第十話、決意
今回は少し短めです。
「アイン、あれから何時間経った。」
「4時間」
辺りは闇に覆われ、了悟を追い詰めるように降り注ぐ雨
了悟はオオワッシャに負けてからずっと倒れたままでいる
「お前、こんなところで何やってるんだ?」
偶然通りかかった川島が傘を差して、了悟に気ずく
「川島せんせ・・・じゃなかった、川島」
「こんな濡れやがって、どうしたんだ?」
「自分に絶望してたところです。」
淡々と答える了悟に川島は少し動揺した。
「ほら、これお前のだろ?」
一枚の紙、これはオオワッシャが了悟に宛てたもの
了悟は読んでいない
「読まなくていいのか?」
差し出される一枚の紙、了悟は何度も読もうとしたが読まなかった。
ちがう読めなかった。読もうとすると敗北感が襲う、だから読む勇気が出なかった。
かぐやを助ける方法が書いてあっても読まなかった。
「俺にそんな資格ありません」
バシッ!
川島が了悟の頬を叩いた。
「資格がない?ふざけんな天才がたかが喧嘩で負けたぐらいで絶望してんじゃねーよ!絶望する暇があるなら行動しろ!行動」
川島は無理矢理、紙を持たせその場を去った。
「アイン、ごめん俺、間違ってた。」
「そうか」
了悟は紙を広げ書いてある文を読んだ。
内容は南にある教会に来いとの事、日時は明日になっている。
「アイン、俺はかぐやを助けたい、だから力を貸してくれ」
「いいに決まってるだろ」
了悟は新たにかぐやを助けることを決意した。
「オオワッシャ、ご苦労様」
教会内部は闇で包まれている。
「はっ!魔王様」
「明日は決戦日だからね」
「承知しています。では」
オオワッシャはその場から消えた。
「さぁ了悟、勝負と行こうじゃないか」
白衣を着た男の笑い声が響いた。