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Side - 15 - 82 - とあるよるのかいわ ご -

Side - 15 - 82 - とあるよるのかいわ ご -



「もう10日になるがまだ見つからないのか?」


「外部に協力者が残っているようでな、騎士団が探しているのだが・・・」


「・・・どこに隠れてるんだろうな、ドワルスキー家の2人は・・・それなりに警備は厳重だっただろう、何故逃げられたんだ?」


「娘の方はいつも窓際で外を眺めていたらしい、窓越しに外へ何かの合図を送っていたようだ、夜中に窓から入れられた鉄を切る魔導具で鉄格子を切断して逃亡した」


「父親の方は?」


「父親は体調不良を装い、部屋に入ってきた騎士に毒を吹きかけその隙に逃げた、毒は歯に仕込んでいたものを水に溶かして使ったらしい、幸い騎士の命に別状は無かったが・・・、どうやって連絡したのか分からんが父娘同じ時刻に行動を起こされた」


「協力者はそれほど多く無いようだからすぐに何かやらかす事はないだろう、だが10年、20年後には分からんぞ・・・」


「早く処刑をしておくべきだった・・・報復の可能性もあるからお前の家族の警備を強化してくれないか」


「2人が逃亡したって知らせが来てから蛇に娘の周辺を警戒するように頼んだ、日本に行っている息子にはもうしばらく向こうに滞在してもらうつもりだ、それから・・・偶然だと思うが娘から家族全員にこれを渡された」


「何だそれ・・・腕輪か?」


「あぁ、よく分からんが受けた物理攻撃や魔法攻撃、毒を無効化するらしい」


「それなら俺も貰ったぞ、指輪だがな・・・お前はあの時部屋を出ていたから知らないだろうがラングレー王国に転移する前に渡された、戻ったら返せって言われたが欲しかったからお願いしたらくれた」


「先生・・・ドック氏にしか作れないと聞いていたが、リゼたんは凄いな、量産に成功したのか・・・」


「・・・お前は聞いてないのか、これの本当の仕掛け」


「何か知ってるのか?」


「あぁ、最初は私も知らなくてな、剣で腕を刺しても大丈夫だったから面白がってリィンたん・・・娘の前でやっていたら怒られた、二度とそんな事はするなってな」


「やるとまずい事でもあるのか?」


「娘はドック氏に聞いたようだが・・・これは付けている人間が受けた痛みや傷をリゼちゃんが肩代わりするようになってる、リゼちゃんにはドック氏の腕輪があるから影響は無いがな」


「なん・・・だと、リゼたんはそんな事一言も言ってなかったぞ」


「言えばお前達家族は絶対に受け取らないし付けないだろ、だから黙ってたんじゃないかな、リゼちゃんは本当に優しい子だ」


「・・・」


「おっと、リゼちゃんにそれを返すなよ、知らないふりをして付けておけ、リゼちゃんが魔力切れの時に致命傷を受けなければ何も問題は無い、それに致命傷でもリゼちゃんに行く痛みは全身に分散されるから泣き叫ぶ程度で死ぬ事は無いらしい、本当に上手く出来てる」


「護衛が要らなくなると思っていたんだが・・・」


「私も普段は影が付いてるし護衛も居るから襲われる可能性は低い、毒に関しても警戒してるから大丈夫だ、だが万一の事を考えてリゼちゃんが渡してくれたのだと思う」


「そうか・・・俺の家族には理由を話して無茶な事はするなと伝えておこう」


「それからデボネア帝国の城が制圧できたから今度リゼちゃんに頼んで城の中にも転移魔法陣を設置してもらおうと思う、大丈夫だろうか?」


「お前から頼めば受けてくれるだろう、不満そうな顔をしていたが今は1日3回、きっちり人員や物資を転移してるって聞いてるぞ」


「騎士達も頑張ってくれているがデボネア帝国でのリゼちゃんの功績は大きい、本人は嫌がるだろうが最上級の爵位と莫大な報奨金を与えても足りないと思ってる、それから食い物や薬を平民に分け与えてくれる聖女様として街の人々の支持を順調に集め始めてるな、計画通りだ」


「程々にしておけよ、どうなっても俺は知らんぞ」


「それと言いにくいのだが・・・一昨日向こうの屋敷の娘に掴み掛かられたという報告があった、騎士が気付いて止めたようだが・・・様子に変わりは無いか?」


「・・・何だと、ここ数日はコルトに居るが・・・俺には特に何も言って来なかったぞ、屋敷は安全な筈じゃなかったのか?」


「すまん、こちらの不手際でローゼリアへ送る荷物の準備が遅れてな、待っている間屋敷の中を歩いていて揉めたらしい・・・」


「向こうの娘というのは?」


「それが様子がおかしいのだ、どうやらリゼちゃんと同じ日本での記憶を持ったままこちらに転生したらしい、それでリゼちゃんが歩きながら歌っていた日本の曲に反応して話を聞こうとしたようだ」


「日本からの転生者が・・・リゼたんの他にまだ居たのか?」


「その娘が言っている事が本当なら恐らくそうだろう、下級貴族という事で皇帝の一族や上級貴族から酷い扱いを受けていたようだ、一昨日は2人を引き離して、リゼちゃんの方はそのまま転移してこちらに戻って貰った」


「その娘はどうするんだ?」


「まだ何も決めてない、騎士団長の方で話をしたのだが精神状態が不安定でな、落ち着くのを待っている、デボネア帝国語が堪能な人間を向かわせて詳しい話を聞くか・・・あるいは日本語でリゼちゃんが会話するか、どちらかになるだろう」


「リゼたんも日本に帰りたがっていたから・・・その娘も帰りたいだろうな、デボネア帝国で酷い扱いを受けていたのなら尚更だ」


「それも本人に話を聞いてみないとな・・・それともう一つ問題があるのだ、向こうの平民の間で使われている例の薬あるだろう、その娘は上級貴族の手で薬漬けにされている」


「・・・貴族にも使われていたのか」


「そうらしい、騎士団長も驚いていたよ」






「そういえばこの間インフィニちゃんから連絡があったぞ、リゼたんがインフィニちゃんに手紙の転移魔法陣と通話の魔道具を渡していてな、試験的にうちの屋敷と通話して上手くいった、その時に話題に出たんだが・・・お前彼女に例の魔力量の増量法を教えたのか?」


「あぁ、向こうで話をした時に他言しないという条件付きでな、彼女は信用できるだろう」


「それはそうだが・・・」


「お前、インフィニちゃんに詰め寄られたら拒否できるか?、私達は彼女にでかい借りがあるだろう、泣きながら「親友の2人だけいつまでも歳を取らないのはずるい!、私も老けたくない!、最近お肌にハリがなくなってきたの!、お願い助けてエルヴィスちゃん!」って言われてな」


「それは・・・断れないな・・・」


「そうだろ」


「だが女王陛下が歳を取らないのはまずいだろ」


「私も諦めさせようとして同じ事を言ったのだ、だが年齢が誤魔化せなくなったら王太子に王位を譲って引退する、それから頃合いを見て死んだ事にしてもう一つの顔で生活するって言ってた」


「あぁ・・・こっちに留学してた時に俺達3人で立ち上げて・・・最近観光業で勢力を伸ばしてるあの商会の女商会長として・・・か、それなら女王やってるよりは目立たないな」


「インフィニちゃんが言うには「女王やってるより商売の方が才能あるようだ、これからもっと規模を大きくするわよ」・・・だとさ」


「だが裏で国を仕切りそうだよな」


「彼女の性格から考えて政治の方にも口出しするだろう、王太子も気の毒にな・・・」


「お前もこれから先長くこの国を統治するんだ、気心の知れた人間がラングレー王国を動かしてた方が都合がいいんじゃないのか?」


「それもそうだな、お互いに彼女とは長い付き合いになりそうだ」







「アンドロママン家にようこそ、ドワルスキー卿、それからアターシャー嬢、窮屈な幽閉生活は大変だったでしょう、どうぞ我が家でお寛ぎ下さい」


「君が我が派閥の協力者だったとはな、瞳水晶で全て吐かされたからもう派閥の者は残っていないかと思っていた、脱出の協力感謝する、オジャー・アンドロママン殿、この恩はいつか必ず返そう」


「このような事態を予測して我が家は派閥から距離を置いておりました、先代のドワルスキー家当主にはお世話になっておりましたからね」


「それで、これからどうするつもりだね」


「王都周辺や国境は警備が厳しくなっておりますので、警戒が緩むまで当家でお過ごし頂き、その後は我が領地に滞在頂こうかと、辺境の何も無い所ですが自然は豊かですぞ、ドワルスキー家から資産を持ち出しておりますのでそれを使ってミラージュ大陸に住居を準備致します、流石にローゼリア王家もミラージュ大陸まで捜索の手は伸ばさないかと」


「そうか、よろしく頼む・・・ローゼリア王家への報復は我が娘の子か・・・孫になるだろうな・・・私はもう疲れた、運良く拾った命だ、ミラージュ大陸で穏やかに余生を過ごす事にするよ、アターシャー、それでいいかね?」


「はい、お父様・・・フフフッ」

読んでいただきありがとうございます。


初小説です。


諸事情により恋愛要素はほとんどありません、女性は平たい胸の人しか出てきません、男性は筋肉モリモリマッチョマン多いです、パロディ要素あり、苦手な人は注意してくださいね。


趣味で空いた時間に書いている小説につき不定期投稿です、ストックがあるうちは頻繁に更新しますが、無くなれば週1投稿になる予定です。


面白いなって思ったら下のお星さまやいいねをポチリと押してもらえると作者が喜びます・・・。

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