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Side - 15 - 5 - おてつだいをようきゅうするのです -

Side - 15 - 5 - おてつだいをようきゅうするのです -


こんにちは田中太郎と申します。


この世に未練(ナヒー○ちゃん)を残して死んだ娘がゴスロリ娘に生まれ変わって魔法陣から出て来たでござる。


ナ○ーダちゃんは無事に70連目でお迎え出来て、2凸して武器ガチャで完全勝利した娘は今幸せそうにネットフリフリで拙者が今季の覇権と評価したアニメを見ているでござる。


疲れたので詳しい話は明日にしてみんな今日は寝ようという事になったでござるが、拙者心配なのでござる。


この世に未練を残して死んだ娘がナ○ーダちゃんをお迎えするという目的を達成したら、また拙者達の前から消えるんじゃないかって。


よくアニメでもあるのでござる、これから幸せに暮らすと見せかけて視聴者を泣かせるためにキラキラのエフェクトと一緒に「みんなありがとう、これでさよならだよ」って消えちゃう演出が!。


そう思って娘に遠回しに聞いたのでござるが。


「何言ってるの、まだナヒー○ちゃん育ててないのに、まだまだ道は遠いんだよ」


って言われたでござる。


それでも心配な拙者は今日は娘がアニメを見ている仏壇の前に布団を持って来て一緒にアニメを見ているのでござる。


娘は魔法陣の上に寝転がって、お菓子を齧りながら時折、「お父さん終わったよ、エンディング飛ばして次お願いね」などとアニメファンにあるまじき事を言っているのでござるが、そのお菓子、理世たんが今住んでる所のでござるか?。


「理世たん」


「なに?、お父さん」


「向こうで辛かったり寂しい思いはしてないでござるか?」


「今のお父様もお母様も優しくて大事にしてくれるよ、いつも「リゼたん」「リゼたん」って誰かさんみたいにね」


アニメや小説では両親に虐げられたり、義理の母親や義妹にいじめられる話があって心配していたのでござるが、優しい両親でよかったでござるな。


「理世たん」


「なに?、お父さん」


「その顔の傷、痛そうでござるがどうしたのかな」


「刺客に襲われた王女殿下を助けた時に斬られたの、おかげで死にかけたのです!」


・・・理世たんの住んでいる世界は刺客がヒャッハー!する修羅の国か何かでござるのかな?。


「理世たん」


「なに?、お父さん」


「こっちに身体を転移させて拙者達が理世たんに触れられるようには出来ないのでござるかな」


「できるよ、ちょっと実験しなきゃだけど、それも含めて明日お父さん達と相談したいのです」


・・・できるんかい!、って思わずツッコミを入れたでござる。


「理世たん」


「あ、ちょっと今いい所だから黙っててもらえるかな」


「・・・はい」


「ふふふ・・・」


「どうしたでござるか?」


「やっぱりお父さんとアニメ見るの楽しいな」


娘と話しているうちに拙者いつの間にか眠ってしまっていたでござる。


「理世たん?」


朝になって慌てて魔法陣を見ると・・・娘が爆睡していたでござる。


「心配して損したでござるかな」


翌日、家族が集まったでござる。


事件が事件だったので拙者も息子もまだ会社は休んでる・・・っていうか今の時点で会社に行ったらまたマスコミに追いかけ回されるから会社からもしばらく休めって言われているでござる。


「じゃあ私から先に、ちょっと長くなるけど今の私について説明するね、色々と聞きたい事はあるだろうけど質問は私の話を全部聞いた後にしてほしい、私の方は隠す事なんて何も無いし、みんなに隠し事はしたくないから最初から最後まで全部話すけど、できればみんなも私が死んだ時の事、死んだ後の事を隠さずに話して欲しいな」


理世たんが死んだ時の事を話さないといけないでござるか?、それはきついでござるな、理世たんが傷付かなければいいのでござるが・・・。


「まず私は死にました、そこに私の遺影もあるし、・・・っていうか自分の遺影を見るって貴重な体験だよね」


「気付いたら前世の記憶を持ってある家の娘として生まれていたの、月なんて大きいのが2つあって、中世ヨーロッパとスチームパンクが混ざったような見るからに異世界!、って場所に・・・」


「そこは魔法のある世界でね、魔法使いに憧れてた幼い頃の私は魔力を増やしてチートな能力を手に入れようって考えて、毎日魔力を増やす鍛錬をしてたの、参考にしたのは理世だった頃に読んでた異世界小説ね、魔力切れまで魔力を使って一晩寝たら少しだけ増えてるってやつ、お父さんも読んだ事あるでしょ」


「そのやり方が間違ってたみたいで・・・結果、魔力量がバカみたいに増えました」


わぁ・・・


「魔力量が多い人ほど成長が遅くて寿命も長いんだけど、私くらい多い人ってほとんど居ないの、向こうの両親が私の成長が遅いから心配して調べたら・・・少なくとも私、800歳くらいまで生きると思う、成長も10年で1歳成長するかしないか、みたいな?、それで15歳の筈の私がこんな子供の見た目なわけ」


うわぁ・・・


「私の将来を心配した両親が8歳の時に魔法の師匠を紹介してくれたの、私は博士って呼んでるんだけど、その博士って人が変人だけど凄い人で、空間転移魔法と時空転移魔法の研究してたの、その時は誰もそんな夢みたいな魔法が実用化できると思ってなくて、周りからバカにされてたみたいだけど・・・」


「私が弟子入りしてからも研究と実験を繰り返して7年・・・遂にこの間、空間転移魔法陣と時空転移魔法陣が完成したの!、完成した時には博士と2人で抱き合って泣いちゃった」


「空間転移魔法は術者本人が行った事がある場所にしか転移できないんだけど、逆に言えば行った事がある場所だったら日本にも行けるようだって実験をやってるうちに分かってね、それと空間転移した後で更に時空転移魔法を使う事によって私が死んだすぐ後にも転移できるだろうってなったの」


「でもね、私の住んでいる世界からいきなり日本に転移するのは危険だって博士が言い出してね、確かに日本と私の住んでる世界で環境が違ってたり、未知の病原菌が!、ってなったら大惨事だもんね、あと、理世が死ぬ前に戻って忠告するのも絶対にダメだって、歴史が無茶苦茶になって何が起きるか分からないらしいの」


「で、とりあえず先に私の姿をみんなに見てもらって実証試験に協力してもらおうって事になったの!」


「空間転移魔法陣に私の姿を投影したり周りの景色や音を私が受信でる魔法陣を乗っけて15年後・・・日本では15年後なのか分かんないけど、時間軸を全くいじらないで田中家の座敷に転移させて様子を見たの、でも15年後の田中家って廃墟になってて、慌てて今度は時空転移魔法陣に乗っけて私が死んだ10日後に転移させたんだよ」


15年後の我が家が廃墟でござるか・・・いやそれ大変な事ではござらんか?。


「それで、私の身体がこっちに転移しても大丈夫だって実証する為に少しみんなに実験に付き合ってもらいたいんだ」


「何も問題無いでござる、理世たんをまた抱き締めることが出来るなら拙者何でもするでござるよ」


「ん?、今何でもって言ったね、・・・博士が予想した感じだと私の居る世界と日本ではそんなに環境に差が無いんじゃないかって事になってるの、私の知る日本の気候や雲や水の様子、空気があって物が燃えたりっていうのを細かく博士に説明してそれと同じ現象をこっちで起こして慎重に実験した結果ね」


「それに昨日お父さんが眠った後に博士と協力して15年後の日本に実証用の無機物サンプル送って田中家の周辺が無事か確認してみたの、家は廃墟だったし15年後そこにはみんな居ないの分かってたから周辺が滅びてもまぁいいかなって、・・・結果は大成功、サンプルは15年後の日本に転移させても大丈夫でした!」


「心配しないで、できるだけ日本に被害が出ないように博士の知り合いの聖女様に高い報酬払って20回も浄化の重ね掛けしてもらったからサンプルには細菌やゴミは一つも付いてないよ」


いや間違って滅んでたら洒落にならないでござる!。


「お父さん達にお願いしたいのは、私の世界から今度は水や空気が入ったサンプル容器を送ろうと思うの、その場所の確保かな、できるだけ人目が無くてこのお家や都市部からも離れてて、私が行った事がある場所の近く」


「もちろん聖女様には浄化を頑張ってもらう予定だよ、無機物サンプルの時も博士と押しかけて寝てるところを叩き起こしたから泣いてたけどまたお金の力で張り倒して無理にでもやってもらうから」


「私こう見えて凄く稼いでるから大丈夫だよ、それで水質検査や環境検査を専門にやってる会社にそのサンプルの検査を依頼して欲しいの、理由は適当でいいけど「もしかするとやばい水かもしれない!」とか言って誤魔化して」


え・・・拙者が誤魔化すのでござるか・・・。


「地球の水や空気と同じかどうしても知りたいの、こっちの国には水や空気を調べる方法が無いんだよ、日本だったらある程度成分の分析ができるでしょ、水や空気が地球と同じ組成かどうかは正直言うと賭けだね」


「もし地球に存在しないやつで「あの水は何だ!」ってやかましく保健所や国が言ってきたら適当に誤魔化しておいて、たとえば「俺が寝ていたら宇宙からの声を受信して、あの場所に置いてある水がやばいかもしれないから調べるのだーってお告げがあった」とか」


拙者が危ない人になるではござらんか!。


「本当にすっごい面倒だよね、小説で異世界と日本を簡単に行き来してるのあったから私も軽く考えてたんだよ、そしたら博士が「そんな都合のいい事があってたまるかぁ!」だって」


拙者が頭を抱えていると妻が娘に質問したでござる。


「理世、お前の顔の傷、どうしたんだ、すげー痛そうだけど大丈夫なん?」


「昨日お父さんには言ったんだけどね、刺客に襲われた王女殿下を助けた時に斬られたの、でもリィンちゃん・・・第一王女殿下は私にとって初めてできたお友達なんだぁ、だから一緒にお茶してた時に刺客がリィンちゃんに襲いかかったのを見たら無意識に体が動いて庇っちゃったの」


「国王陛下からもお礼を言われちゃった、爵位やるから受け取ってくれってね、でも爵位なんて私には面倒なだけだったから断ったの、そしたら爵位はお父様に預けるから欲しくなったら遠慮なくもらえ、代わりにお金をいっぱいやるから遊んで暮らせ、って王様のプライベートなお財布からお屋敷が買えるくらいのお金をもらっちゃった」


「そのお金を商会に投資して大成功!、10倍に増えてまだまだ増えてるの!、博士と研究所で作った特許や魔道具の収入もあるし今の私は超!超!お金持ちなの、しかも国の筆頭貴族のご令嬢!、あ、そうだ!向こうの金貨が地球の金と同じだって分かったらお母さんにも金貨いっぱいあげるね」


「死んだ娘がゴスロリ大富豪になって帰ってきた件・・・」


そこまでは聞いてなかったでござるな・・・。


「それじゃ理世の将来は安泰ってわけだ、孫の顔を見られる日もあるかな」


「その事なんだけど、私、死んだ時のトラウマで若い男性が死ぬほど怖いの、結婚は絶対に無理、それと理世だった時の私は女の子の日がとても重くて辛かったの、魔力量が増えたって分かった時、もっと魔力を増やして不老不死になっちゃえーって、そしたら今はまだ女の子の日が来る身体になってないからこのままなら楽だなーって思ったの、だから私は子供は産めないの、ごめんなさい」


「まぁ、あんな殺され方したんじゃ無理ないか、いや別に怒ってないぞ、どんな姿でも理世はあたしの可愛い娘だよ」


「で、次は私から質問なのです、私の殺された時のことについて」


ついに来たでござるか!。

読んでいただきありがとうございます。


初小説です。


諸事情により恋愛要素全くありません、女性は平たい胸の人しか出てきません、男性は筋肉モリモリマッチョマン多いです、パロディ要素あり、苦手な人は注意してくださいね。


趣味で空いた時間に書いている小説につき不定期投稿です、ストックがあるうちは頻繁に更新しますが、無くなれば週1〜月1投稿になる予定です。

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