第1章 6話 ジョン・ドゥ3世を追え4
ジョン・ドゥに治療薬を引渡した次の日、セカンドが知らせた番号に連絡があった。
「もしもし、私よ。」
「誰だったかしら?」
「じゃあ切るわね。」
プツっと通話が途切れる。
「もしもし、ジョン・ドゥさんの番号ですか?」
何事も無かったかのように、フィフスが電話をかけ直す。
「違うかもね。さようなら。」
「うぇーん(T_T)、ちょっとセカンド〜!少しはコミュニケーション取ろうとしてよ〜。」
「イヤよ。」
「私もお断りだわ。」
キッパリと互いに拒絶し合う2人であった。
「連絡があったと言う事は、効果があったのね。」
「そうよ。きっかり2時間後に目を覚ましたわ。」
「それは良かったわね。」
「もし効果が無かったら、あなたを缶詰に詰めてマリアナ海溝に沈めてやろうと思ってたから残念だわ。」
「あら、あなた如きに殺られるわけ無いじゃない。無駄だったわね。」
「…………」
フィフスのジト目レベルが2に上がったようだ。
「あなたには何も無いけど、貴方達のリーダーにお礼を言いたくてね。直接面会する機会をセッティングして欲しいんだけど。」
「駄目よ。」
「ちなみに理由を聞いても?」
「あなたとのコンタクトは、私達に任されているの。リーダーと接触する必要は無いはずよ。」
「だからお礼を言いたいって言ってるでしょ。今後の連絡とか、そういう話しじゃないのよ。何で駄目なのよ。」
「とにかく駄目なものは駄目よ。」
セカンドは頑なに拒否する。
「セカンド?ドウシテダメナノ?ナンデ?」
フィフスのジト目にハイライトが追加された。
「必要が無いからよ。」
「シメラレタカンセツガイタイナ〜。キゼツスルマデキメラレタサブミッションのアトガイタイナ〜。」
笑みの無い笑顔でセカンドに迫るフィフス。
「ジョン・ドゥがリーダーと接触したら、どうなるか想像して!」
フィフスの耳元で囁くセカンド。
「あっ!そうだった。サブミッションの恨みで忘れるところだった。」
我に帰るフィフス。
「ジョン・ドゥさん、ごめんなさい(_ _;)。少なくともリーダーに確認が必要なので。」
「分かったわ。今の話は忘れて。諦めるから。(貴方達にお願いするのはね。アタリは付いてるから直接接触すれば良いし。)」
アッサリ引き下がるジョン・ドゥ
「じゃあ、また連絡するわね。」
「えぇ、何でも請け負うわ。恩を返さないとね、貴方達のリーダーに。」
そう言ってジョン・ドゥは通話を切った。
「何かあるわね。」
「私も、そう思う。怪しいよね〜。」
2人も、その場を後にした。怪しい何かは次の日には判明した。
ーーーニシジマセブン拠点にてーーー
「リーダー!一緒にお昼食べましょう!」
ニシジマの部屋に押しかけるフィフス。いつもの光景になりつつある。
「えぇ工エエェェ(´д`)ェェエエ工!」
驚愕して固まるフィフス。何故なら、
「あら、また会ったわね。」
当然のようにニシジマと同じテーブルでランチを楽しむジョン・ドゥの姿。横には不貞腐れたセカンドの姿もある。
「ようこそ。こちらへお座り下さい。」
そう言いつつ、フィフスの分の紅茶を用意するセブン。
「何で居るんですか〜!」
「昨日、電話を掛けてきたでしょ?」
「やられたわ。」
ムスっとした顔のセカンド。
「逆探された〜!!」
納得したフィフス。昨日までのやりとりは全てフィフスから電話を掛けさせるためだったと、ようやく気付く。
「2人とも、もう少し慎重になってくれ。こんなチョンボをするとは思わなかったからな。今回は問題無かったが次は無いようにしてくれ。」