第1話
久しぶりに書いたものです。もともと低いものがより低いクオリティになっております。書きたい物を素直に書き出した作品ですが、読んでいただけるとうれしいです。
男ならやらなきゃいけない時がある。いや、生きているなら、決めなければならない時がある。だから俺は決心したんだ。
有名になるって。はいそこの人、決心が幼稚だとか、漠然とし過ぎとか言ってはいけません。これは雛型というか、大枠みたいなもんだから。ちゃんと筋道立てて考えたんだから、いちおう。
とりあえず目標は3つ。1つ目は、魔物とかをバッサバッサと倒せる位に強くなること。こんな世のだから、やっぱつよくないとね!2つ目、素敵な女性と結婚したい。そして3つ目、出来るだけ安心して暮らしたい。
これを考えると、まずは冒険者とかになって、力を磨く。そして、女社会な冒険者家業をやっていけば、必然的に出会いも増える。俺が強くなって有名になれば、権力者とか高名な冒険者ともお知り合いになれる。そこでその人達を妻にして、俺は安心な生活を送りつつ、冒険者という自由な稼業を謳歌出来るって寸法だ。
ただ安心して暮らしたいなら、国営の娼館に住み込みで働くという手もある。あそこは、マジで衣食住すべてが高水準で、警備も万全だと聞く。しかし、だ。あそこで働くとあまり自由に外出したり、旅行なんて出来ないそうだ。だから、無しなんだよな。
やっぱり自由が欲しいんだよ。気ままに冒険したり、旅に出たりと。そして、いざって時は、冒険者として培った力で身を守ることも出来る。更には、冒険して魔物倒したり、お宝を見つけるかもしれないという特典付きだ。冒険者一択だな!
ただし、どこでも危険はいっぱいだ。冒険で命を落とすかもしれない。これは、覚悟を持って臨んでるから、まだマシと言えなくも無い?問題は町中で、女の人に襲われたりとか、捕まえられて、奴隷落ちとかは本気で勘弁したい。
男が極端に少ないこの世界じゃ、男は危険と隣り合わせだ。はるか昔からこの状況は続いている。創造神の遣いである4柱の神も、男は1人だし。あれなのか?創造神は男が嫌いだから、作為的にこんな世界を創ったのだろうか。男はマジで貴重だから、認知はしなくとも、男1人につき何十人と子どもが居る。男の神である、龍神ルイ様が築いたアイディール帝国は、王族は巫女も兼ねて、大半はルイ様の子どもだって話だし。
まあ、本当のことかは知らないけど。話は戻って、そう男が少ないんだ。逆に、女が多い。政治に経済、軍事も全部女性が担っている。そして、子孫を残すにはオスとメスが要るわけで、男を囲うのが基本だ。
俺は冒険者になるために村を出たいと言ったら、止められはしなかった。条件は付けられたが、それだけなので、おおらかな村だと思った。当然なことだろう。
で、その条件ってのは当たり前ながら子どもを作っていくことだ。村総出で数打ちゃ当たるの戦法でいかれた。しんどいし、辛かった。肉体的にも、精神的にも。まあ、この話はここで終わり。
そんなこんなで村を出て、1月が経ちました。俺は今、アヴィド王国という場所に来ています。ここはダンジョンを主力産業にしている国で、そのダンジョンを探索していた冒険者が王様になって造り上げた国です。
俺がこの国を選んだのは、魔物と戦うことに慣れるには、ダンジョンが最適だと考えたからだ。なぜなら、ダンジョンは地下へ地下へと広がっているのだが、層が浅いほど魔物が弱い。更には、現在到達している階層までは、あらかた魔物の種類がはっきりしているからだ。
これらが重要で、ダンジョンでは急に強すぎる魔物との戦闘が起きにくいのだ。浅い層から徐々に経験を積んで強力な魔物と戦える。まさに鍛錬にはぴったりな場所である。しかも、魔物は1時的に尽きることはあっても、その内現れる。倒す相手が居なくなることはない。
そんなアヴィド王国で俺は現在、酒場で働いています。だって、しょうが無いじゃないか。ダンジョンで稼ぐ方法は魔物を倒して、解体して売れそうな箇所を持ち帰るくらいだ。他にはクエストもあるのだが、指定の物を採取して報酬をもらうこともできる。
ただし、だ。植物や鉱物を採取するために、ダンジョンに潜るのはいい。問題はここからだ。ダンジョン内では、手に剣以外を持ちたくない。そうなると、他は全部持って行ってるリュックに入れなければいけない。だけど、あまり量が入る訳ではなし、回復薬も念のため入れてる。そうなると、全然入らない。
魔物の素材を売る、もしくはクエストの報酬だけでは暮らせないのだ。宿代に食事代、武器だってもっと良いのが欲しい。村では、弓や投石で狩りを行っていたので、剣はまだ慣れない。
そこで、俺は日払いの仕事をしなくてはいけなかった。だから、現在俺は酒場で毎日を生きるために頑張って働いている。女の冒険者に体を触られたり、1晩どうかと誘われたりと、色々我慢してる。あぁ、ホントにやめてぇ。キツい。
冒険者だけで暮らすには、より深くに潜るか、パーティーを組んで報酬を上げるかの2択だ。俺も最初はパーティーを組もうとした。そこそこ誘われしぃ。ただ、自分より強い女の集団に入っていくのが怖かった。それでビビっていまだパーティーを組めず仕舞い。
出来るなら新人かつ1人で冒険者になった子とパーティーを組みたい。これなら、互いに気兼ねなく冒険者としてレベルアップできると思う。更に欲を言えば前衛が欲しい。今ここで後衛と組んでも、俺は前衛として役割を果たせる自信がない。
だから一緒に前衛をして欲しい。なんなら俺は、弓を持って後衛に下がるから。でも、格好いい冒険者といえば剣だろうとも思ってしまう。ああ、前途多難だ。