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第1章 2話 ファーストミッション

指令室へ向かう途中、最初に再会するはずだったメンバーが合流した。


「リーダー、ご無事でなによりです」

彼はファースト。

ニシジマセブンのメンバーであり司令塔である。


「懸念していた事柄に検討はついたか?相変わらず心配性だな。」

ニシジマは少し呆れ気味に尋ねた。


「いえ、結局ヤツの狙いは分からずじまいでしたが、現状問題無しと判断しました。」

ファーストは悔しそうに発言した。


「まあ、ヤツに動きが無いか引き続き警戒してくれ。そして今日はニシジマセブン始動の日となる。」


「ついにヤツの終わりが始まるのですね。」

ファーストは興奮しているようだ。いや、それはメンバー全員に言える事のようだ。


指令室へ移動したニシジマ達は、ゲス部長の現状を改めて確認した。



「俺が刑務所に収監されていた数年でヤツは合衆国を上回るほどの権力や資産を得るに至った」

「リーダー、ヤツはボーイング社も事実上傘下に収めている上、ロッキードにもパイプがある。イザとなったら、最新鋭の武装をしたSEALsや第7艦隊が出張ってくる可能性もあるぞ。」

と、フォースが補足する。


現在のゲス部長は、合衆国大統領ですら膝まづかせる力を持っていた。

1企業の重役から、わずか数年で世界を裏から操るほどに登りつめたのである。

とはいえ、世界レベルで影響を及ぼせる人物は他にも存在しており、今は他の勢力と睨み合っている状況である。


「今の私達が取れる方針は2つね。1つは、ニシジマセブン単独でゲス部長を潰す。もう1つは」


「それ以外に選択肢は無いぞ」

ニシジマが、セカンドの発言を遮る。

「他の勢力と手を結んでも、最後は敵になるだけだ。見返りも無く一方的に手を貸してくれるようなヤツが世界レベルの勢力になれるはずが無い。」


「ですがリーダー。いまのゲス部長を相手にするという事は合衆国を相手にするようなものです。」

セカンドに代わりファーストが反論するが


「だめだ。信頼出来ない勢力と手を結ぶことは認めない。ヤツのスパイが入り込む可能性を生むわけにはいかない。」

ニシジマは頑なにゲス部長と敵対する勢力との同盟を拒否する。


「わかりました。リーダーの決定に従います。しかし、そうなると今すぐ動き出すわけにはいかなくなります。」

ファースト他、メンバー全員がゲス部長と戦うには戦力不足と認識しているようだ。


「手はある。」

ニシジマは一枚の写真を取り出した。


「この男は、何者です?」

メンバー全員が、写真の男について把握していないようだ。


「ジョン・ドゥ と言えば分かるか?」

「ジョン・ドゥだと!実在するのか!」

フォースが突然興奮したように叫んだ。


「どうしたのよ、そんなに興奮して」

普段は冷静沈着なフォースが興奮する姿にセカンドが驚く。


「知らないのか!あのジョン・ドゥだぞ!」

「ジョン・ドゥといわれても、名無しの権兵衛的な名前くらいしか分からないわよ」

フィフスは少し引いているようだ。


「リーダー。本当に写真の人物がジョン・ドゥなのですか?」

ファーストが驚いたように尋ねる。


「ああ。今は別人になっているがな。追跡はしている。」

「信じられない。まぁ、リーダーのやる事だからな。今更驚いても仕方がないか。けどどうやってジョン・ドゥの存在を補足したんだ?」

フォースは驚いたように聞く。


「実際に補足したのはセブンだ。知りたければセブンに聞いてくれ。」

「分かった。まぁ、教えてはもらえないだろうがな」

詳細を聞くのは諦めたようだ。


「どんな人物なの ジョン・ドゥって?」

セカンドが不思議がる。


「そもそも、ジョン・ドゥは都市伝説に出てくるスパイ的な存在でな、実在しない人物と言われていたんだ。」

「実在しない?」

「あぁ、ジョン・ドゥは様々な裏工作で暗躍した伝説のスパイで、冷戦時代の後期頃に姿を現し始めたと言われている。しかし、その存在を確認したものはおらず、依頼人の存在すら不明で最終的に作り話といして落ち着いたというわけさ。」

フォースが簡単に説明する。


「じゃあ、都市伝説が本物だったて事ね。」

セカンドが頷く。


「そうだな。俺も都市伝説と思っていたからな。冷戦時代はともかく現代で、一切の痕跡を科学的にも残さず潜入するなんて不可能だからな。」


「ですがリーダー。ジョン・ドゥとゲス部長に何の関係が?」

「ヤツは3代目ジョン・ドゥのクライアントだ」

ジョン・ドゥとゲス部長の関係を明らかにするニシジマ。


「クライアントなのは分かりましたが、3代目とは?」

「少なくともジョン・ドゥという人物は3人いる。そして、活動している時期が完全に分かれている事から、そう予測している。」


「じゃあ、リーダー。私たちはそのジョン・ドゥ3世を捕まえればいいの?」

フィフスが尋ねる。


「最終的には、そうなるがゲス部長の情報を手に入れられれば捕らえる必要は無い。」

「了解しました。ジョン・ドゥからゲス部長に関して重要な情報を引き出し、ピンポイントで攻略するという事ですね。」


「そういう事だ。勢力全てを潰さなくても頭を取れば終わりだ。では、ジョン・ドゥ補足ミッションを開始する。」


「「「「「「了解!」」」」」」


ついに、ニシジマセブン初のミッションが始動した。

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