第五章 血滴る教室
悠と共に帰った教室に待ち受けていた悲劇。
血滴る教室。他の教室では、何事も無いかのように
授業を続けていた。
私達のクラスに一体何が?
そして、臨と悠は何をしたのか?
琥珀はこの状況で何を思うのか...
-琥珀-
悠を無理矢理引っ張って教室に戻った。
が、教室に入って私は言葉を失った。
他の教室には、何事も起こってないのに、私の教室だけ...
荒らされ、血が飛び散っていた。
あちこちから響く悲鳴。
まるで、そこに見えない何かが居るかのように、次々生徒が倒れていく。
無事の生徒は皆固まって震えていた。
私は咄嗟に臨の姿を探した。
臨は皆と少し離れてたところでその光景を見ていた。
いや、左手を胸の前で人差し指と中指を立てた状態でその光景を見ている。
よく見てみると、その生徒が固まっているところから離れている生徒が
次々と倒れていた。一体何故?
私がその場で凍り付いていると、悠はにやりと笑うと、
私の腕を噛んだ。
恐ろしい程強く噛まれ、血が滴る。
私ははっとした。
何!あれ!?
目の前に巨大な蜘蛛のような化物が居た。
「キャー」
また甲高い悲鳴がした。
また一人、その化物に捕まってしまった。
私の腕から抜け出した悠は、その化物に突進していった。
「悠、危ない!!」
私は叫んで、目を伏せた。
けれど、何も起こらない。何も聞こえてこない。
目を少し開けてみると、教室には黒っぽい紫色の靄がかかっていた。
そして、化物の姿はどこにも無い。
一体何が起こっているの?
すると、今度は白い光が放たれた。
私は眩しくてまた目を閉じた。
その後頭を誰かに強く打たれ、私は気を失った。