Side - 05 - 1 - せら -(挿絵あり)
(柚亜紫翼からのお知らせ)
短編を投稿したのにほとんど誰にも読まれなかった(泣)セラさんのお話を本編で連載する事にしました。
リーゼロッテさんが5〜7歳の時、ミラージュ大陸にあるセドリック帝国でのお話になります。
将来的にはリーゼロッテさんやレイアさん達との絡みもあります。
全部で20話くらいを予定していますが他のお話と同様のんびりまったり不定期更新ですので続きは気長にお待ちください。
Side - 05 - 1 - せら -
地球は青かった・・・いや、足元に見える惑星は僕の知っている地球ではない、生まれてから10年間暮らしていた帝国のある・・・名前も知らない惑星はとても青くて綺麗だった。
「わあぁぁん・・・怖いよぉ」
僕の隣で涙と鼻水を垂れ流して泣いているメイド服を着た美少女はミリンダさん、没落した下級貴族のお嬢様で14歳、僕の意地悪な先輩で教育係。
僕達は朝お屋敷の外で掃除をしていたら宇宙人に誘拐されたのだ。
僕の名前はセラ、ミリンダさんと同じ屋敷で働くメイド兼ご主人様の玩具、薄茶色の髪に灰色の瞳、顔は自分で言うのもアレだけど結構可愛いと思う。
貧しい平民の家に生まれた僕は9歳の時に貴族に売られてしまった、広いお屋敷に住むお金持ちのご主人様は小さな女の子を孤児院から引き取ったりお金で買ったり、・・・幼女を集めているロリコンさんだ。
ご主人様は集めた幼女が逃げないように魔法で縛っている、僕の左手に刻まれた契約の印、この印がある限りご主人様に居場所が分かるのだ、僕達が空のはるか上に居る事に気付いたご主人様はどんな顔をするだろう。
あの屋敷に居てもご主人様の好みの年齢・・・12歳になったら僕は他の皆と同じように処女を奪われ身体を汚されてしまうだろう、宇宙人に拐われた方がマシ・・・かといえばそれはまた別の話なのだけど。
「あーあ、魔法のある異世界に転生したのにこんな人生・・・酷過ぎるよ」
透明な丸いカプセルに包まれて僕達は空高く昇っている、周りは真っ暗で星が綺麗、足元には先ほどより小さくなった青い惑星があって、上を見ると予想通り、宇宙船が見えた。
「きゅぅ・・・」
しょわしょわぁ・・・
ほかほかぁ・・・
ちょっと待って!、ミリンダさんが僕の隣でお漏らしをして気絶しちゃった!
がこん!
宇宙船の下が小さく開いて僕達は中に収容された、それからプレデターのような醜い宇宙人に全裸に剥かれた後、謎の液体にドボン!。
溺れて死んじゃうかと思ったよ!。
液体から引き上げられた僕達は別の部屋に連れて行かれて・・・身体の隅から隅まで観察された!。
「ぐすっ・・・ひっく・・・」
たくさん注射を打たれて変なものを無理に飲まされたけどようやく検査が終わって別の部屋に入ると・・・そこには泣いているミリンダさんが居た。
かわいそうとか慰めてあげようとは思わない、だって彼女は皆に隠れて僕を殴ったり蹴ったりしていたから・・・今は流石に僕の事を気にしている余裕は無いようだ。
天井全体が淡く光る真っ白い部屋、そこに置かれたシーツも何も無いベッドが2つ、これに全裸のままで寝るのは少し抵抗があるよね・・・。
「ねぇ・・・ミリンダさん・・・」
「・・・うるさい話しかけるな!」
怒られちゃった。
さて、僕達はこれからどうなるのかな、人体実験の材料、備蓄食料、卵を産みつける苗床・・・前世で読んでいたSF小説ならこんな感じかな、チップか何かを身体に埋め込まれて元居た場所に戻されるかもしれないな、それだとまたご主人様の玩具に後戻り・・・。
別にご主人様が極悪人だとは思わない・・・ロリコンなだけで。
ご主人様が僕たち幼女を性的に弄ぶのは12歳から15歳までの3年間、随分と守備範囲の狭いロリコンさんだ。
12歳になるまで文字の読み書き計算、メイドとしての立ち居振る舞いと仕事を教え込まれる、綺麗なお部屋とベッドが用意されていて食事も1日3回とても美味しい料理を食べさせてもらえるのだ。
ご主人様への「奉仕」が終わる15歳になると皆は魔法契約から解放され他の貴族の屋敷に紹介状を持って送り出される、その後の生活は個人の自由だ、紹介された貴族の家を辞めてもいいが給料がとても良いので誰も辞めないらしい。
優秀で容姿端麗なメイドが多いと評判の我が屋敷は上級貴族家からとても人気がある、中には当主や子息から寵愛を受けたり、メイド長にまで出世した人も居るのだとか。
実際僕の周りの同僚は全員美少女だ、ご主人様の審美眼は大したものだと思う、ロリコンにしておくには惜しい人材だね。
ご主人様がロリコンで見た目が豚さんのように肥え太っている事を除けば職場としては悪く無い・・・むしろ良い職場と言えるのかもしれない。
僕の住んでいるセドリック帝国はとにかく治安が悪い、街には浮浪者が溢れ犯罪などは日常茶飯事だ、そんな所に住む貧しい平民娘の将来など容易に想像できるだろう。
ぷしゅー
「ひぃぃ!」
ミリンダさんの悲鳴で目が覚めた、どうやら僕は眠っていたらしい。
「プレデターの次はエイリアンかぁ・・・最悪」
部屋の扉が開いて宇宙人が入って来た、これまで僕を調べていたプレデターとは違う種族のようだ、昔映画で観たエイリアンっぽい、・・・苗床にされる未来が頭にうっすらと浮かび僕は激しく頭を振った。
がしっ!・・・
「いやぁぁぁ!、離してぇぇぇ!」
ミリンダさんはエイリアンに腕を掴まれ半狂乱だ、僕を指差しあれを先に連れて行けと叫んでる、見た目は美少女なのに中身は本当にクズだ・・・。
「わぁぁん!、嫌だぁぁ!」
じたばた・・・
僕は連れて行かれるミリンダさんに小さく手を振った。
ミリンダさんが連れて行かれてどのくらい経ったかな・・・僕は全裸でベットに仰向けになっている、うん、もう今の人生は諦めた、死んじゃっても良いからせめて痛くされないよう祈ろう。
僕・・・いや、私の前世は日本に住む男性だった。
名前は瀬良大樹、21歳でシステムエンジニアとして地元企業に入社しその後独立して会社を立ち上げた。
まだパソコンが世に普及し始めた時代・・・仲間と共に会社を大きくしつつ微力ながらインターネットの発展に貢献した・・・そして56歳の時に不慮の事故で死んだのだ、色々あったが充実した人生だった。
つまりここに居る幼女の中身は56歳のおっさんだ。
身体の影響なのか時折幼い言動をしてしまうが人格の大半を占めているのは瀬良大樹という男だ、だからご主人様の屋敷に初めて連れて来られた夜、全裸に剥かれて身体中を舐め回されたのはトラウマとなってまだ僕の心に大きな傷を残している。
ぷしゅー
扉が開いた、この部屋の扉は宇宙船によくある中央から開き横にスライドするタイプだ、先ほどのエイリアンが私を連れに来たのだろう、あいつの手は体液でネトネトしていたから気持ち悪い・・・触られる前に自分から出ていこう・・・そう思って立ち上がると・・・。
目の前にはグレイがいた。
僕と同じくらいの身長、大きな頭と黒くて大きな目、弱そうだ・・・もしかして戦ったら勝てるかな・・・一瞬そう思ったのだけど・・・こいつの背後には凶暴なプレデターとエイリアンがついている、怒らせるのはまずいかもしれない・・・。
僕は素直にグレイさんに促されるまま部屋を出た。
グレイさんの案内で宇宙船の廊下を歩く、僕の居た部屋の近くは銀色の金属っぽい壁だったのに奥に進むにつれて次第にH・Rギーガーがデザインしたような触手がぬらぬらと絡みついた禍々しい内装に変化した。
あー、これは苗床確定かな・・・そう覚悟を決めていると気持ちの悪い扉の前でグレイさんが立ち止まった。
ゔぃぃぃぃん・・・
扉の開閉音まで気持ち悪いよ!。
隣に居るグレイさんがこの中に入れと手を引っ張る、どうしても入らないとダメなの?、嫌なんだけど!。
ゔぃぃぃぃん・・・ぶしゅぅぅぅぅ・・・・
嫌々ながらも部屋に入ると入口の扉が閉じた・・・僕の勘が正しければ二度と生きてここから出られないような気がするよ・・・。
やたらと天井が高くて広い部屋の中も廊下と同様禍々しいし蒸し暑い、それに血と鉄錆のような匂いが漂っている・・・もうこの時点で嫌な予感しかしない!。
目の前には薄明かりに照らされた透明な繭のようなものが沢山あった、天井から触手が何本も垂れて繭の中に入ってる、一番手前の繭からは赤い血のようなものが垂れて呻き声がするね、近付いて中を覗くと・・・。
「うん、知ってた・・・」
なんとなくそうじゃないかなーって思ってた、でも実際に見たら怖くて足が震えた、宇宙船に連れて来られてからは比較的冷静でいようと頑張ったけどこれはダメだ、もう限界・・・。
「うぷっ・・・おぇぇぇ」
僕は吐いた、血や体液で元から濡れていた床には先ほど無理に飲まされた緑色の液体が垂れ落ちた。
繭の中には予想通り、ミリンダさんが居た、両肘から先、そして両膝から先が無い、引きちぎられて繭の外に落ちている、元々手足が付いていた傷口には気持ちの悪い触手が貼り付いてミリンダさんの身体と同化しようとしている。
両腕、両足を広げられて口や鼻、お尻・・・身体中の全部の穴に太い触手が挿入されてる、もちろん目玉も抉られて眼窩の中には触手が・・・。
身体の中央には胸からおへそにかけて鋭利な刃物で裂かれた傷、その傷の中にも触手が何本も入ってた・・・多分これから死ぬまでこの繭の中で生かされ続けるのだろう。
「い・・・嫌ぁ!、こんなの嫌だ!、誰か助けて!」
僕は入口の扉に走り外に逃げ出そうとしたけど開かない、後ろからグレイさんが近付いて僕の肩を掴んだ、ものすごい力だ。
「嫌だ、離して!、嫌だぁぁ!」
暴れる僕の身体を軽々と抱えたグレイさんはミリンダさんの隣にある空いた繭の中に僕を押し込んだ。
繭の中から触手が出てきて僕の首や手足に絡みつく・・・もうダメだ、僕もミリンダさんみたいに・・・。
「ぎゃぁぁ!、痛い痛い!、痛いよぉ!」
手足に激痛が走り触手の先端が目に突き刺さったところで僕は意識を失った・・・。
そわそわ・・・
「あの、ご主人・・・じゃなくて先生・・・どうでしょうか?」
「・・・うん、全問正解、よく頑張りましたねレフィーアさん、この成績なら学園に入学する事も可能でしょう」
「わーい!、先生が教えてくれたおかげです、私頑張るからね」
「はいはい、今日は遅くなりましたね、お風呂に入ってゆっくりお休みなさい・・・あ、そうだ、これはご褒美です、お夜食にどうぞ」
「あ、肉入りパンだぁ・・・でも太っちゃうかも」
「あなたは成長期なのですから大丈夫ですよ」
「あの・・・先生・・・ご主人様、顔色が悪いようですけど大丈夫ですか?、昨日は遅くまでセラちゃんとミリンダちゃんを探してましたよね」
「心配してくれてありがとうございます・・・昨日の朝にはこのお屋敷の遥か上空に反応があったのですが・・・しばらくすると契約紋を辿っても居場所が分からなくなってしまいました・・・まるで鳥にでも攫われたように・・・」
フルフル・・・
「わぁ・・・泣かないで下さい、あの子達の事だからお腹が空いたら帰って来ますよ!」
「そうでしょうか・・・」
「メイド組はもちろん私達進学組も皆で手分けして探してますから・・・」
「えぇ、心配してくれてありがとうございます・・・でも、この街の外・・・危ない場所には絶対に行かないで下さいね」
「はい・・・では失礼します・・・ご主人様、お願いだから少しは寝てくださいね・・・」
「・・・」
バタン・・・
・・・
「2人とも・・・どこに行ってしまったのでしょう?、どうか無事でいてください」
私の名前はウォルフガング・ダークシュナイダー、セドリック帝国の貴族です。
昨日の朝、私のお屋敷で働いているメイドの子が2人、突然いなくなったのです・・・。
世界地図(Cedric帝国)
セラさん
読んでいただきありがとうございます。
初小説です。
諸事情により恋愛要素はほとんどありません、女性は平たい胸の人しか出てきません、男性は筋肉モリモリマッチョマン多いです、パロディ要素あり、苦手な人は注意してくださいね。
趣味で空いた時間に書いている小説につき不定期投稿です、ストックがあるうちは頻繁に更新しますが、無くなれば週1投稿になる予定です。
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