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小田と加賀。  作者: 高槻
6/10

第六話

「やっべーよ!かがやんカッコイイ!!」


「女の子キャーキャー言ってたぞ!!」


松本と吉田がすっごいテンション高い。俺も人のこと言えないけど。


「えー、ボーカルにでしょー?」


「なんだよー、素直に喜べよー!」


ヤバい。ちょーうれしー。


体育館の隅に小田が居た。


気のせいかもしれんけど、こっち見てた。


と思う。


なんかもー、成功したハイテンションのせいで神経が昂ぶってる。


「俺達これからカキ氷食いに行くけど、かがやんも行く?」


「あー、俺ちょっといいわー。適当に回ってくるねー」


「わかったー」


■ ■ ■


「あー、いたいた」


階段を上ると、屋上の入り口に小田がひとり座っていた。


一般入場者は3階以上は立ち入り禁止だし、殆どの生徒は祭りを楽しんでるしで大分静かだった。


「見に来てくれたでしょー、ステージ。ありがとねー」


「・・・なんで隣に座るんだよ」


「いーじゃん。大体屋上出たら暑いってー。小田はもう色々食べたー?」


顔を覗き込んで言ったら、少しうろたえて口を開いてくれた。


「・・・食ってない」


「じゃあさ、じゃあさ、俺と一緒に回ろうよー。俺もステージの準備でまだ回ってないんだよねー」


「・・・一人で行ってこいよ」


「やだー。一人は寂しいもん」


「もんとか、きめー。大体オトモダチくらいいっぱいいんだろうよ。そっちを誘え」


「小田もオトモダチでしょー?」


「はァ!?」


「だってほら、こんなにいっぱい喋ってるじゃん。俺こんなに喋ってる小田、見たことねー」


言ったら顔が真っ赤になった。


自覚無かったのかなー?


「ねー?オトモダチだよねー?」


「・・・ちがう」


体育座りして顔を埋める。なんかその仕草可愛い。


「違わないー。俺がオトモダチと言ったらオトモダチ」


どうしても顔を上げてくれないから、後ろに回って覆いかぶさった。


「!?」


「オトモダチって言うまで離さないぞー」


「お前、マジウゼェ・・・ッ!!」


結構本気で暴れられた。


「わわわ、危ないって」


から、胸のあたりで腕回して抱き寄せた。


「あははー、抱っこみたいだねー」


横顔を見たら、耳まで真っ赤になってて。


「あはは、真っ赤だー」


「ッッ!!ふざけんなよ、てめー!!なんだよ前からいっつもいっつも!!席替えする度にお前が隣だし!頭とか撫でるし!話しかけてくるし!抱きつくし!!」


「だってー。小田と仲良くなりたいんだもーん」


「俺はなりたくねぇ!!」


「オトモダチにならないと、ちゅーするぞー」


「マジでキモい!てか、痛ぇ!!」


小田の首を捻って後ろ向かせようとした。


「実力行使」


「うわー!やめ、やめろ!!」


そこまで抵抗されると傷つくというか。


「じゃー、オトモダチね」


「脅しだろそれ!!」


「ちゅーか一緒にポップコーン買いに行くか!さぁどっち!!」


「ココにいる!!」


「それはちゅーってことですねー」



「ふッ・ざッ・けッ・んッ・なッ!!」



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