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end  作者: 此坂 有恵
7/10

6.Cold morning

皆が皆簡単に、何が起こるか分からないと言うけれど、現実は小説より奇なりと言うけれど、そんなの誰だって……いや、少なくとも僕は信じなかった。ただそれだけだった。

本当にそれだけだったんだ。














「広人! 起きなさい! 学校に遅れるわよ!」

甲高い母親の声が響く。二児の親とは考えられない声だ。

それにしても、だ。

そう、それにしても、なのだ。

正直、母が甲高い声でも、ガラガラなオッサンみたいな声でも、なんでもいい。

ただ僕は不満だった。

もう起きなきゃいけないのかよ……という事に。

僕の中では一瞬しか寝てない気がするんだけどな……まったく。人間は便利なのか不便なのか分かりやしない……

そんな不満を頭の中で言っていると、僕の頭はなんと、『二度寝』という悪魔じみた考えが湧かしてきやがった。

ふん、なかなかやるじゃないか、僕の頭め。と思った。思ったが、思ったのは刹那だった。

なぜなら、悪魔の『二度寝』が誰に対して悪魔かと言えば、勿論僕に対してなのだから……

「はい。今、下に行きます」そう母親に返事をした僕は、急いで制服に着替え始めた。そんなに急ぐ必要はないのだけど、どうも寒いと急ぎたくなるのだ。

クローゼットを開けて、まずはワイシャツを取り出す。そして僕は今着ている寝巻きを脱いだ。

まさにその時だった。いきなりドアが開く。現れた人物は我が妹だった……のだが、

「兄さん、おは……」

「…………」

バタン!

「…………」

僕の着替えてる姿をみて赤面し、急いでドアを閉めたのだった。

家族なのだから、あんなに照れなくてもいいのに、などと思っていると、

「すいません! すいません! すいません!」

妹はドア越しにすいません、をお経のごとく読み上げ始めた。

「ち、ちょっとちょっと! そ、そんなに謝らなくていいって」

「すいません! すいません! すいません! すいません!」

「いや、だから「すいません! すいません! すいません! すいません! すいません!」

「ねえ、だか「すいません! すいません! すいません! すいません! すいません! 吸いません!」

「…………」

どんだけパニクるんだよ……この娘は。

しかもそれだけならまだしも、最後のすいませんの変換が違ってて、なんかいやらしいし……


ん? 考えすぎ? 

そんな意見は聞こえません。


しょうがない、と僕は決心すると、ゴホンッと咳払いをし、

「僕の話を聞けええええええええ!」

と、怒鳴り声をあげた。

すると、妹はまるで僕と呼応するかのように、へ?と素っ頓狂な声をあげた。

そして、パニクり世界から無事に脱した妹が発した第二声は


「マクロス?」


「…………」

アニメに詳しい妹だった……



いかがでしたか?

物語の進行の方もあり、わかりにくく感じるかと思いますが、どうぞ最後まで読んでやってください。


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