プロローグ
ド素人ですがよろしくお願いします。
拙い文章ですがどうぞ生温かい目で見守って戴ければ幸いです。
聖王暦450年、『それ』はほんの些細な出来事が切っ掛けだった。
アデルフィア大陸
この大陸には五つ国が存在する。
中央のアンダルフィア法国、北のシルフェニオス帝国、南のローサス共和国、西のテルティア合衆国、そして東のカルディアノ王国。
切っ掛けとなったのはカルディアノ王国での出来事だ。
とある日の夕方ごろ、一人の女の子が殺された。
彼女には失礼かもしれないが本当に何でもない、ただの普通の女の子だった。
目的は金でも身体でも無く、ただ――殺す事。
犯人はシルフェニオス帝国の軍人。
当時カルディアノ王国とシルフェニオス帝国の関係はお世辞にも良いとは言えなかった。
事ある毎に対立をしていた中での帝国軍人による少女の惨殺事件。
王国の住民達の間に帝国への怒りが広まるのにそう時間はかからなかった――。
王国と帝国の民衆同士の紛争が始まり、其れは次第に王家や皇帝家を巻き込み、最後にはアンダルフィア法国以外の四大国を巻き込む巨大な『戦争』と化して行った。
シルフェニオス・テルティア連合軍、通称《白の軍》
カルディアノ・ローサス連合軍、通称《黒の軍》
大陸を斜めに分断する有史以来、最大の大陸戦争。
武器や魔法が飛び交い、血と火薬と焼けた生物の臭いが立ち込め、大陸の10分の1が焦土と化し、全人口の3分の1を犠牲とした『戦争』は、凄惨すら通り越し地獄という表現すらすら生温い様に感じられた――。
永世中立国家であり、アデルフィア大陸で最も古く、力のあったアンダルフィア法国も直接的な戦争活動はしていなかったとは云え被害は免れず、多大な影響を受けた。
大陸全土が混沌と化し、人々は皆己の事すら儘ならない、そんな状態が50年続いた。
聖王暦499年、戦争開始からもうすぐ50年となったある日、一人の男が現れる。
男の名はーーセクラディオ・アルノード・サーヴェンス。
後に聖王暦史上最悪の出来事として伝えられ、各連合軍の通称より名付けられた《黒白大戦役》を終焉へと導き、『救世主』と崇められた、大英雄であった。
賢人と称された知識、卓越した剣技と魔法能力、神の域にすら達するその力を持ってして大陸各地の争いを鎮め、当時18歳の若さでこの50年続いた地獄の戦争を僅か一月足らずで終結させてしまった――。
――本当に、本当に良くある話だ。
――地獄の様な戦争が起こった切っ掛けも。
――英雄が世界を救うのも。
こんな言い方はあの時殺された女の子の事もも、戦争で無残に散って行った人々の事すらも冒涜しているのかもしれない。
しかし、其れでも尚、人々は繰り返す――。
だから本当に良くある話なのだ、例えば――
終わった筈の戦争が500年経った今でも実はまだ終わってはいない、なんて話など――。
本編は次話から、引き続きよろしくお願いします。