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第1章 3話 ジョン・ドゥ3世

ミーティングの後、ニシジマは自分に割り当てられている個室兼執務室を訪れた。


「お帰りなさいませ。マイロード。」

ニシジマがドアを開けると、待ち構えていたように声が掛けられた。


彼の名はセブン。

役割としては、ファーストと同じ司令塔だが、彼と異なるのはセブンはニシジマ専属の司令塔。

ニシジマの執事役である。


「待たせたな。」

「滅相も御座いません。主をお待ちするのもバトラーの仕事ですので」

セブンは、そう答えながらニシジマに紅茶を用意する。


「こちらの書類をご確認下さい。」

紅茶を飲み、くつろぐニシジマに何通かの手紙や書類を手渡すセブン。


「いよいよか。」

書類を確認したニシジマは、セブンにそう告げた。


「その通りでございます。」

二人の間に、多くの言葉は不要のようだ。



ーーーーーゲス部長視点ーーーーー

任務の結果報告のため、ある人物がゲス部長を訪ねた。


コンコンとノックの音が室内に響きわたり

「失礼いたします。」

「入れ」

1人の男性が入室してきた。


「首尾は上々か?」

「はい、問題ありません。」

男性は淡々と答える。


「ならば良い。それと、あの件を受け入れる気にはなったか?」

了承の回答に続けて、質問を投げかけるゲス部長。


「いえ、お断り致します。」

即答する男性。


「そうか。お前がその気ならそれで構わない。時間は、まだあるからな。」

ゲス部長は、さほど気にしていないようだ。


「では、これにて失礼致します。」

そう言い、部屋を去る男性。


「くっくっく。お前が拒否しようとも、従わせる方法などいくらでもある。すでに囚われの身であると自覚出来ていないところに甘さが見られるな、ジョン・ドゥ。私のものになるのも時間の問題だ。」

不敵に嗤うゲス部長であった。



ーーーーージョン・ドゥ視点ーーーーー


ゲス部長の部屋から足早に立ち去るジョン・ドゥ。

そして、同じ建物の異なる部屋を訪ねる。

部屋にはベッドが置かれており、一人の女性が眠っていた。


「ただいま、お母さん」

ジョン・ドゥは変装用のカツラを外し、普段着に着替えていた。

男性ではなく、女性だったようだ。


「今度は違う薬を試してみるね。今度こそ成功するから。」

そう言いながら、母親に薬を飲ませるジョン・ドゥ。

しかし、母親が返事をする事は無かった。


「駄目、ね。この薬も効力はないのね。」

そう言うと、部屋を立ち去るジョン・ドゥ。


「あの男のものになるなんて絶対無理。そうなるくらいなら死を選ぶわ。だから、そうなる前に今度こそ、成功させるわ。待っててねお母さん。」

去り際に、そう呟きジョン・ドゥは廊下の奥に消えていった。



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