ウラジミール・キュプラスキー
猛暑が過ぎて、そかはかとなく涼しい風が吹く。
やってきましただーいすきな秋!
ちょうど良い季節に食う寝る遊ぶ!満喫しなくっちゃ!
今日は袖無しのワンピースに薄手の上着を羽織っていたけど…。
「ねぇ、欲しいよおお」
「なんだなんだいきなり?!」
「およーふくほすぃ」
「あーはいはい」
旦那と連れ立ってショッピングモールに繰り出す。
「これどうかな?うふ」
試着室から顔を出して、旦那に中を覗いてもらう。
「水着じゃないんだから、もっと堂々と見せたら?」
「そこはそれ、複雑な乙女心が…」
「乙女?」
肩をすくめる旦那。
数着着替えると、旦那の興味がもたなくなってきたので、今度は旦那の服を選びにいく。
目線で「これどう?」と聞いてくるが、そっぽ向いて「いいんじゃないの」と言う。拗ねる旦那。
「そっちの売り場はダメダメ!お高いおよーふくのコーナーよ!」
首根っこひっつかんで引っ張る。
「いいじゃんか、ちょっとくらい〜!」
「こっの、ウラジミール・キュプラスキー!」
「俺はそんな外人じゃない!」
「裏地見る、キュプラ好き!」
「あ〜」
旦那がへたりこんだ。