第一話
この話はボーイズラブです。同性愛に嫌悪感がある人注意。ほのぼのストーリー。のんびり×ツンツン。【一部改稿】
わー、ツンツンしてらぁ。
第一印象はそれ。
■ ■ ■
高2の春。
クラス替えでどうなるかなー、とか思って席についてぼーっとしてたら、前に座ったのが小田。
頭は無造作。
ピアスは耳に二つずつ。
確か、前1組の奴で、・・・喧嘩っ早いって有名な。
窓際で固まっている女子が、少し沸く。
この学校の女子は結構レベル高いとは思うけど、どーしてあんなに騒げるのか不思議。
俺としては、おしとやかーな女の子が好きなんだよね。
「小田君はどう思うー?」
「・・・あ?」
声を掛けられるのが余程以外だったのか、どこか苛付きを含んだ声で返事をした。
隣の席に座っていた女子が、少しだけビクついたのが分かった。
「女の子はさー、可愛い系が好き?それとも強気美人系?」
その問いには答えてくれなかった。
「小田君は中身ツンツンかー。てかさー、呼び捨てでも良い?君付けってなんか寒いよねー」
・・・舌打ちが聞こえた。
「ちょっ、それはひどくねー?せっかく席近いんだからさー、仲良くしよーよー」
それでも無視され続けて、仕方ないから俺も黙るしかない。
「おー、かがやん。おっはー」
振り向くと、1年の時同じクラスだった吉田がひらひらと手を振っていた。
「おはよー。そっかー、吉田も2組かー」
「松本も2組だよ」
「まじで」
「そろそろ来っけど・・・あー、来た来た」
「・・・なんか暗いけど、どうしたん?」
「あー、林田とクラス違うからじゃね?林田1組なんだよ」
「うわー」
「いや、それはこの際良いんだ。」
「へ?」
「巧太の奴・・・ッ、1組の前で抱きつきやがってッ」
怒り心頭のご様子。
てか、林田ってそんなキャラだったけ?
吉田も不思議なようで首を傾げている。
「春休みを経て、林田の性格変わったんじゃね?」
「なんかあったのー?」
「んなっっ、何にも無ぇよっ!!」
あー・・・。
何かあったって言ってるよー、それ。
顔真っ赤だし。
そこで前から寝息が聞こえてきた。
知らず、声のトーンを落とす。
「前誰?」
「んー、小田くんー」
「へぇー」
「それだけー?」
結構有名人だから、もうちょっとなんか言うと思ってたんだけど。
「だって、お前だったらトラブルにならないしなあ」
「そうそう。かがやんのんびりしてるからね。」
「聖母様?みたいな?」
その形容どうよー?