、・・・速く指を動かすと腕の傷が痛むし・・・死ぬ前にあんなに頑張って練習して・・・上手くなってたのに・・・ぐすっ・・・」


お父さんの(ほとんど私しか触ってなかったけど・・・)レスポールカスタムをこっちに持ってきて15年ぶりにギターの練習なのです!、理世の時と違って指がまだ柔らかいからちょっと苦戦中だけど、ようやく勘を取り戻してきたところでシャルロットさんの邪魔が入ったのです!。


あ、ポータブルアンプの電池がもうすぐ切れちゃうからまた日本に行って持ってこないといけないのです・・・、魔素を電気に変換できる魔道具早く作らないと面倒くさいし時間がもったいないのです!。


「やっぱりおじょ・・・リゼルくんの言ってること分かんないっすよー、その変な楽器みたいなのってお嬢・・・リゼルくんの前世の世界のやつ持ってきてるんでしたっけ?、こっちの楽器と全然違うっすねー」


「・・・そうなの!、・・・君たちにはまだ早過ぎなの!、・・・君たちの・・・孫くらいが喜んで聴くの・・・」


どこかで聞いたようなセリフを言ってヘッドホンを外します、今は長い髪を後ろで縛って、日本から持ってきた私の中学生の時の芋ジャージを着てるけど、これを着て外出するのは恥ずかしいからお出かけ用の服に着替えるのです!。


「どこで食べましょうかー、いくつかお店入りましたけど、やっぱりカルロ町長さんの紹介してくれた最初のとこが一番美味しいっすねー、それと屋台も良さそうなやついくつか見かけたんで何軒か寄っていきましょうよ!」


これまでの言動から薄々気づいてたのですが、シャルロットさんはドン引きするくらい沢山食べるのです!、そのおかげで私は一口もらえて色んなお店の味を楽しめているのですが・・・


「でもリゼルくん、本当に私のお食事まで経費で出してもらっていいんすか?、自慢じゃないけど私大喰らいっすよ」


「いいの・・・これも必要経費なの・・・シャルロットさん・・・居なかったら・・・僕、・・・刺客に襲われてとっくに死んでるの・・・生きてるの・・・シャルロットさんのおかげ」


「そうですかぁ・・・じゃあお言葉に甘えるっす、人のお金で食べる食事ほど美味しいものはないっすから!」


私達が今住んでいるコルトのお家は借家なのです、お父様は買うと言ってくれたのですが、ここに何年も滞在する予定ではないので勿体ないかもって私が言ったら、じゃぁとりあえず借りて、気に入ったら買えばいいって言ってくれたのです。


あの美味しかった海の見えるレストランの近くにある、広いお庭のついた小さなお家・・・、このお家の窓からも綺麗な海が見えるのです!、夕日がとても綺麗なのですよ、普段は波が静かなので、これで島が沢山あったら理世が生まれ育った瀬戸内海によく似ているのです、とは言っても寒い季節はとんでもなく寒くなって雪が沢山積もるらしいのです、でも雪景色も綺麗だろうなぁ・・・。


可愛らしい飾りのついた木の扉を開けて植木鉢の中で沢山咲いたお花を見ながらシャルロットさんとお庭を通り抜けて外へ出ます、本当にいい天気なのです!、海からの風が気持ちいいのです、刺客の心配がなかったらお庭でお昼寝がしたいくらい・・・


「お嬢・・・じゃない・・・本当に呼び方慣れないなぁ・・・リゼルくん!、今日は何を食べます?」


「・・・うーん、そうだね・・・、昨日は貝の入ったパスタだったから・・・、今日は・・・海のものじゃなくて・・・チーズの入ったリゾットと・・・鶏肉のソテーが食べたいな、・・・どうかな?」


「いいっすねー、私も今日は肉が食べたい気分っす!、もうお店のマスターとも仲良くなったから、沢山頼んだらおまけしてくれるかもしれないっすね!」


「・・・僕、・・・そんなに食べられない・・・よ」


「残ったら私が処理するっすよ、こう見えてお腹底無しっすからね、同僚からは底無しシャルロットって言われてたっす!」


「ふふっ・・・・あぁ・・・なんか・・・楽しいなぁ・・・、ずっとこんな生活・・・続くといいな・・・」


「心配ないっすよ、リゼルくんのおじさん張り切ってるみたいだから、もうすぐ隠れてる奴らみんなまとめてプチッってやってくれますよ!」




話してるうちにお店の前につきましたぁ、白い塀に囲まれた海の見えるおしゃれなレストラン、「タダーノ」、やっぱり可愛いお店なのです!、この街の建物はみんなすごく可愛いのです!


「おう!、いらっしゃい!」


「うひぁぁっ・・!」


・・・お店のマスターさんが今日のおすすめを書いた看板を持って外に出てきました!、いかついヒゲのマスターさんには慣れましたが、急に出てこられるとびっくりするのです!、驚いて後ろに倒れ、尻餅をついてしまいましたぁ・・・。


「あぁ!すまん坊主!、急に出てきて驚かせちまったな!」


「大丈夫っすか!、リゼルくん!」


「うぅ・・・痛いのです・・・」


シャルロットさんが助け起こしてくれました。


「本当にすまん、お詫びにデザートサービスしてやるよ!、今日のは自信作だ、ありがたく食え!」


「あ、ありがとう・・・です」


「やったー、マスター太っ腹!、その太い腹みたいな太っ腹!、今日はリゾットと鶏肉のソテー、2人前!、それと私にステーキ2枚ね!」


「誰がデブだコラ!、・・・まぁ良い、今日はまだ客がいねぇ、好きなところ座って待ってな」


お店に入ると・・・お客が居ない筈なのに男の子が海をぼーっと見ながらテーブル席に座っていました・・・誰なのです?


「あぁ、こいつは俺の甥っ子だ、ここの向かいで宿屋をやってる弟の息子で、トシローってんだ、悪い奴じゃぁねぇんだが・・・生意気すぎるって言うか・・・性格・・・いや口が悪くて友達が居ねぇ、よかったら友達になってやってくれ、おい!、トシ!、挨拶しろ!」


「おっちゃん!、余計なこと言うなよ畜生!、・・・よっ!、俺はトシロー、トシって呼んでくれ!、13歳な!、お前いくつ!、俺より小っさいな、じゃぁ今日からお前は俺の子分だ!、遊んでやるよ!」


ななななな何ですかこの子・・・距離感が近いのです!、人見知りな私にとって苦手な「陽キャ」って奴ではないですかぁ・・・でもせっかく仲良くなったマスターの機嫌を損ねちゃダメだし・・・どうしよう・・・


「あー、トシくーん、リゼルくんすっごい人見知りだから、そんなに距離詰めたら怖がるんだよねー、もうちょっと控えめに、優しくね・・・」


シャルロットさんが助けてくれましたぁ・・・一応ご挨拶しなきゃ・・・でも怖いよぅ・・・。


「ぼ・・・僕・・・リゼル・・・です・・・よろしく・・・ひうっ・・・ふひっ」


あぁー、怖いのと緊張で挙動不審になってしまいましたぁ、っていうか「ふひっ」って何だよ!、変に思われてないかなぁ・・・。


「あははー、変なやつ!、お前足悪いのかよ!、そんなんじゃ走って遊べないじゃん!、傷もあるし!、何だよそのだっせぇ眼帯!、もしかしてお前の左目って見えないのか?、まぁ男だったら傷ある方がかっこいいかもな!」


パコーン、っていうすっごい良い音がしたので見てみると、マスターがトシくんを張り倒してました、いい気味なのです!、陽キャは敵!、爆発すればいいのです!。


「お前、さっきシャルちゃんに控えめにって言われただろうが!、見ろ!、坊主が泣きそうになってるじゃねぇか!、そんなだから友達できねぇんだよ!」


「いてぇー!、だってこいつまともに喋らないし、オドオドしてっから、からかってやろうと思っただけだよ!、男なんだからこれくらいで泣かないよな!」


・・・ひぃぃ!、こいついきなり肩を組んできましたぁ!、馴れ馴れしいのです!、陰キャにとってこの距離は死ねるのです!、早く離すのです!、私はフルフルと震えながら言いました。


「やだ・・・離して、・・・怖い」


見かねたシャルロットさんがトシくんを引き剥がします。


「だーかーらー、トシくん距離感近いんだよー、リゼルくんは人見知りだからこんなに近づかれると怖くてお漏らししちゃうの!」


・・・お漏らしって・・・シャルロットさん酷いのです!、まだトシくんの年齢なら許容範囲なのです!、あと5歳成長してたらやばかったかもだけど・・・。


「お漏らしすんの!、こんなにデカくなってまだお漏らしかよ!、あはははは!」


爆笑されましたぁ!、もう!、もう許さないのです!、こいつはいじめっ子として私の心のデスノートに名前を刻んでやるのです!、絶対絶対許さないのです!、私は下唇を噛んで・・・って言ってもマフラーで口元は見えないのですが・・・耐えたのです、泣かないように・・・泣いたら負けなのです!、・・・あぅ、悔しくて涙と鼻水が出てきましたぁ・・・。


トシくん・・・もうこいつはトシで十分なのです!、呼び捨ててやるのです!、トシはそのまま笑いながらお店の外に出て行きました


一部始終を見ていたのか、マスターはピキピキとこめかみに青筋を立ててフルフル震えながら泣き始めた私に言いました。


「すまん、あいつは後で俺がぶん殴っておく・・・」


読んでいただきありがとうございます。


初小説です。


諸事情により恋愛要素全くありません、女性は平たい胸の人しか出てきません、男性は筋肉モリモリマッチョマン多いです、パロディ要素あり、苦手な人は注意してくださいね。


趣味で空いた時間に書いている小説につき不定期投稿です、ストックがあるうちは頻繁に更新しますが、無くなれば週1〜月1投稿になる予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ