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プロローグ
桜の花びら――。
それは、新たな門出を祝う紙吹雪のようなもの。それは、春風と共に新たな出会いを運んでくるもの。それは、世界を優しく包み込む、美しい人の心のようなもの。
そのどれもがすべて、俺にはどうでもよかった―。
そう、このような表向きなピンクは真のピンクではない。
どんなに素晴らしい出会いがあろうと、どんなに新たな一歩を踏み出そうと、どんなに桜のピンクが美しかろうと、俺が抱えるエロの輝くピンクの前では、その美しさも霞んで見える。
この時の自分は、まだ気付いていなかった――。
自分の中にあるエロい魂。自分の中に消しても消しきれないほどの、絶えず光輝き続ける究極のエロがあったことに。
そして絶えず光輝き続ける俺の中の光は、ある日ある者の手によって、更に輝きを増す。
そう、世界を救う程の眩い光になって―――。