第一幕 転入生 第一章 謎の転入生
謎の転入生白雪臨は、一体何者なのか。
学校案内の途中、臨に突然聞かれた質問に、
琥珀はしどろもどろになる。
その質問の意味とは?
-琥珀-
席に着いた臨は、早くも生徒達に囲まれた。
ねえどこから来たの? 好きなタイプは?
など、様々な質問をされたが、臨は何も答えず、ただ微笑んでいた。
「さあ、席に着いて。授業始めるわよ。」
休み時間、臨は質問責めにされる前に、さっと教室を出て行った。
私は、臨を追った。夢に出てきた白い少女は、髪も服も真っ白だったけど、
臨は、黒髪に、アジアンなテイストな服を着ていた。
でも、どことなく似ているのは顔だ。
少し細めの瞳に、シャープな眉。すっきりとした鼻に、きゅっとむすんだ口元。
絶世の美少女といっていい顔立ちだった。
そんなことを考えているうちに、臨は角を曲がった。
私は慌てて追ったが、臨が曲がったとおもわれる道には人影はなかった。
『しまった、見失った!』
と思ったとき、背後から凛とした声が聞こえた。
「あら、どうしたの?こんなところで。
もし、よかったら、学校の中の案内してくれない?琥珀さん。」
臨は、微笑みながら、(いや、どこか意味ありげな笑い方だったが)言った。
「い・・・・・いいよ。」
しどろもどろになりながら私は答えた。
廊下を歩きながら私は臨の様子をうかがった。
まだ、臨とはあまり話したことが無いから、臨がどんな子かがわからない。
しばらくすると、臨の方から私に話しかけてきた。
「琥珀さんは、霊って見える?」
予想もしなかった言葉に私は仰天した。
「あ・・・あの、白雪さ・・・。」
私の言葉は途中でさえぎられた。
「臨でいいよ。」
臨に言われたので、私は訂正した。
「臨さん、私、霊感なんてないし...なんの能力もない...たまに見えるっていう人もいるけど。」
「そうならいいわ。」
臨は、綺麗な黒髪を靡かせながら私より一歩前に出た。
「私、ちょっと職員室寄るから琥珀さんは先に行ってて。」
そういうと、臨は角を曲がって消えていった。