RED
『RED』は
作者の主観と血を題材として扱っています。
苦手な方もいらっしゃると思いますので、
R15指定にさせていただきますことや
ご了承ください。
またこのような病的な作品が苦手な方は
お引き返しくださいますようお願い致します。
「…消えてる」
左手首を見て呟く少女は
それを噛む。
少しの痛みに眉をしかめて、
それを噛みちぎるようなイメージで。
出来る噛み跡に 彼女は嗤う。
切るのとは違う、醜くはない。
血は出ないし、跡も長くは残らない。
「至福。これは至福。
…くだらない自殺願望とは違うの」
彼女の瞳から落ちる雫。
どうして涙が出るかなど
自分ではわからない。
「…あれ?」
噛み跡から血が滲む。
白い肌に真っ赤な筋が通る。
彼女はまた嗤った。
「なんだ、綺麗じゃない」
ペンケースの中のカッターを
手首に当て、裂いた。
溢れる赤に、少女は嗤う。
「堪らない」
そう言って、また嗤う。