第七章 誘い
臨に陰陽師にならない?と聞かれ、陰陽師になることを決意する。
これ以上大切な人を失いたくない...。
これから、特訓に励む毎日が始まる...。
-琥珀-
臨に、陰陽師にならないか?と聞かれ、驚く私。
陰陽師って何かもわからないし、妖怪なんて信じたくない。
でも、もし妖怪が本当に存在するならば、私はもう友達を失いたくない。
自分も、死にたくない。仲間を、自分を守りたい。
「よくわからないけど、私はもう、大切な人を失いたくない。
だから、皆を守る為、私は強くなりたい。
臨さん、私に力をちょうだい!」
私は言った。臨は満足気に笑うと、
「いいわ。私が貴女を鍛えてあげる。」
そう言って私の腕掴み、不気味な空き地へと引っ張って行った。
その空き地で、臨は言った。
「まず、貴女に結界を教えます。
結界とは、自分を守り、かつ、相手に攻撃できる便利な技。
結界をマスターするには、最初に九字を教えましょう。
私がやってきた中で一番簡単な方法だから....。」
そういうと、臨は人差し指と中指を立てた状態で手を組んだ。
そして、「臨」と言うと、何かゾワっとした。
「これが結界よ。きっと貴女にもこれができるわ。
私に向かって手を伸ばして。触れられないから。」
私は臨に言われたとおり、手を伸ばした。
すると、コツッ何かにぶつかった。これがきっと結界なのだろう。
目には見えないが、確かにそこに壁があった。
「これが...結界...。
私にも出来るの?」
「ええ。練習すれば、貴女もきっとできるはず。」
私は臨と同じように、手を組んでみた。
そして、「臨」と言ってみたが、何も起こらない。
「やっぱり、一回目から出来たら化物か。」
臨は笑いながら、私に向かって言った。
「これから毎日、休み時間と放課後特訓!」
いやはや、なかなか大変な事をやりはじめてしまったらしい。
『これから、私はどうすれば、いや、どうなってしまうの?』