Side - 16 - 56 - れいあさん じゅうに -
今回「〜レイアさんはおかしな魔物に寄生されましたぁ!〜(魔法使いなのに魔物で双剣使い?)」で既出のお話を編集して投稿しています。
〜レイアさんはおかしな魔物に寄生されましたぁ!〜(魔法使いなのに魔物で双剣使い?)(R-18)
https://novel18.syosetu.com/n2479il
Side - 16 - 56 - れいあさん じゅうに -
(注意)少しえっちです。
(注意)胸糞展開があります。
〜カリンさんが魔物に覚醒する約60日前〜
ガタン・・・
「ひぃっ・・・誰?」
「儂の配下、睦里助兵衛だ、此奴には鍛治の知識があってのぅ、今日はお前に口輪を嵌めて外せぬようにする、これは石を削って作ったものでな、口に噛ませて皮と鎖で頭の後ろで締め付ける、鎖を切らない限りお前の力では外れぬわ」
「嫌・・・」
「明日のお披露目の準備をせねばならぬからな」
「お披露目・・・」
「お前が気にする事は無い、おい助兵衛よ、口輪と鉄枷を両手に嵌め鍵穴に鉛を流し込んで二度と外れぬようにせよ!」
「いや・・・嫌だぁ・・・」
バタ・・・ドタ・・・
「まだお前は反抗的だから両手を自由にさせて斬られてはたまらぬ、枷は南蛮より取り寄せた物を我が配下の鍛治師達に見せて作らせのだ、楽しみにしておれ」
「・・・旦那様、鉛を溶かさねばならぬ故、囲炉裏を使っても?」
「あぁ、囲炉裏のある間まで連れていけ、両腕は縄で拘束しておるが油断するな、此奴は双牙の継承者だ、息子を一人念のために付けてやろう、おい弐之丈よ、ついて行ってやれ、逃すなよ」
「御意!」
「ほら歩け!」
「え・・・外に・・・いやぁ!・・・私は裸・・・」
「お披露目が終われば毎日弟子や家の者達にお前の裸体が見られるのだぞ、いちいち恥ずかしがるでないわ」
「嘘・・・いやだ!、離せ!」
・・・
ざわ・・・
「おい見ろよ・・・」
「うひょー、裸の女だ」
・・・
パチ・・・パチッ・・・
「溶けてきたな、あと少しか」
「おい助兵衛よ、ここは屋敷の奥だ、武器になるような物も無い、俺は少し小便をして来る故ここを離れるが油断するな」
「はい」
パタン・・・ギシ・・・ギシッ・・・
「お願い・・・私を逃して、お礼はするから・・・」
「駄目だ、俺には妻と・・・お前と同じ年頃の娘も居る、お前を逃せば命は無い、俺も旦那様には酷い目に遭わされておる故、思う所はあるしお前の哀れな姿を見て心も傷む、だから鎖に細工をしておいてやる」
「え・・・」
「口輪を結える鎖と手枷の鎖、それぞれ1箇所だけ削って脆くしておく、普通に力を入れただけでは切れぬが鎖をどこかに固定して渾身の力で引き千切れ、枷は鍵穴を塞ぐ故、生涯外せぬが両腕さえ自由になれば鎖を垂らしたままでも逃げられよう」
「・・・」
「口輪の裏に小型のクナイも仕込んでおいてやる、お前が枷で拘束された後は旦那様の警戒が緩む、油断した隙をついて逃げるがいい・・・機会は一度きりになるだろうからよく見定めろ」
「・・・ありがとう、あの、妹は・・・ここに連れて来られた私の妹を知らないか?」
「あの両眼を潰された子か・・・あれもそのうちお前と同じ処置をする、2人きりになる機会が無ければ会話は出来ぬが、お前と同じ細工をしておいてやろう」
「頼む・・・」
ドタドタ・・・
「おう、待たせたな、続きをやれ」
「はい、では右手から」
じゃらっ・・・ちゃり・・・
ギリリリ・・・カチッ・・・
「あぅ・・・痛いの・・・」
「後ろ手で拘束する形でよろしいので?」
「あぁ、そうだ」
「それでは左手・・・」
じゃらっ・・・
ギリリリ・・・カチッ・・・
「では鍵穴に鉛を流す、これで二度と外れない」
じゅっ・・・
「うぅ・・・」
「次は口輪・・・革紐を締め後ろで鎖を固定する、これも鎖を通す穴に鉛を流す故外せない、喋れなくなり意思疎通ができないが・・・よろしいので?」
「あぁ、やってくれ、そいつは我々の子を産むだけの人形になるからな、舌を噛み切って自害されても困る」
じゃらっ・・・
「口を開けろ・・・」
「嫌ぁ・・・」
「手間をかけさせるな」
「あむ・・・んぐぅ・・・ぐすっ・・・いやらぁ・・・やめへ・・・」
じゃり・・・カチッ・・・
「終わったぞ」
「ご苦労だったな帰っていいぞ・・・ほれ駄賃だ、嫁と娘に何か美味いもん食わしてやれ」
「では・・・これで失礼・・・」
「さて、寝所に戻るか、おら立て!」
「ぐっ・・・んくっ」
「皆に見られておるな、くくっ・・・恥ずかしかろう、だがすぐに慣れるわい、この廊下の向こうが飯を食う所だ、明日から飯はそこで食え、全裸でな・・・手が使えぬから女中に飯の世話はは頼んでおいてやる」
「あぅ・・・ぐすっ・・・うぅ・・・」
「・・・嫌だ!、姉さまぁ・・・」
「ほひゃう!・・・うくっ」
「どこに行こうとしてるのだ、あぁ・・・妹の声が聞こえたか、どれ、会わせてやろう」
バン!
「よぉ参之介、昼間っから精が出るな、鍛錬をサボると親父殿からお叱りを受けるぞ」
「おぉ兄者か!、女の身体とは良い物だなぁ!、ははは!」
「やだ・・・痛い・・・」
「ほひゃう!・・・あぁ・・・ほひゃうぅ・・・」
「しょの声は・・・ねえしゃま・・・ねぇしゃまぁ・・・ぐすっ・・・たしゅけて・・・痛いの・・・暗いの・・・怖いよぉ」
「・・・あぁぁぁ・・・ほひゃうぅぅ・・・」
「もう良いだろ、戻るぞ、おい暴れるな!、さっさと歩け!」
「うわぁぁぁ!、蛍ぅ!・・・」
・・・
「・・・夢?、・・・そうか、レイアの身体を今は私が使っているから夢を見たのか・・・それじゃぁレイアは毎日こんな夢を・・・」
「(おはよう、ユッキィ、今日はお家に帰れるね)」
「おはようレイア、人間の身体で久しぶりに寝たが酷い夢を見た、レイアは私と身体を共有してから毎晩あんな悪夢を見てたのか」
「(うん、ユッキィが・・・人間だった時の夢だよね、すごく怖い夢・・・)」
「すまん、私のせいだな・・・なんとかしてやりたいがどうすればいいか分からない、しばらく私が身体の主導権を握った状態で眠ろう、昨日は夢を見なかったのか?」
「(うん)」
ギシッ・・・
「(雨が降ってるね)」
「あぁ、この町では日常の風景だ」
私達は屋台で朝ごはんを食べ、お買い物をして街の人達にユッキィの家の様子を聞きつつ、マキシマの街を出ました。
街の人達に聞いて分かったのは・・・
2年ほど前から女性2人が屋敷の敷地内をうろついている。
時々そのうちの一人が街に買い出しに来る、お金をあまり持っていないようで山や森で狩った魔物をハンターギルドや魔物の素材を扱う店に持ち込みそれを換金して食料を買って帰っている。
ハンター達がその家は魔女様の家で立ち入り禁止だと伝えたが女性の一人が非常に攻撃的で、しかも強いので次第に放置するようになった・・・。
「(どう思う、ユッキィ)」
「まぁ、強いと言っても金級のハンターほどじゃないだろう、油断はしないつもりだが・・・」
「(どこから来て、何でユッキィの家に住んでるんだろうね)」
「分からん、誰もまともに話してないからな、ハンター達だって無関係の事件に首を突っ込んで怪我でもしたら割に合わない、だから攻撃されたら適当にあしらって退散していたようだ」
緩やかな登り道の向こうにサウスウッドの大森林、奥には険しい山脈、この山脈を中心にして両方の裾野に大森林が広がっています。
山脈の反対側には超大国ローゼリア王国があり、大森林や山脈が無ければローゼリア王国とオースター帝国はもっと活発に交流できていただろうと言われています。
道が次第に険しくなり小高い山が見えました、この先にユッキィのお家があるのですが・・・。
「(道は広くて馬車が通れそうだけど、木が茂って不気味・・・それに谷が深いし、底の方は川が流れてる、落ちたら大変だね)」
「私が初めてこの土地に来た時はこの辺りまで木こりや猟師の住む民家があったし、道も荒れてなかった、魔物が大森林から頻繁に出て来るから若い人達が嫌ってマキシマの街に移住したのだ、それで人口が減って魔物に対処しきれなくなり・・・という悪循環だな、私の家はマキシマの街を治める領主の別荘だった、道が広いのは領主が別荘に行く馬車を通す為だ」
「(何でそれが下級貴族の家になったの?)」
「騎士の地位に居た領主に後継が居なくてな、老いを感じるようになり国に頼んで新しい領主に来てもらった、引退して老後をのんびり過ごす為に別荘に住居を移したんだ、国からは街を魔物から守り続けた偉業が認められて騎士や領主より上の地位である下級貴族の爵位が与えられた、この地域の英雄であり下級貴族、バーガー家の誕生だ」
「(・・・)」
「私の恩人・・・義理の両親は今の金級のハンターくらい強かったから魔物だらけの土地でも余裕で暮らしてたよ、それにあそこは屋敷の裏が崖になっていて魔物を街に向かわせないための砦にもなっている、引退しても私の両親は街を守り続けていたのだ」
「(そうなんだ・・・)」
「だからあの屋敷は私の大切な家で義理の両親と過ごした思い出の場所だ、他の誰かが気軽に住んでいい場所じゃない・・・最後の方は修繕が追いつかなくて結構荒れていたが掃除はきちんとしていたのだぞ・・・シシリィが」
「(シシリィさん・・・)」
「この門の先が我が家だ、ようこそレイア!」
「(わぁ・・・)」
「心配していたが倒壊はしてないな、壁中に蔦が茂っているが刈って整えたらいい感じになるだろう、さて中に入ろうか」
ギャァ・・・ギャァ・・・ギャァ・・・
ホー・・・ホー・・・
キシャァ!・・・ギェ・・・ギェ・・・ギェ・・・
グルルルル・・・
「(・・・ゴーストが住んでそうな屋敷だね、何かがいっぱい鳴いてるし)」
「そうか?、この辺が庭の真ん中であの辺りが噴水だった、今は草が背丈よりも伸びて酷い状態だが頻繁にシシリィが草刈りしていたから昔は綺麗だったのだぞ」
「(シシリィさぁぁん!)」
「むっ・・・殺気・・・双剣抜刀!」
シュッ・・・キィン・・・
「人の家に勝手に入った上に攻撃して来るとは失礼な奴だな」
「・・・」
「(わぁ、ユッキィすごい・・・後ろから斬りかかられたのに余裕で受けて相手の剣を二つに斬った・・・)」
どん!
「(げふぅ!、痛い!、痛いよユッキィ、倒れた女の人に思いっきりお腹蹴られたよ!、えふっ・・・げふっ!」
「斬!」
「ぐっ!」
「手加減はした、腕を斬り落とされなかっただけでも感謝しろ」
タタッ・・・
「逃げたか・・・」
「(ユッキィー、お腹痛い!、蹴られたの・・・ぐすっ・・・ひっく・・・痛いの・・・今はユッキィが操ってるからいいけど、私なら吐いてたの・・・わーん、痛いよぉ・・・)」
「打たれ弱いなレイア・・・そういえば痛みの耐性が無かったな、大丈夫か?」
「(あぅ・・・ひっく・・・痛いの・・・うぅ・・・お腹痛いの・・・)」
「屋敷の中に入ったか、さて追いかけるかな」
ギィ・・・
「おぉ、埃っぽいが中もそれほど荒れてないな」
とたとた・・・
「さっき仕掛けてきたのとは気配が違うな、もう一人の奴か」
コツ・・・コツ・・・
「隠れてないで出て来い!、人の家に無断で入るとはふざけた奴らだ、今なら出て行くだけで許してやらなくもないぞ」
「・・・」
「(返事が無いの)」
ギィ・・・
「出てきたか」
ポタポタ・・・
「出血が酷いな、街に行って手当した方がいいぞ」
「#$&+`¥@@」
「この大陸の言葉じゃないな・・・デボネア帝国語・・・」
「(ユッキィ、デボネア帝国語分かるの?)」
「あぁ、あの草野郎の腹に落ちてきた男の一人がデボネア帝国人でな、記憶と知識を吸い上げたからあの国の言葉は大丈夫だぞ」
「(私も少しは分かるの)」
「そうか・・・」
「おい!、デボネア帝国人か?」
「・・・言葉が・・・通じるのか・・・ありがたい」
「デボネア帝国人かと聞いている!」
「・・・そうだ」
「ここは私の家だ、8年間留守にしていた我が家にようやく戻ってきたと思ったらどこの誰だか分からん奴が勝手に住み着いている、それに何の冗談か知らんが襲って来た」
「・・・皇帝から逃げて・・・この国に密入国した、安心して住める場所を探してここまで来た」
「ここは魔物がよく出る、安心して住めないと思うが?、安全なのは国の南東側・・・都市部だろう、それにデボネアの皇帝は2年前に死んだぞ」
「・・・なん・・・だと・・・いつだ!」
「詳しい事は知らん、一介のハンターに政治の事を聞くな、街で死んだという話を聞いただけだ」
「そうか・・・」
「武器はもう持ってないか、無いなら止血だけでもしてやる、但し私は医者じゃないから応急処置だけだ、街に行って医者に手当してもらえ、放っておいたら二度と剣が持てなくなるぞ、金が無いなら貸してやる」
「(ユッキィ!、私のお金ぇ!)」
「頼む・・・」
「これでよし、血は止まったな、腕は両方斬ったから不便だろうが私を殺そうとしたんだ、それくらい我慢しろ」
「ありがとう・・・襲ってすまない」
「今日は安静にして休め、暮らしていたという事はどこかの部屋に寝床があるのだろう、だがここは私が両親と暮らした思い出のある大事な家だから勝手に住まれては困る、悪いが他をあたってくれ」
「カリン!、何をしているのです!、早くその子供を殺すのです!、私の命令が聞けないの?」
「・・・なんだあれは?、お前の連れか?」
「私が仕える主人だ・・・すまない、聞かなかったことにしてくれ」
「・・・大変だな・・・」
コクリ・・・
「地下室は開けてないだろうな」
「頑張って破ろうとしたがびくともしない、大掛かりな暗号と機械式の鍵で封鎖されていた」
「そうだろうな、今日から私はそこで生活するから地下の扉がある部屋へは絶対に近付くな、中にも入るな、私に干渉するな、街まで歩けるようになるまでは居てもいいができるだけ早く出て行け、いいな!・・・それから傷を医者に見せるなら金がいるだろう、これくらいあればいいか、ほら小金貨5枚だ」
「(あぁぁぁ!、だめぇ!、ユッキィ!、私のお金がぁ!、ユッキィぃぃ!、わあぁぁぁぁん!)」
「すまない、いつ返せるか分からないが・・・」
「(うぅ・・・ぐすっ・・・私の金貨ぁ・・・絶対あれ返しに来ないよぅ・・・、何であげちゃったの、あれがあれば肉串が何本も・・・)」
「仕方ないだろ、あのまま放っておいて傷口が腐ったらまずい、腕が腐り落ちるぞ」
「(そりゃ、可哀想だけど・・・知らない人だよ、それに私のお腹を蹴ったの)」
「まだその事を根に持ってるのか・・・」
「(だってぇ・・・)」
「ほら着いたぞ、この先が地下室だ、ここは厳重に封鎖してるから暗号を知らないと開けるのは無理だ、出発前に念の為と思って完全封鎖していて良かったぞ、この中を荒らされていたら私はあいつらに何をするか分からない・・・」
「(・・・そうなんだ)」
「これを・・・こうして・・・こうじゃ!」
ガコン・・・
ボコッ・・・
ガタン!・・・ゴゴゴ・・・
「(わぁ・・・壁の番号のところを押すと扉が左右に開いた・・・)」
「魔導灯は大丈夫かな、家の周辺の魔素を自動で吸収してるから多分大丈夫だろう、・・・点灯!」
ぱぁっ!
「(わぁ・・・お屋敷と違って真っ白な長い廊下、天井に魔導灯が沢山付いてるね、それに高そうな絨毯・・・)」
「お嬢様!、ダメです!、おやめ下さい!」
「うるさいな!、私に指示するなぁ!」
バン!
トタトタ・・・
「まぁ!、なんて綺麗で明るい廊下、地下にこんな素敵なお部屋があったなんて!、カリン!、私の荷物を持って来なさい!、ここに住むわ!、おいお前!、私を案内して!」
「なぁ・・・カリンとやら、私の警告が理解できなかったのか?、そんなに私のデボネア帝国語は下手だったのか?、それともここが地下だとは知らなかったのかな?、地下の扉がある部屋には絶対に近付くなと言った筈だが!」
「すまない、止められなかった」
「まぁいい、このうるさいのを持って消えろ、私が優しくしてるうちに!」
「わぁ、綺麗な絨毯ね、壁も汚れ一つないわ、・・・あぅ・・・何するの!、離しなさい!、ちっこいのに力強いわね!、離せ!」
ドン!・・・コロコロ・・・
「痛ぁい!、何するの!」
ガコン・・・
ゴゴゴ・・・
「待って、開けなさい!、開けろ・・・・あけ・・・・・・」
ガタン!
「ふぅ・・・入口扉封鎖完了、これであのうるさいのはこの中まで入って来れないぞ」
「(凄い人だったね、何がしたかったんだろう)」
「さぁ・・・」
真っ白な廊下を進むと扉があって、そこを開けると広いお部屋、ここにも部屋中を明るく照らす魔導灯が光っています。
中には高そうな絨毯とふかふかのソファ、お隣のお部屋はキッチンでその奥はお手洗いとシャワー、向かいの扉を開けて隣の部屋に入ると本がぎっしり詰まった書架・・・すごい・・・。
書架の隣にもお部屋が2つ、手前のお部屋にはベッドがあって一番奥のお部屋にある暗号で封鎖されたドアを開けると・・・。
「(わぁ・・・綺麗・・・大森林が見える展望台だぁ!、向こうには滝も見える、それに山脈も!)」
「流石にここは蔦が絡んで蜘蛛の巣が張ってるな・・・屋敷はこの崖の上に建っててな、地下は崖の岩盤をくり抜いて大森林側の壁面に出るように作ってる、部屋は最初の部屋の横にまだ3つほどあるが今は使ってない」
「(これは全部ユッキィと宿主さん達で作ったの?、岩をくり抜くのって大変だったんじゃ・・・)」
「岩は屋敷がここに建つ前から向こう側に貫通していたそうだ、私の義理の両親の・・・祖父の代だったかな、魔物から街を守る砦としてこの崖の岩をくり抜いて兵士の待機場所を作ったらしい、それがこの地下道と展望台だ、さて・・・中に入ろうか」
「(うん)」
「部屋の状態は・・・テーブルに薄く埃が積もってる程度か、8年間留守にしていた割には綺麗な状態だな、水道は・・・管の中の水が腐ってるかもしれないからしばらく出したままにしておこう」
「(微かに風が来てるね)」
「崖からの噴き上げの風を取り込んでるから空気が循環するんだ、カビも生えてないな、さすがローゼリアの空調技術だ、高かっただけの事はある、それに運ぶのが重くて大変だった・・・食料は4日分ほど買って来てるし、今日と明日は部屋の掃除をしようか」
「(あの人達はどうするの?)」
「3日間は放置だな、そのあとで街に食料を買いに行く時にも鬱陶しく絡んで来たらこちらにも考えがある、私はそんなに優しくないぞ」
「(うん、知ってるよ、あの人達もユッキィの正体を知らないとはいえ・・・早く逃げればいいのにな・・・)」
※ユッキィのお家はコロンビアにある廃墟だった頃のホテル・デル・サルト(Hotel del Salto)のイメージでお願いします。
Hotel del Salto で画像検索してね。
読んでいただきありがとうございます。
初小説です。
諸事情により恋愛要素はほとんどありません、女性は平たい胸の人しか出てきません、男性は筋肉モリモリマッチョマン多いです、パロディ要素あり、苦手な人は注意してくださいね。
趣味で空いた時間に書いている小説につき不定期投稿です、ストックがあるうちは頻繁に更新しますが、無くなれば週1投稿になる予定です。
面白いなって思ったら下のお星さまやいいねをポチリと押してもらえると作者が喜びます・・・。