第五話
夏休み明け。
一週間後にあるのは文化祭。
あっちー。
普通、秋にやるもんじゃないのかなー?
飲食物、腐っちゃう心配が出てくるよねー・・・。
■ ■ ■
「うちのクラスは昇降口と校門の飾りつけ担当です!とりあえず、大量に花を作るって事で!!」
元気な委員長に誰も反抗することなく、黙々と花紙で花を作っていく。
「青色なんてあったんだー」
「色混ぜようぜ。5色5色!!」
「緑だけって、レタスじゃねー?」
わいわいがやがや、教室中が五月蝿い。
まー、こういう喧騒は嫌いじゃないけど。
「小田は文化祭、何か出ないのー?」
隣の小田に声を掛ける。
あの後また席替えがあったけど、また手回しして隣になった。
どうして、とか聞かれても分からないんだけど。うーん、なんとなくっていうのが一番当たってるような気がする。
小田、なんか可愛いし。
「バンドやってそうなイメージだけどー」
やっぱり無視。
しょうがないから、自分の報告。
「俺はねー出るよー。3組の奴らとねー。ベースなんだー」
「えー、まじ!?加賀くん出るんだー。絶対見に行くから」
クラスの女子が、予想以上の反応。
「おー、待ってるわー」
手、ひらひら振って、花を折るのを続ける。
「小田もさー、見に来てよー」
「・・・うるせーなぁ」
「えへへー」
声聞けたー。
なんか、小田の声を聞くのが毎日の楽しみになってきているかも。
だからウザいくらいに話しかけてしまうのかも。
「うわ、加賀キモい」
前から松本が茶々を入れる。
「ひでー」