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第1章 7話 トリプルクロス

ーーーゲス部長視点ーーー


「では、次の司令を与える。」

ゲス部長が男に告げる。


「現在、傘下に加えている政治家どものリストだ。コイツら全員から弱みを1つ以上握れる証拠を押さえろ。」

「かしこまりました。」

淡白に男が答える。男が退室しようとしたところで


「あの話を受け入れる気にはなったかね?」

ゲス部長の顔には厭らしい笑みが浮かんでいる。


「お断りします。それでは失礼します。」

男は足早に部屋を去った。しばらくして、別の男が入室した。


「ジョン・ドゥに揺さぶりをかけろ。」

入室そうそう、指示を受ける男。


「イエス・サー」

「いい加減焦れったくなってきた。そろそろ、身も心も私の物にしておきたい。頼んだぞ。」

ゲスな発言をするゲス部長。


「ところで、ジョン・ドゥがニシジマたちの傘下に一時的に加わった理由は掴めたのか?」

「はい、母親の治療薬を提供し効果があったため、対価として協力していたようです。」

「ふむ、やはり復讐心を焚き付けたのは間違いでは無かったな。私のライバルに相応しい。必ずや叩き潰して、我が糧としてやろう。」

ゲス部長が何年も掛けてコンタクトを取ったジョン・ドゥに、ニシジマは短期間で接触し治療薬まで提供した。素直に称賛するゲス部長。


「だが詰めが甘かったようだな。」

「はい、治療薬は1週間しか効果が無く、母親は再び昏睡状態となっています。そのため対価として1度だけ協力して手を切りました。」

「クックックッ。おおかた私に対してのスパイ、ダブルクロスにするつもりだったのだろうがな。無駄に終わったようだ。まぁ良い。間もなく私のモノになる女だ。おいたの一回くらい大目に見てやろう。引き続き監視を続けろ。」

「かしこまりました。」

男が退室する。


「さぁニシジマよ。初手は見逃したが二手目からは、そうはいかんぞ。」

ゲス部長の笑い声が部屋に響いた。


ーーージョン・ドゥ視点ーーー


「ただいまお母さん。ごめんね、また眠り続ける状態になってしまって。」

エリーが母に語りかける。


「すまないな。」

ニシジマがエリーに謝罪する。


「仕方無いわ。こうでもしないと、ヤツらの目は欺けないから。」

治療薬の効果が切れてしまった割に冷静なエリー。


「あぁ、これでヤツはエリーをダブルクロスとして懐柔するのに失敗したと判断するだろう。もしくはコンタクトは取るかもしれない程度だな。」

「でも何で協力するのが、あなたとセブンだけなの?」

「敵を欺くには味方からと言うだろう。」

「分かったわ。あなたが、そう言うのなら信じるわ。」

「今のうちにコレを渡しておこう。」

ニシジマがエリーに赤い錠剤が入ったケースを渡した。


「1週間に1錠のペースで100年分ある。問題は無いだろう。」

「まさか、レプリカだとは思わなかったわ。」

「仕方が無い。本物は残り46錠しか存在しないからな。レプリカで良いからと揺さぶったら山のように提供してくれた。」

「SCP財団って本当に存在したのね。どうやって突き止めたの?」

エリーが興味深く聞くが


「知らない方が良い。財団が扱うSCPには、その存在を認知したかが分かるようなオブジェクトもあるからな。財団の存在を把握した事を検出されれば即座に記憶処理(財団の用語でSCPに関係する記憶を処理した上で、矛盾が生じないようにダミーの記憶を植え付ける作業の事)されるぞ。」

「何で貴方は記憶処理されないの?」

「当然記憶処理されたさ。」

「???」

「消されたなら思い出せば良いだけだ。」

「貴方には適わないわ。」

斜め上の回答に呆れるエリー。


「ちなみにエリー。お前も記憶処理を受けているぞ。10回以上な。」

「何で分かるの!」

「財団の記録にあったからな。」

「ちなみにどうして?」

「基本的には財団がSCPを収容している施設、サイト○○と呼ばれている場所に侵入したからだな。」

「…………」

「当然だが、お前と依頼人双方に記憶処理が実施され矛盾の無いようなストーリーが与えられた。」

「(´Д`)ハァ…、財団って何なのよ。」

「詳しく知らない方が良い。場合によっては終了(財団の用語で記憶処理ではSCPによる影響を防げず、被害を拡大する恐れがある状態と判断された人物を殺害して無力化する事。場合によっては遺体の存在自体が許されず完全に焼却処分となる)されるぞ。」

「そんな組織から治療薬を提供させるなんて、貴方実はSCPなの?」

「そうだな。オレはヤツに復讐するために生まれたSCPなのかもしれないな。」

ニシジマは苦笑する。


「今頃ヤツは、オレがお前をスパイに仕立てる策略に失敗したと思って笑っているだろうな。オレの手のひらの上だとも知らずに。」


ゲス部長は、ジョン・ドゥことエリーは今まで通りゲス部長の協力者で、ニシジマセブンの懐柔は失敗したと思っている。だが、ニシジマとセブンとは密かに協力関係にある。つまりエリーは3重スパイ、トリプルクロスとしてニシジマとセブンに、ゲス部長、ニシジマセブン2つの組織の情報を秘密裏にやりとりする事になる。



この話で第1章は終了です。

トリプルクロスの理由は、裏ストーリーで判明するので今は気にしないで下さい。裏ストーリーが重すぎるので表ストーリーは基本こんな感じでコメディっぽくなります。SCPは完全に趣味です。興味があったら調べて下さい。

第2章は、まだ執筆中ですが来週からも同じペースで投稿します。書き直しが必要になってしまったら、執筆が終わるまで更新停止しますm(_ _)m

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