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Side - 16 - 61 - れいあ・るみなすをさがせ に -(挿絵あり)

今回「〜レイアさんはおかしな魔物に寄生されましたぁ!〜(魔法使いなのに魔物で双剣使い?)」で既出のお話を編集して投稿しています。


〜レイアさんはおかしな魔物に寄生されましたぁ!〜(魔法使いなのに魔物で双剣使い?)(R-18)

https://novel18.syosetu.com/n2479il

Side - 16 - 61 - れいあ・るみなすをさがせ に -


〜カリンさんが魔物に覚醒する約50日前〜


私の名前はシシャー・ツタエルヨー、これは偽名で本名は別にある、王国騎士団、特殊諜報部隊の隊長だ。


陛下の命を受け、レイア・ルミナス嬢を追ってオースター帝国のシーマまでやって来た、ここは隣国だから軍用の馬型魔道具に乗る訳にはいかない。


一度王国諜報部の仲間が潜伏しているミュゼットの街に行き馬型魔道具を預けた、万一の為にこの拠点に我が隊の諜報員を数名待機させておくよう部下に命じてあった。


そこで拾った女性諜報員と一緒に魔導列車に乗ってミュゼットの2つ隣にあるコルサの街を経由してシーマに向かった。


何故そんな面倒な事をしたのか、直接シーマに行けばいいではないかと思うだろうが友好国とはいえ隣国だ、男の一人旅は意外と怪しまれるのだ、だから夫婦を装い旅行に来たという設定で入国した、我々諜報員がよく使う手なのだ。


「たいちょぉ、いいお天気ですねぇ」


「おいマーヴォ、隊長と呼ぶな、誰が見ているか分からんのだぞ」


「はいはい、相変わらず用心深いですねぇ旦那さまぁ、こんな田舎町で何が起きるって言うんです?」


・・・最悪だ、ミュゼットの拠点にはよりにもよって女性はこいつしか居なかった。


こいつとは腐れ縁でよく一緒に仕事をする、腕は立つのだが私とは考え方がまるで違うし性格が合わない、だがこれは仕事だ、性格が合わないから仕事が出来ないなどとこの私の口からは・・・。


「あぁ!」


「ど・・・どうした!」


「美味しそうな肉串屋さんだぁ、ねぇ旦那さまぁ、あれ買ってー」


「ぐっ・・・お前という奴はぁ・・・」


「わぁぁ、痛いよぉ、頭グリグリしないでー」


「ふふふ、仲がいいねぇお二人さん、旅行かい?」


「うん、お休みが取れたから夫婦で久しぶりにのんびりするんだぁ、あ、おばちゃん肉串の大を3つくださいなー」


「はいよ、毎度あり!」


「あむ・・・おいしー、おばちゃんおいしいよこれ!」


「ありがとうよ、後ろで旦那が怖い顔してるけど大丈夫なのかい?」


「うん、大丈夫、元からあんな顔だから」


「2人で旅行か、いいねぇ、これからどこに行くんだい?」


「マキシマの街!、姪がそこに住んでるの、青い髪、青い瞳のちっちゃい女の子、とっても可愛いんだぁ」


「マキシマか・・・大森林のすぐ近くじゃないか、気をつけなよ、まぁ、あの街は強い魔女様に守られてるから大丈夫だとは思うけどねぇ・・・あ、そういえば何日か前に青い髪の女の子がうちの肉串買ってくれたねぇ、姪御さんかどうかは分からないけど・・・怪我をしてるのか、串やお金の受け渡しの時もずっとローブのポケットに左手を入れてたから覚えてたんだ」


「そう!、それうちの姪っ子!、少し前に怪我したって言ってたの、大丈夫かなぁ・・・」


「そうかい、その子も美味しそうに食べてくれてたよ・・・後ろの旦那本当に大丈夫かい?、怖い顔してるよ」


「ありゃ、しまったぁ、おいしくて肉串3本全部食べちゃったから怒ってるのかもね、じゃぁおばちゃんまたね!」


「あぁ、気をつけてね」






「旦那さまぁ、レイアちゃんここを通ったみたいですねー」


「そうみたいだな・・・」


マーヴォ・ドォウーフー、レオーネ王国騎士団、特殊諜報部隊隊員、私はこいつが苦手だ・・・。









「あー、やっと着いたぁ!」


「ここがマキシマか、雨が降ってるし陰気臭い街だな、隣の街からは鉄道でしか入れないのには驚いたが・・・」


「歩いて来れない事もないらしいですよ、渓谷や山が険しくて途中で魔物に襲われなかったとしても20日くらい余分にかかるって駅員さんが言ってました、この街の東にもう一つ町があるそうですけど、そこに行くのは完全に徒歩だそうです」


「そうなのか・・・まぁ、大森林の近くだから仕方ないか・・・だがこの辺りは特に険しいな、まさに僻地の秘境って感じだ、それにこんな土地に立派な街があるのも凄いな」


「途中からこの魔導列車に乗り換えろって言われた時も驚きましたぁー、何ですかこのトゲトゲの付いたいかつい車両・・・」


「魔物が体当たりしても走行できるように・・・だとよ、途中の駅で止まった時に車掌に聞いた」


「へー、確かにこれに轢かれたら肉片になるかもー」


「マーヴォ、お前は周辺諸国の街に詳しいよな、この街はどうだ?」


「いやー、オースター帝国の辺境の中でも更に辺境の田舎街の事なんか知ってる訳ないじゃないですかぁ、軍事的に重要な場所でも無いですし」


「そうだよな、私もミュゼットの街で隊員に聞いたが誰一人知らなかった」


「途中出会って仲良くなったおじさんからの情報だと・・・石と鉄で作られた魔女様が守る街って言ってましたね、それから魔物の被害から逃れる為に街の地下・・・硬い岩盤を掘り進めて下層部にはもう一つの街・・・地下街が迷路のように広がってるらしいです」


「お前凄いな、どうやったらそんなに誰とでも仲良くなれるんだよ」


「え、普通にお話ししてるだけですよ、旦那さまもやってみたらどうです?」


「・・・」






「鉄道の高架の下が市場になってるな、「石と鉄の街」・・・か、確かに煉瓦や石造りの家ばかりだし湿気で錆びた鉄の匂いが街中に漂ってる、この辺で情報収集するか」


「この辺はアイアンバウンドっていう地区らしいですね、奥に行くと地下街への通路があって地上と地下の住民がここで食料を調達するんだとか」


「何で知ってるんだよ」


「旦那さまがお手洗いに行った時、駅に居た女の子に近くでお食事のできる所はないかって聞いたら教えてくれましたぁ」


「地下街は迷路って言ったな、そこに潜られると探すのが大変そうだ・・・」


「それからこの街は大森林に向かうハンター達の拠点らしくて、ハンターギルドの規模が大きいし人の出入りも多いらしいから・・・どうします?」


「まだこの街について何も分からない状態だ、今日は適当に聞き込んで情報を集めるか」


「そうですね、じゃぁお互い別行動って事で、日没前に駅前にある像の前で落ち合いましょう」


「分かった」







・・・ふぅ・・・疲れたな、今日の宿は・・・マーヴォに任せてあるからどこか適当に手配してくれただろう。


「魔女様か・・・」


他所者が街の事を住民達に尋ねると必ず名前が登場する人物だ、それも誇らしげに、我が街の英雄だと言わんばかりに饒舌になる。


この街を魔物の脅威から守り抜いた元領主であり街の英雄、フィッシュとモスのバーガー夫妻が拾って育てた養子、フレシュネス・バーガー。


街の大通りには彼女の名が付き、駅前に像が建てられるほど住人から慕われている魔女様は、少なくとも300歳を超えているらしい・・・魔力量が多いのだろうな。


この街から半日程歩いた「刻を告げる砦」に住み、過去何度となく魔物の大規模な襲撃を単独で退けたという。


魔女様の世話をする使用人は「魔女様の弟子」と呼ばれ、何度か交代したものの定期的に街にやって来る、食料を買い、ハンターギルドからの依頼を受け、街の人々の希望を聞き、薬草や食材を販売している。


だが8年前に魔女様とその弟子が姿を消した・・・。


街の住民はとても心配していたが数日前突然弟子が街に現れ、住民を安堵させた。


「旦那さまぁー」


「マーヴォか・・・」


彼女もまた魔女様の名を飽きるほど聞かされたのだろうな。






「何で同室なんだよ!」


「だって私たち夫婦っていう設定じゃないですかぁ、別室だと怪しまれるでしょ」


「私が何かするとは思わなかったのか?」


「え、何かするんです?、でも私、女性諜報員として男性のお相手をして情報を引き出す訓練も受けてますから、溜まってるのならお相手してもいいですよ」


「なっ!、もういい、誰がお前など!」


「ふふふ・・・」


少しトラブルはあったが私達は今日泊まる「ソドムの宿」でお互いの情報を共有した。


やはりマーヴォも魔女様についての話を散々聞かされたようだ。


「話を聞けば聞くほど魔女様という人物は興味深いのですが、今回は除外しましょう、レイアちゃんを探すのが目的ですからね」


「あぁ、そうだな、だが何者だろうな、大規模な魔物の襲撃に対抗できるほどの力があるなら帝国も黙っていないだろう、国に抱え込んで有効に利用するか、騎士団に勧誘するか・・・」


「本当に特殊な街ですよねー、私もこんな街初めてですよぉ、魔女様が住民を守り、住民も魔女様を守る、しかもこれほど慕われてるのに魔女様の希望だからと過度な干渉は絶対にしないし、余所者にもさせない・・・」


「そうだな、私も異常だと感じた」


「私、魔女様に会ってみたいってポロッと言っちゃったんですよ、そしたら今までニコニコと話してくれていたおばさんが急に怒り出して・・・絶対に会ってはいけないし、もし会おうとしたら私や街の住民が許さないって・・・」


「レイア嬢についての情報は?」


「それが・・・不思議なくらい無いんですよー、レイアちゃんはシーマの街までは間違いなく来てるから目的地のこの街も訪れた筈、でも誰も知らないって言うし・・・」


「私もそれとなく聞いたが目撃情報が全く無い、まるで街ぐるみで隠してるようにな」


「それは無いかなぁ・・・だってレイアちゃんを隠す理由が無いじゃないですかぁ」


「そうだよな、私の思い過ごしか・・・」





挿絵(By みてみん)

マキシマの街

読んでいただきありがとうございます。


初小説です。


諸事情により恋愛要素はほとんどありません、女性は平たい胸の人しか出てきません、男性は筋肉モリモリマッチョマン多いです、パロディ要素あり、苦手な人は注意してくださいね。


趣味で空いた時間に書いている小説につき不定期投稿です、ストックがあるうちは頻繁に更新しますが、無くなれば週1投稿になる予定です。


面白いなって思ったら下のお星さまやいいねをポチリと押してもらえると作者が喜びます・・・。

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