第三章 仲良しグループ
謎の少女、臨。
何故か、悠を警戒しているような臨は
何を思うのか...
悠の何を感じたのか...
臨と悠の関係はこれから先重要だ。
-琥珀-
いったいなんなの、あの子!
臨は、皆の注目を浴びているにもかかわらず、さっさと食器をかたずけた。
昼休み、臨は教室で読書をしていた。クラスの皆に話しかけられてたら微笑みを返すだけで...。
そこに、クラスでも一際目立つ、夜鷹悠が臨に明るく話しかけた。
「ねえ、君どこから来たの?さっきから黙ってばかりだけど。」
悠は、いつもとは違う、どこか邪悪な笑みを浮かべた。
読書をしていた臨は、他の皆には微笑んでいたが、悠にだけはしかめっ面をしていた。
まるで、悠を警戒しているかのように...。
芽衣は、春戸と海斗とお喋りをしている。
春戸は、無邪気で男子なのに可愛らしい顔をしているせいか、女子にとてもモテるのだ。
他の女子に囲まれながら、のんきにクラスメートは会話している姿は、どこか和める。
逆に、海斗は馬鹿だ。顔はそこそこなのに、頭がおかしい。
昔は忍だったとか、実は300歳なんだとか、あるわけのないことを言っている。
金井芽衣、高瀬春戸、石井海斗、夜鷹悠、最後に私はいつも一緒にいる仲良しグループだ。
まさか、このグループが、臨の過去であんなことに巻き込まれるなんて思っても見なかった...。
「ねえねえ...」悠がしつこく臨に話しかけている。
もちろん臨はずっと無視しっぱなしだ。
私は、バシッと悠の背中を叩いてやった。
「臨さん嫌がってるでしょ!やめてあげなさいよ。」
「いってえなあ。わかったよ。もみじの琥珀。」
『嘘、臨さんの前でそんなこと言わないでよ!』
私は、とても凶暴だ。男子には、気に入らない時はすぐ蹴りやパンチ、平手打ちを入れてしまう。
もちろんそれは、友達(人)のためだけれど、私が平手打ちしたときに、背中にもみじ型(手のあと)が残るので、通称もみじの琥珀と(男子には)呼ばれている。
「ありがとう。琥珀さん。」
突然礼を言われて驚いたが、私は顔を赤らめて言った。
「どういたしまして。」