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小田と加賀。  作者: 高槻
7/10

第七話

メリークリスマース


とか言って、皆愛する人とイヴを過ごしたいらしいから、皆で集まったのは23日。


イヴイヴだー!!とか騒ぎながらカラオケになだれ込む。


途中、戸田の同中の女子が三人乱入してきて、彼女欲しがってた委員長はやけに紳士っぽい。


流行歌から懐かしアニソンまでゲラゲラ笑いながら歌いまくった。


「加賀くんおっきいねー!!良いなぁ、いくつ?」


「んとねー、77」


「うっそ、かがやんいつの間に伸びたん!?」


「先週測ったらなってたー」


小田との目線が近付いてきた。


■ ■ ■


「わー、やっぱ寒いねー」


イルミネーションが華やかな駅までの道を歩く。


突然、酷い喧騒が聞こえた。


「何?ケンカ?」


「うわー、あそこじゃない?ほら」


ヤジ馬根性で背伸びする。


「・・・え、ちょっと、あれって小田じゃね?」


「ええ?まさかぁ。って、加賀!?」


身体は勝手に飛び出していた。


■ ■ ■


見間違えるはずも無く、喧嘩していたのはやっぱり小田で。


何があったのか3人も相手にしていて。


殴られて尻餅をついた。


ギャラリーが沸く。


囲まれて、なにやってんだ小田!!


「ッ!!」


「・・・んだぁ、お前!!」


「いやー、3対1はちょっと酷いかなーっていうか、今日はこの辺でお開きーってことで」


相手の拳を受け止めた手のひらが熱い。


「ふざけてんじゃねーぞッ!」


後ろからケリ入れられる気配がしてかわして足を払った。


「行くぞ!!」


呆けていた小田の襟を掴んで引っ張る。


逃がすか!とか聞こえたけど、警察も来たからなんとか逃げ切れると踏んで、もう一人転ばして走りまくった。


■ ■ ■


「はぁ、はぁ、・・・ちょっ、あれ、何?」


公園に入って、芝生の上に寝転んだ。


あー、久々に走ったら肺いてー。


「知らねー・・・、いきなり、つっかかってきやがって、くそ」


「でも、まぁ、怪我無さそうで、良かったー」


変に笑いがこみ上げてくる。


「余計なこと、してんじゃねー、よ」


「気にすんなってー。俺の自己満足だからさー。ッッ!?」


笑いながら起き上がったら、いきなり押し倒された。


「ふざけんのも大概にしろよ!俺のせいでお前になんかあったら、俺の寝覚めが悪いだろうがッ!!」


えー、それって、その、つまり


「心配してくれたの?」


ばっと顔が真っ赤になって、飛び起きた。


「んなっ、んなワケねーだろ!!ただ俺の寝覚めの問題で・・・ッ!!」


「うわー、うれしー」


「だからッ!!」


小田が怒鳴りかけたところでケータイが鳴った。


「うお、ちょっとごめんねー」



開くと吉田から着信だった。


「はーい、もしもしー?」


『かがやん!?無事!?』


声が凄い焦ってて、随分心配かけたんだなーと思う。


「無事でーす。ごめんねー、心配かけてー」


『ほんッッッッとだよ、このバカ!!すぐ警察が来てだなぁ、結構騒がしかったんだぞ!』


後ろから、他の奴らの声も聞こえる。


『まぁ、お前なら無事だろうとは思ってたけど!・・・はぁー。良かったー・・・。で?やっぱり小田だったんだろ?小田も無事?』


「うん、無事無事。本当にごめん」


『無事ならいーよ、もう。小田も無事で良かったって伝えといて。こっちはこっちで解散するからな』


「うん、わかった。ありがとー。ほんじゃあね」


ケータイを閉じてから実感する。俺、結構無茶したんだなー。


最近は平凡な生活送ってたしなー・・・。


「すげーな、心配されてて」


どこか鼻白んだ様子で、小田が言う。


「遊んで帰る途中だったからさー。吉田が、小田も無事で良かったって」


それを聞いて、小田の顔が赤くなった。



あれ?


なんか、嫌っていうか、なんて言うか。


あれ?




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