表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/19

夢か、現か、幻か

 はじめまして。そして、ありがとう。君には感謝しなくてはならない。なぜなら、君が読んでくれないと、俺は存在できないからだ。


 ……俺は誰かだって? それは、これから始まる物語には関係ない。いて言えば、案内人といったところだろう。だが、俺がこうして出てきたのは、君に感謝を伝えたかったからだ。


 この世界には無数の物語がある。それを一生の内に全て読み終えることはできない。時間は有限だからね。その点で言えば、世界は平等だと思うよ。老いも若きも男も女も……一日は二十四時間だ。もっとも、些細なこと……たとえばお金の有無によっては、同じ時間でも使い道が異なるじゃないかと指摘されたら、その通りだと頷かざるを得ない。平等とは、はかないものだね。


 ……おっと、話がれてしまった。でも勘弁してくれ、本当に嬉しくてね。誰にも読まれない物語ほど、悲しいものはない。無名の書き手の物語なら、なおさらだ。


 いつまでも君とこうしていたいところだけれど、それでは話が進まない。そろそろ、物語の扉を開くとしよう。俺のことは忘れてもらっても構わない。俺はただの案内人だからね。……まぁ、覚えていてくれたら、嬉しいけれど。


 ――それでは、始めようか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ