第六章 化物の正体
事件を起こした犯人は妖怪?!
夜鷹悠は危険な人...
臨の正体は陰陽師?
臨の話を聞いて、余計に混乱した琥珀。
臨に「陰陽師にならない?」と聞かれた琥珀は
一体どうする?!
-琥珀-
臨が普通ではありえない信じがたい話を話し出した。
まずは、こう前置きを言った。
『さっきいた化物のこと、覚えてたのね。
生きていた人全員の記憶を消したはずなのに...
あなたには、才能があるかもしれないわ。』
「なんのこと?!
記憶を消した? 才能がある?
...でも、やっぱり化物は本当にいたのね?あれは一体なんなの?!」
『そうね...あれは、化物といえば化物だけど、詳しく言うと「妖怪」の方が
近いと思うわ。やはり、夜鷹という人は危ないわ...』
私は混乱した。妖怪?妖怪って、河童とか、一旦木綿とかの妖怪?
それに、悠が危ない?それは、どういうことなの?
「妖怪って何?悠がどうしたって言うの?」
『皆、さっきの事件を不審者のせいだと思い込んでいるわ。
私がそうさせたから。妖怪それは、まあ簡単に言うと怪物に等しいけれど、
何か違うのよね...。でも、今は妖怪の話はおいて置きましょう。
夜鷹は、危ない。何か力を隠している。
闇の暗い、そして強い力を...。』
「悠の、力?」
『ええ。
琥珀さんは、あの化物を目の前にして、どうした?』
「どうもこうも、怖くて何もできなかった...
皆を助けられなかった。臨さんは何をしてたの?
どうして、臨さん達は襲われてなかったの?」
『そう...。そうね、私は手短に言うと、陰陽師をやっているの。
陰陽師とはなにか...それは、魔や妖怪を祓い、悪日などを占う、
そういう人達のことよ。だから、私は妖怪から人を守っていたの。
陰陽師は、普通の人とは違うことができるのよ。
例えば...、見ていて。』
臨はそういうと、すぐ後ろにあった電柱に向かって手を突き出した。
すると、どうだろう。触れてもいないのに電柱が二つに圧し折れた。
「本当はこんなもんじゃないわ。」
臨はそういいながら、不思議な言葉を言った。
電柱は、みるみるうちにもとに戻った。
唖然としている私に臨は微笑みかけた。
「話がずれちゃったわね。
まあいいわ。琥珀さん、貴女この力身につけてみない?
いいえ、平たく言えば、陰陽師にならない?」
私は大きく目を見開いた。