乙女ゲー異世界転生者(♂)は悪役令嬢を救いたい
作者:雪ノ様
ジャンル:異世界〔恋愛〕
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嘘情報に騙されて週末の二連休をゲームで費やした主人公のはコンビニに行く途中で困っている女の子を助けようとして声を掛けて事情を聞こうとしたところに突然突っ込んできた自動車から彼女を庇って轢かれてしまいます。
薄れ行く意識の中で聞いた彼女の声は悪役令嬢の虚空院凛香さんの声でした。そして次に目が覚めたとき主人公は虚空院凛香が登場する乙女ゲーの主人公の1人であり、優花とあう自分の名前と同じ名前をもつ灰島ゆうかに転生していました。
突然の境遇に戸惑うものの学校で虚空院凛香と出会ったことで彼女を幸せにすべく行動を開始します、というのが、物語の導入となります。
個人的に凛香さんのツンデレ具合やかわいい竜二といったところも見所なんですが、この作品の伏線と取れる描写が結構ありましてこれがどう消化されていくかも期待しているところだったりします。
例えば主人公が転移する前に庇った女の子は凛香さんらしき声をしていたとか、異世界転移という主人公の話を笑い飛ばさずに願いを叶える白い桜の話をし、更にそれを凛香さんを幸せにするのではなく彼女を幸せにした上で元の世界に帰ることに使うことを示唆する教師や、ヒロインがいる場面で凛香さんを選ぼうとすると勝手に手がヒロインを選ぼうとするほどの強制力などがただなんとなくゲームの世界に転生して悪役令嬢助けて終わりました、では終わらないなにかがあると期待させてくれます。
主人公はなぜ転生したのか?露骨なまでの強制力は何を意味するのか?攻略対象である謎の教師と白い桜の真実とは?そして白い桜と対面できたとしてその時に主人公は何を願うのか?
それらが気になる方は一度この作品を読んでみてはいかがでしょうか。
転生前は悪役令嬢の方に感情移入してたんだよー、という展開は結構ありますが、この作品ではさらりと流すのではなくパッケージに描かれた絵で乙女ゲーの購入を決め、彼女のハッピーエンドを求めて全クリするもそのルートはなく、一年後にツィ○ターで彼女が幸せになるエンドあってよかったという情報から休日潰して再度やり直す(もちろんそんなものはなかった)など割と生々しいもとい主人公の熱い彼女への愛が語られます。姉さん死なせても主人公が死なずに王になるルートがあると言われてやりまくった某SRPGを思い出しますね。ちなみにこちらはちゃんとありました。