1.The minority or the majority?
初めまして。
ひどく稚拙な文章ですが、最後まで読んでいただけると光栄です。
「神崎、この問題を解いてみなさい」
ただいま12時20分。
僕は授業があと10分で終わるものだから安心してボーっとしていた。
勿論、この数学の先生は知る由も無いわけで……
そこで
「分かりません」
こんな感じに普通に答える。
するとどうだろう。なんと不思議なことに他の生徒に回答権が回っていくのだ。
なんて不思議で素晴らしい言葉。
どのくらいすごいかって言うと……
どうでもいいか、そんなこと。
僕は思考を止めてあと8分くらい残ってる授業風景を見回した。
一番後ろの席だからどうも人間観察をしてしまいたくなる。これも人間の業というやつだろう。
人間は物事を上から見たがる。教室での上を指す物は一番後ろの席だ。
だから僕は後ろの席が好みなわけで……
とりあえず見回してみると、iPodを聞いてる奴、早弁してる奴、化粧してる奴、ゲームしてる奴、勿論のこと勉強してる奴。
人さまざまなのはまったくもって良いことだが、こいつらは何しに学校来てんだよ。と突っ込みを入れたくなる程のだらけぶりだ。
まぁ、僕にも当てはまる訳だけどさ。
こんなくだらない観察も終わりを向かえようとした時、うまく鐘は鳴った。
「では今日はここまで。宿題を忘れないように」
先生は月並みな台詞を教室に言い放ち、この場を去る。
そして僕も去る。
この腐った場から。
友達、恋人、大切な人、希望、夢、熱血、根性、やる気……
此処にはそれ等が多すぎる。
そしてそれ等は僕にないものだ。
同属嫌悪。
確かにあるだろう。
ただ、滅多に有り得ることはない。同属なんて大していないからだ。それは勿論幅によるが……
しかし、異属嫌悪。
言葉は滅多に聞かないが、大概がこれだろう。いじめ、差別、区別、挙げだしたら切りが無い。
だからこそ、僕は居心地がとても悪い。周りの奴等と僕が根本的に違う此の場所にいると反吐が出そうだ。
本当に苛々する……此処にいると…………
僕の足は勝手に動いて屋上へと向かう。
文字通り、精神的にも肉体的にも……
立ち入り禁止の文字を無視して階段を上がりドアを開けると青い空が見えた。
そして気持ち良い風が僕の髪を舞い上げる。
此処はさっきと違う…
此処から見える鳥瞰風景、それは素晴らしく綺麗だった。そして楽しかった。
その感覚を感じた僕は正常であり異端なのだろう。こんな綺麗な風景が一望できる場所にただ独り。それは綺麗に感じる。綺麗な場所を見ているのだから……
だが、こんな孤独な場所にただ独り。なのに楽しい……それはおかしい。
そう感じるしかない。自分の感覚が自己の存在を異常にするエビデンス……
ーーだから此処は素晴らしく悲しい場所でもあった。
「ふぅ……」
軽く息を吐き出したところで、僕は声色を淡々とさせ言う。
「隠れないで出てきて下さい。お願いします」
すると、物陰から出てくる影があった。
やっぱりね……ホント分かりやすい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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