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小田と加賀。  作者: 高槻
3/10

第三話

どーしよー。


明日のLHRは席替えです。


折角小田と近いのに、これじゃー離れちゃうー。


どうしようか考えて、そうだと思い立つ。


クラスの奴らにメール送って回してもらった。


人徳あると、良いねー。


■ ■ ■


「いやー、小田と隣になれて嬉しいなー。後ろの席だしー」


自分で裏で手を回しておきながら、しゃーしゃーと言える俺の口。


小田はうんざりした顔で、ずっと黙ってる。


「小田さー、背大きいよねー?いくらあるん?」


無視。


「俺より10センチは高いよねー?180?俺まだ成長期だからすぐ追いつくよー」


「・・・うるっせー」


わお、低音ボイス。


不機嫌真っ盛り。


小田は毒づいて、机に突っ伏してしまった。


まー、いいさ。


次の席替えまで時間あるもんね。


■ ■ ■


「かがやんさー、どうしたの?」


屋上で弁当を食いながら、吉田が尋ねる。


毎週火曜は、俺と吉田、松本、林田の4人で昼食を取るようになっていた。


「どうしたの、って何がー?」


「小田にめっちゃ話しかけてんじゃん?」


「そーそー。小田、かなり不機嫌なのになあ」


「小田って、あの小田?」


一人だけ別のクラスの林田が確認する。


「そう。あの小田」


「かがやんさー、皆に根回しして、態々隣の席になったんだぜ」


「へぇ。加賀って結構皆に好かれるのに、やっぱり小田には好かれないか」


「てか、加賀がウザいんだよ。しつっこいのなんのって」


「え、うそー。俺ウザかった?」


「ウザい」


二人に断定されて、ちょっとショック。


そっかー、ウザかったかー。


だってさー、小田と会話したいから。


「どうしてそんなに会話したいわけ?」


「それはーーー・・・」


林田の問いに答えかけて、止まる。


「それは?」


「ん、なんでもない。なんとなく」


んだよー、とか言われる。


でも言えない。



小田の真っ赤な顔が可愛かった、なんて。



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