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Side - 15 - 6 - わたしがしんだ -

注意!暴力的な表現があります

Side - 15 - 6 - わたしがしんだ -



「あたしから話すよ、ダーリンは・・・話すの辛そうだからね、でも理世、あんたが全部隠さず教えろって言ったから私もあの時のこと遠慮せずにそのまま話すけど、覚悟して聞きな、・・・あんたの気分が悪くなったらすぐに話すのやめるからね」


よほど私は凄惨な死に方をしたらしいですね。


「理世、あんたが出張帰りに降りた空港がテロリストに占拠されたんだ、でっかい空港が他にもあるのに何でこんな田舎の空港狙ったのかは分からん、ニュースで言ってるの聞いた限りじゃ田舎の小さい空港の方が警備が甘かったからって理由だろう」


あー、あの時喫茶店で時間潰さなきゃ私死んでなかったんだ、早く帰ってればよかったのです!。


「犯人は外国人で・・・日本人も2人くらいいたようだが、国際的なテロリストだったらしい、捕まってる同志を解放しろ、さもないと人質殺す、って要求だった、もう大騒ぎさ、どれも爆破テロや要人暗殺なんかで、確か指名は8人だったかな?そいつらの逃走資金、近くの空港まで送って完全に自由になるまで手を出すな、ついでに他にも同じような政治犯の釈放も要求してきた」


「で、こっちの人質は5人、多分捕まってる政治犯のいる国とまだ交渉もしてなかったんじゃないかな?、まぁ関係各国と連携取って救出に全力を尽くすって政治家のお偉いさん達はテレビで言ってたけどな」


あの時外に向かって走ってた人達はみんな逃げちゃったのですね、で、捕まった間抜けが5人っていう事なのですか、あの時急いで逃げてればよかったのです、お土産が無事かどうかなんか気にしてる場合じゃなかったのです!。


「犯人はすぐに捕まってる同志を解放しろ、全員解放されるまで30分ごとに人質の指やら耳やらを切り落とす、死んだら次の人質にも同じ事をする、脅しじゃない事を動画サイトに上げる、って連絡してきた」


あの男の人が私を指差して、「君に決めた!」ってやったのそういう事なのですか、それで私が不幸にも一番に選ばれた・・・と。


「で、理世が1番に選ばれて、・・・・テロリストの奴らも事前に準備してたんだろうな、お前が全裸で4人の男達に犯されて指を切り落とされるところが全世界中の動画サイトにアップされた」


「・・・・・ひっ」


「流石に動画サイト側も拡散されたやつ片っ端から消して回ってくれたよ、でもああいうのって消すと増えるんだ、分かるよな」


「・・・分かるのです・・・・うぅ・・・ぐすっ・・・」


「それを見た警察・・・もっと上か、・・・国も慌て出した、特殊部隊が呼ばれて強行突入した、犯人は全員身柄確保か射殺、テロリストは全部で18人くらいいたらしい」


「だが犯人と交渉しつつ、空港の中に突入して人質解放するまで8時間かかった、それでも想定より早く解決できたそうだ、理世以外の人質は全員無事に救出された」


「現場から救出された理世は・・・右手の指が全部無くなって両目が潰されてた、左腕と右足も切断されてたり、銃で何発も撃ち抜かれたりでな、皮一枚くらいでくっついてる状態だった、切る前に止血はしてたみたいだが出血も凄くて、救出された時にはまだ息はあったが病院に運ばれた後しばらくして息を引き取った」


「あたし達家族は救出されたって言う連絡受けてすぐに運ばれた病院に駆け付けたが、息を引き取る直前だったよ、理世を運んでくれた救急隊の人が聞いたお前の最後の言葉は、「痛いよぅ、お父さん助けて」だったそうだ」


「むかつくのがマスコミだ、流石に全裸の場面は流さなかったが理世が泣きながら「嫌だ、撮らないで」って言ってるところはテレビで何度見たか分からない、うちらが流さないでくれってお願いしてるのにだ!、世界中のニュースで流れた、そのニュースの動画は再生回数が軽く億超えたらしい、さぞかし儲かっただろうよ」


「・・・・うぅ・・・・ひっく・・・・うぇぇぇ・・・・・、恥ずかしいよぅ、何で理世だったの?、他に4人もいたのに・・・・何で・・・」


「あぁ、人質になってた4人の家族も2組葬式に来たな、片方の家族はちゃんとしてたが、残りの一家族がクズでな!、なんて言ったと思う?、「あなたの娘さんが長い時間死なずに頑張ってくれたおかげで娘が助かった、ありがとう」だとよ!」


「温厚な龍之介がブチ切れかけてたわ、あいつのバンド結構有名だからマスコミが撮影しててな、「インディーズで活躍する人気バンド、ケイオスDGのボーカルの姉が被害者!」だからいい映像が撮れる思ったんだろう、それが放送されて大炎上、その家族は世間様から袋叩きにされてた、ざまぁみろ、この件だけはマスコミに感謝しなきゃな」


「そういえばお前の小中学校時代の友人?やクラスメイトが顔にモザイクかけられてインタビュー受けてたぞ、理世の事聞かれても、さぁ・・・とか、目立たない子でしたね・・・とか、もう誰に聞いても目立たない子、地味な子、あまり付き合いがない、友人は一人もいなかったんじゃないか、とか、散々なこと言ってたな、誰も泣いてなかったし、葬式に来たのも会社の人だけだった、お前ほんとに友達居なかったのな!」


酷いのです!、お友達は確かに居なかったけど、こんなの日本中に公表する事じゃないのです!、こっちに生身で戻れるようになったら誰が何言ったか全部調べてそいつら私の心のデスノートに名前を刻んでやるのです。


学生時代から恨みを刻み続けてるからもう百科事典くらいの厚さになってるのです!。


・・・それにしても私は全世界に向けて全裸出血大サービスなものを披露して、それが拡散されて世界中の青少年達の夜のおかずになってしまったのですね、顔も、名前も、友達や彼氏がいないのも、24歳になるのに処女だったのも全部世界中にバレたのです!。


絶対どこかの誰かが私の裸を見て、何だよこの貧乳って笑ってるのです、動画サイトにどうせなら巨乳の子が良かったって書き込まれてる筈なのです!、絶対!絶対!許さないのです!。


こっちの家族の前で言えないけど死んでてよかったのです!、こんなのもう恥ずかしくて生きていけないのです!、嫌なのです、目がつぶされてたらアニメ見れないし、指がなかったらゲームができないのです!、あんなにギターの練習頑張ったのに全部無駄になったのです!。


田中理世はあの時、物理的にも社会的にも死んだのです、これからはリーゼロッテとして楽しく生きてやるのです!、引きこもってお家でぬくぬくと娯楽に浸るのです!、今の私はその為のお金も権力もあるのです!。

読んでいただきありがとうございます。


初小説です。


諸事情により恋愛要素全くありません、女性は平たい胸の人しか出てきません、男性は筋肉モリモリマッチョマン多いです、パロディ要素あり、苦手な人は注意してくださいね。


趣味で空いた時間に書いている小説につき不定期投稿です、ストックがあるうちは頻繁に更新しますが、無くなれば週1〜月1投稿になる予定です。

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