第2章 ゲス部長の破滅 政界編 11話 ワイズマン2
ニシジマセブンでは、ゲス部長の傘下3人の大物政治家を攻略するため、新たな策を講じていた。
「ヤツは、誰かと面会するようです。」
ファーストはニシジマに報告する。
「相手が誰か分かるか?」
「恐らく、ワイズマンかと。」
ワイズマンとは長らく、日本の政治を裏から支配してきたと言われる人物(政治家ではない)で、世界を牛耳る支配者達の傘下とも言われている。
「傘下の3人が大物とはいえ、それだけでコンタクトが取れるのか?」
「いえ、恐らく他に誰かが口利きをしたかと思われます。」
ワイズマンにとっては政治家の全てが駒にすぎない。総理大臣ですら、ワイズマンにはお伺いを立てる立場なのだ。
「ヤツに、そんな伝手があるなら、計画自体もっと早まっていたはずだが?」
「考えられるのは、ヤツの師父にあたる人物かと。」
「そうか、なら納得だ。」
今のゲス部長を育てあげた師父にあたる人物は、かつて世界を牛耳る支配者の一人だった。しかし、高齢と病気を理由に支配者の立場を退いていた。
「師父とやらも年だな。」
「えぇ、弟子を取っていたのも驚きですが打算無しに協力するのも考えられないですね。」
「世界の支配者という、魑魅魍魎渦巻く世界で生きていくためには一切の甘さを捨てなければならなかったはずだ。引退をキッカケに性格も丸くなったのかもしれないな。だが、敵となるなら容赦はしない。」
コンコンと部屋の扉がノックされた。
「マイロード、ヤツがいくつかの計画を実行に移したようです。」
セブンが、部屋へ入りながら答えた。
「いくつかか。」
「はい。ワイズマンの全面的な支援を受けているようです。」
「説明してくれ。」
「畏まりました。」
セブンはホワイトボードにゲス部長が進めている計画を書き始めた。現在進行中の計画は以下の通りだ。
①日本政界の掌握 →政界編
・傘下の3人が、主導的な立場になる事で政界を支配する目論見であったがワイズマンの介入により、自由度が増した。計画のスケジュールも早まっているだろう。
②資金源の獲得 →経済編
・現在は政治家達が財布代わりだが、一時的なものに過ぎず、より大きな資金源が必要になると見られる。秘密裏に大手の総合商社を乗っ取ろうとしているようだ。
③武装勢力の拡充 →軍事編
・ジョン・ドゥ殺害後、ニシジマセブンに対しての攻撃は行われておらず、恐らく彼女との戦闘で看過出来ない損耗を受けたのだろう。生物兵器の開発も秘密裏に進んでおり、完成すればゲス部長の殺害は困難になるだろう。資金源が必要な理由も兵器開発にあると思われる。
④詳細不明
・一切が不明。計画の存在は示唆されるがゲス部長本人しか内容は把握していない。
「以上が、ヤツが進めている計画です。」
「変な矢印はともかく、驚くほど情報の入手が早いですね、セブンは。ヤツの側近クラスにスパイでも仕込んでいるのですか?」
ファーストがセブンに聞くが
「以前フォースにも食いつかれましたが、個人的なルートです。マイロード以外には、お話出来ません。」
「分かった。これ以上は把握しようとしない。大丈夫かな?」
「・・・はい、問題ありません。」
「代わりに1つだけ。」
「ニシジマセブンに牙を向ける可能性は?」
「ありえません。命に変えても誓いましょう。」
「問題ありません。信じましょう。」
会議は続く。
ワイズマンや支配者の元ネタは
「愛国者達」です。
ググれば出てきますm(_ _)m